運命の夜――受け入れるしかない絶望の果て
重苦しい沈黙は、まだ消えない。
遥とひろしの身体は、夜の深みの中で絡みつき、兄妹であるはずの二人は悲壮な吐息を重ねていた。
遥の涙は乾かず、痛みと羞恥、屈辱と恐怖が、身体の隅々まで染みわたる。
強盗の男は、そんな二人を飽きることなく見下ろしていた。
遅い動きで、遥の腰はお兄ちゃんの上で何度も上下し、無理やり晒された裸身は、汗と涙でぬめっている。
リビングには淫靡な吐息と、時折男が立てる不穏な物音だけが響いていた。
遥は、今夜が「危険日」であることを知っていた。
カレンダーに小さくつけた印が、何度も頭の中に浮かんでくる。
(今だけは……どうか、神様……こんなこと、起こらないで……)
だが、現実は遥の祈りなど一切無視した。
男は、ひろしにコンドームをつけることすら許さなかった。
その残酷さを、楽しんでいるようだった。
遥の腰が、兄の熱を奥まで受け入れるたび、冷たい恐怖が背骨を駆け上がる。
肌と肌が擦れ合い、熱がどこまでも広がっていく。
ひろしの身体も、抵抗しきれない生理的な反応に、激しい罪悪感と自己嫌悪を感じていた。
(遥、ごめん……こんな形で、お前を傷つけて……)
兄の瞳には涙が溜まり、唇は震えている。
だが、男の命令に逆らえば、遥にさらなる暴力が降りかかることは明らかだった。
遥は兄の胸元に身体を預け、無理やり繋がったまま震え続ける。
男は遥の髪を乱暴に撫で回し、低い声で囁いた。
「そのまま、全部受け入れるんだよ。逃げられないぞ。お兄ちゃんの全部を、おまえの奥に流し込ませろ」
遥は絶望に唇を震わせた。
膝を開き、兄の熱を深くまで感じながら、身体の内側でざわつく恐怖に震える。
(危ない日なのに……どうしよう……お兄ちゃんの……私の中に……)
汗と涙で全身が濡れ、皮膚は痙攣するように敏感になっていた。
リビングの照明がぼんやりと照らすなか、遥の白い太腿と兄の熱が密着し合い、どちらのものか分からないほどに肌が溶け合っていく。
ひろしは、遥の腰に手を回した。
縛られていた手首にはまだ赤い跡が残り、その痕もまた、この夜が現実である証だった。
遥の身体は、男の視線と命令で、無理やりに動かされ続ける。
兄の熱を奥深くまで咥え込み、繋がったまま小刻みに震える。
「お兄ちゃん……お願い……出さないで……危ない日なの……」
か細い声で懇願する。
だが、ひろしにはその言葉に応える力はなかった。
そして男は、嬉しそうに嘲りながら言った。
「ダメだ。“妹の中で全部出せ”。妹も兄貴のを全部受け止めろ」
遥の恐怖は限界を超えていた。
兄の熱が、徐々に高まり、身体の奥が熱くなるのを感じる。
逃げ場のない痛みと、絶望。
遥は涙に濡れながら、ただ兄の顔だけを見つめていた。
「お兄ちゃん……怖いよ……どうして、こんなことに……」
掠れた声は、泣きながら途切れ途切れになっていく。
ひろしの呼吸が荒くなり、身体が大きく震える。
兄の心の叫びが、遥の心の叫びと重なり、二人だけの無言の祈りが部屋に満ちる。
遥の身体が、兄のものを受け入れたまま、ついに限界を迎えた。
兄の熱が、遥の奥へと一気に押し寄せてくる。
その瞬間――
「いや……やだ……お兄ちゃん……!」
遥は大きな声で泣き叫び、兄の首にしがみついた。
ひろしもまた、妹を強く抱きしめ、涙を溢れさせる。
二人の身体が強く結ばれる中、兄の熱が遥の奥底にすべて流れ込んでいく。
遥はその感触を、痛いほどはっきりと感じた。
体内に熱が広がり、危険なほどの実感が、身体と心を貫く。
(全部……私の中に……お兄ちゃんのが……)
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔。
兄の胸元に額を押し付け、遥は小刻みに震える。
男は、満足げに鼻で笑い、二人を眺めていた。
「妹の中に兄貴のが流れたな。これで完全に、お前たち“終わり”だ」
遥は、呆然と天井を見つめた。
心の中で何かが壊れ、静かに崩れていく。
「お兄ちゃん……どうしよう……赤ちゃんできちゃうかも……」
兄の瞳もまた、深い悲しみと絶望に満ちていた。
だが、それでも彼は、遥の肩をそっと抱き、震える妹の身体を温める。
(遥、絶対に守る。絶対に……)
二人の涙は混じり合い、夜の静寂の中で絶望のしずくとなって床に落ちていった。
リビングには、危うい沈黙と、やり場のない苦しみ、身体に残る生々しい熱だけが、永遠のように漂い続けていた。
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