秘密の蜜――洗面台の前で交わる吐息
遥は、まだ身体の奥に残る熱と、知らぬ間に咲かされてしまった快感の余韻から逃げるように、教室を飛び出した。
胸の奥がずきずきと疼き、下腹部は湿り気を帯びている。 (やだ、なんで……私、どうしちゃったの……?)
階段を降りて、キャンパスのトイレへ駆け込む。
白いタイルの壁、無機質な光、どこまでも清潔な場所が、遥には今だけ唯一の逃げ場だった。
洗面台の前、鏡に映る自分の顔は、見たことがないほど赤い。 (なんで……こんな……)
唇も、頬も、まるで熱を帯びて燃えている。
蛇口をひねり、水を両手ですくって頬に当てる。 (落ち着かなきゃ……私、変になっちゃう……)
しかし、身体の疼きは消えない。
強くしめつけるような下腹部の違和感が、
脈打つように遥を内側から揺さぶる。
遠くでチャイムが鳴り、他の学生たちが教室を出てくる気配が聞こえる。
遥は不安げに鏡越しに自分の瞳を見つめ、 (お願い、誰にも気づかれたくない……)
と息を殺した。
その時、背後から微かな足音。
ひろしだった。
彼は遥の背中を見つめながら、抑えきれない衝動と、もう一度だけと決めた強い決意に駆られていた。
(遥が、あんな顔で教室を出ていった。
あの快感は、きっと彼女の中に強く残ったはず……
もっと、彼女の奥まで、僕だけのもので満たしたい……)
ひろしは、周囲を確かめて、そっと呟いた。
「……止まれ。」
世界が、ふたたび、沈黙の檻に包まれる。
水滴が空中で固まり、扉の向こうの足音も消えた。
遥だけが、無防備なまま、洗面台の前で立ち尽くしている。
(今度こそ、遥のすべてを……
僕の舌で、指で、知らない快感で、支配したい……)
ひろしは震える手で遥にそっと近づく。
制服のスカートに指をかけ、その奥の下着に手を伸ばす。
白く清楚な下着を、ゆっくりと膝まで滑らせる。
(遥、ごめん……だけど、どうしても……)
遥の脚がわずかに開かれて、ピンク色の膣が、
恥じらいと未成熟の証を隠すように、静かに光の中で浮かび上がる。
うっすらと湿った秘部――
まだ誰にも見られたことのない、遥の「女の場所」。
ひろしは、しゃがみこみ、顔を近づけて深呼吸する。
ほのかな甘い匂い、柔らかな毛、そして奥の肉のひだ。
舌先をそっと膣口に当てる。
まずは、やさしく舐める。
花びらのようなひだを、舌の先端でなぞり、掬い、柔らかく包み込む。
遥の秘裂が、微かに濡れてきている。
舌を少しだけ中に差し入れ、 内側の熱とぬめりを感じ取る。
遥の身体は動かないが、官能の火種は確かに、
その奥で芽生えていく。
(こんなに、柔らかくて、温かい……)
唇を密着させて、クリトリスを探し当てる。
わずかに膨らんだ小さな粒を、舌先で転がし、吸い上げる。
ちゅっ、ぴちゃっ――
ねっとりと音を立てて、舌と唇で遥の膣を味わい尽くす。
鼻先に彼女の香りをいっぱいに吸い込み、 (遥、君の全てが美しい……僕はもう、止められない)
クリトリスを重点的に、
ぴちゃぴちゃ、ちゅっちゅっ……舌でリズミカルに責め立てる。
遥の全身が硬直しているのに、
奥のほうから透明な蜜がじわじわと滲み出してくる。
(遥の味だ……
これが、彼女の快感の証なんだ……)
舌を深く入れ、膣の内壁をくすぐる。
そして唇全体で膣口を覆い、舌を捻じ込むように回転させる。
ずずっ、くちゅっ、ちゅるっ――
生々しい舌使いで、遥の敏感な肉襞を愛撫し続ける。
クリトリスを吸いながら、指でそっと膣口をなぞる。
遥の全身が、見えない痙攣を繰り返し始める。
「遥……遥……君の一番大切な場所、
僕が全部、知りたい……感じてほしい……」
心の中で囁きながら、
舌の動きをさらに激しくする。
左右に、上下に、円を描き、
強く吸い、また優しく舐める――
遥の蜜が、舌先と唇を伝い、顎を濡らしていく。
膣口の奥まで、じゅるじゅると音を立てて舐めあげ、
もう一度クリトリスを挟み込み、しつこく吸い続ける。
はぁ、ちゅぱっ、じゅるっ――
生々しい水音と、舌と唇の執拗な愛撫。
(もう、遥、限界だろう……
君の身体は、僕の舌で、はじめての絶頂を……)
ひろしは最後に、クリトリスを強く吸い上げながら、
舌で一点を集中的に高速で責め立てる。
その瞬間、遥の身体が見えないほど細かく震え始めた――
ひろしは遥の下着を静かに戻し、スカートの乱れも丁寧に整え、
自分は素早く個室の奥へと身を隠した。
息を殺しながら、心臓の鼓動が全身を叩き続ける。
遥の中に残した快感が、今、時の檻を超えて爆発するはず。
「……動け」
世界が音を取り戻す。
水音、足音、扉の開閉音――
遥は、洗面台の前で突然全身に電撃が走るような感覚に襲われた。
「ひっ……あっ、あっ、ん、んんっ……!」
下腹部が、焼けつくように熱い。
脚の奥から、波のような痺れが駆け抜ける。
膣が、奥から絞り上げるように跳ね、
内ももが蜜で濡れていく。
(な、なにこれ……やだ、やだ、止まらない……)
遥は鏡の前で震え、片手で口を塞いで、
耐え切れずこぼれる喘ぎ声を必死に抑えようとした。
「んっ、あ……あ、や……」
(誰か、助けて……私、どうしちゃったの……?)
膝が笑い、洗面台に手をついて崩れ落ちそうになる。
身体の奥がぐいぐいと締めつけられ、 (壊れちゃう……もう、いや、止めて……!)
誰も、ひろしが何かをしたとは思わない。
遥自身も、何が起きたのか全くわからない。
ただ、未知の快楽に心も体も支配され、涙が滲むほどに恥ずかしさと混乱に打ち震える。
トイレの個室に駆け込み、
遥は膝を抱えてうずくまった。
身体の奥には、まだ微かに残る甘い余韻。 (お願い、誰にもバレないで……私、どうして、こんな……)
教室へ戻る気力もなく、ただ静かに、 自分の中に生まれてしまった「初めての快感」を
咀嚼しながら、遥は密やかに涙を流すしかなかった。
そして、その全てを知っているのは、 ひろしだけ――
沈黙と背徳の影が、二人の運命をさらに深い檻の中へと誘っていく。


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