絶望に沈む夜 ― 支配と服従のはじまり
- 屈辱の映像を突きつけられる遥
- LINE交換の強要と大学名の告白
- 絶望と支配に囚われる心
遥は、男のスマートフォンの画面に映し出された自分の惨めな姿を見つめたまま、
身体の芯まで凍りついたように動けなかった。
喉奥にはまだ精液の生々しい味が残り、
涙で腫れた瞳はどこにも逃げ場がない。
現実から目をそらしたくても、男の指が顎を強く持ち上げ、
屈辱の映像を無理やり見せつけてくる。
男は十分に満足したのか、スマホをポケットに戻し、
遥の顔を見下ろしながら、口の端をゆがめて微笑んだ。
「なぁ、今からLINEを交換しようか」
遥は一瞬、何を言われているのかわからず、
ただ怯えたまま男の顔を見上げた。
「……え?」
男は薄ら笑いを浮かべたまま、遥の顔にスマートフォンを近づける。
「ほら、LINEのIDを教えろ。すぐにだ。
もし拒否したら、この動画を大学にも、親にも、ばら撒いてやるからな」
その言葉に、遥の全身がひきつった。
心臓がどくん、と大きく跳ね、指先まで冷え切る。
「……いや、いやです……」
涙混じりのか細い声が、かすかにこぼれる。
だが男は一切容赦なく、冷たい声で続けた。
「それと……お前がどこの大学か、ちゃんと言え。
こっちはな、携帯もLINEも、全部身元がバレないようにしてある。
通報したところで、何の意味もない。
もし警察に言ったら、その時はこの動画をお前の大学に――
そうだな、学生課や学部の先生宛てに送ってやるよ。
それが嫌なら、素直に言うことを聞け」
遥の背筋に、冷たい刃物をあてられたような恐怖が走った。
逃げられない――
通報しても無駄、助けもない。
この動画が世の中に晒されてしまう恐怖と屈辱、
自分の未来が男の掌の中で握り潰されていく。
男の指はスマートフォンを操作し、
「IDを打て」とLINEの画面を遥の前に突きつける。
遥は、絶望の淵で指先を震わせながら、
自分のLINEのIDをそっと入力した。
涙で画面が滲み、文字がぶれてよく見えない。
だが、逆らえば何もかも失われる――
それだけは、わかりきっていた。
「ほら、早く。ぐずぐずしてると……どうなるか、わかってるよな?」
男の声は、遥の鼓膜を圧迫するように低く響く。
遥は声も出せず、ただ震える指で自分のIDを男のスマホに打ち込んだ。
男は満足げにIDを確認し、すぐに友達追加のボタンを押す。
遥のスマホがポケットで小さく震え、
男のLINEの名前も写真も、何も表示されていない通知が届く。
「これで、いつでも連絡できるな。
変なことを考えたらどうなるか、ちゃんと覚えておけよ。
お前の全て、俺が握ってるってことだ」
遥は絶望の中で、首をかすかに縦に振るしかなかった。
そのとき、男が再び低く命令する。
「それから、もう一度聞く。
どこの大学なんだ? ちゃんと名前を言え。
言わなかったら、この場で動画を送る」
遥は顔を真っ赤にし、涙を浮かべたまま、
小さな声で自分の大学名を告げた。
「……○○大学、です……」
その声は、今にも消え入りそうなほど弱々しかった。
自分の口から、守りたかったはずの大学名が絞り出される――
その屈辱と恐怖が、遥の胸をさらに締め付ける。
男はにやりと笑い、
「いい子だな」と頭を撫でる。
その手の感触に、遥の全身が嫌悪と恐怖で硬直した。
「お前が素直なら、余計なことにはならないさ。
でも――もしも裏切ったら、その時は大学にも、家族にも、全部バラしてやるからな」
スマホの画面には、先ほど録画された遥の恥辱の映像が、
今も黒く、冷たく、鮮明に残っている。
その事実が、遥の心を深く、深く絶望へと沈めていった。
涙が頬を伝い落ちる。
誰にも助けを求められず、
男の言葉に逆らうこともできない。
ただ、身を縮めて男の命令に従うしかなかった。
遥は、自分がこれからどうなっていくのか――
何もかも分からなくなったまま、
ただ絶望の夜に、静かに、深く沈んでいった。


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