夜の帳が降りる密室 ― 禁断の兄妹
- 静まり返る夜、熱に浮かされる遥
- 兄・ひろしが忍び寄る
- 妹の無防備な姿に揺れる理性と欲望
- 触れてはならない背徳の境界
夜の帳は深く、まるで暗い水面の底に沈むかのように、世界はしんと静まり返っていた。
静寂という名の絹が、重く、やわらかく、この部屋全体を覆い隠している。
空気はひんやりとした夜の気配をまといながらも、その中でただひとつ、遥だけが、異様な熱に身を焼かれていた。
ベッドの上、遥の細い身体はシーツの中で小さく丸まり、頬に貼りついた髪が汗でしっとりと重くなっていく。
呼吸は浅く、微かに乱れながら、その喉の奥は焦がれるような渇きに襲われていた。
思考はもつれ、意識はぼんやりと霞んでいく。
夢と現実の境目が、熱のせいで曖昧になっていく中――ふいに、廊下の奥から足音がゆっくりと近づいてきた。
ひとつ、またひとつ。
夜の静けさを壊さないように、それでいて確かに響いてくる、重く湿った足音。
遥は、次第に高まっていく不安を抱きながらも、抗うことができなかった。
その足音は、遥の部屋の前で、しばしの静止を見せる。
キィ……
重くゆっくりとした音を立てて、ドアが開く。
遥の名前を、低く、震える声が呼んだ。
「遥……」
その声。
遥の身体は思わず、ぴんと強張る。
兄――ひろし。
遥の全身を、ひろしの視線がじわじわと這っていく。
ベッドに横たわる妹を、まるで別人を見るような眼差しで、じっと、見つめている。
額に汗を浮かべ、体温の高さに頬を赤く染めている遥。
その無防備な寝姿、シーツの隙間から覗く柔らかな四肢――。
妹でありながらも、今この瞬間だけは、女としての姿を、ひろしは認めざるを得なかった。
遥の胸が、かすかに上下している。
シャツの襟元からのぞく、滑らかな白い肌。
ベッドに身を沈め、汗ばむ首筋がランプの灯りに艶めいて見える。
ひろしは童貞だった。
女の温もりに触れたことも、柔らかな香りを間近に吸い込んだこともない。
なのに、いま目の前で、こんなにも近くにいる遥の姿に――どうしようもない「男」としての自分が目覚めてしまうのを感じていた。
罪悪感と羞恥が、胸の内で渦を巻く。
けれどその渦の中心には、今まで抑えつけていた欲望が、ゆっくりと膨らんでいく。
――どうして、こんなにも無防備なんだ。
そう思いながらも、ひろしの目は自然と、遥の汗ばむ鎖骨や、シーツから覗く太ももに吸い寄せられていく。
遙の体温が、部屋の冷たい空気の中にふわりと広がる。
その甘い熱気に誘われるように、ひろしはベッドへと歩み寄る。
「大丈夫か、遥……」
かすれた声で問いかける。
けれど本当は、遥の体調などどうでもよかった。
いまはただ、妹のその艶やかな姿に、男として抗いがたい衝動を覚えていた。
遥は、身体の奥底で危機感を募らせていた。
シーツをぎゅっと握りしめ、視線をそらそうとする。
それなのに、兄の気配がゆっくりと近づいてくるたびに、不安よりもなぜか、じわりと肌の内側が疼くのを感じてしまう。
汗で透けたシャツが、遥の細い胸の輪郭を際立たせていた。
喉の奥から、かすかな吐息が漏れる。
ひろしの心臓が、ドクン、と強く脈打つ。
これが背徳。
これが、触れてはならない境界――その事実を痛いほど知りながら、理性はひたすらに溶けていく。
手を伸ばしたい。
髪を撫でて、額に唇を落としたい。
遥の身体を、この手で感じてしまいたい。
そんな甘く危うい妄想が、ひろしの頭を、じりじりと痺れさせる。
けれど、彼はただ、ベッドの脇に立ち尽くすしかなかった。
遥の寝顔。
無防備な胸元。
薄く汗ばむ太もも。
そのすべてが、ひろしの「兄」としての理性を崩壊させていく。
部屋に漂う甘い香り。
静けさの中で、遥の呼吸のリズムがやけに大きく響く。
そのたび、ひろしの中の“男”がざわめき、抑えきれない衝動がこみ上げてくる。
もし、このまま……
もし、理性の枷が、いま外れてしまったら――
そんな、危うい想像が、二人の間にねっとりとした背徳の影を落とす。
夜はさらに深く、部屋の中に官能の気配だけが、静かに、しかし確実に満ちていくのだった。
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