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【夜の公園での処女喪失】恐怖と快楽のランニング:vol.1(背後に潜む影)
夜風が生温かく、肌にまとわりつく。
春先特有の、湿気を帯びた空気が肺を満たすたび、遥の胸元が規則正しく上下していた。
薄手のランニングウェアの下で、未成熟なふくらみが揺れる。
まだ男性を知らない、完全な処女である遥の身体は、純粋な少女と女性のはざまで揺れ動いているかのようだった。
規則的なランニングシューズの足音だけが、静まり返った公園の遊歩道に響いている。
周囲はすでに鬱蒼とした木々に囲まれ、等間隔に立つ街灯の光だけが、遥の足元に濃い影を落としていた。
遥は、極度の恥ずかしがり屋だった。
同年代の男女が昼間のキャンパスで無邪気に笑い合う輪に入ることができず、いつも少し離れた場所で息を潜めていた。
特に男性の視線が苦手で、すれ違う時に少し目線が合うだけでも、身体が硬直し、冷や汗が滲んでしまう。
交際経験は一度もなく、男性と手をつないだことすらない。
そんな彼女にとって、誰もいない夜の公園を走るこの時間だけが、唯一の安らぎであり、自分自身と向き合える時間だった。
誰の目にも触れない暗闇の中だからこそ、自分の未熟な柔肌が夜風に撫でられる感覚に、ひっそりとした解放感を覚えていたのだ。
ランニングを始めてから30分。
普段はアパートの自室でじっと息を潜めている彼女にとって、夜の冷気に触れながら走るこの瞬間は、抑圧された日常からの唯一の逃避行だった。
肺に流れ込む冷たい空気が、自分という存在の輪郭を確かめさせてくれる。
足の裏から伝わる地面の硬さが、自分が確かにここに存在していることを証明している。
大学の講義中、常に周囲の視線に怯え、誰の記憶にも残らないように小さく丸まっている昼間の自分とは違う。
夜の闇だけが、彼女のすべてを優しく包み込み、誰にも見られない自由を与えてくれていたのだ。
身体は適度な熱を持ち、額からはじんわりと汗が滲んでいた。
心地よい疲労感が筋肉を包み込み、日中の張り詰めた緊張を解きほぐしていく。
いつもなら、このまま公園の外周を回り、アパートへ帰るはずだった。
しかし、今日の夜は、何かが違っていた。
公園の奥へと進むにつれ、街灯の数は減り、木々の落とす影が黒々と道を覆い隠していく。
息を吸い込むたびに、土と青草の匂いが鼻腔を突き抜ける。
そして――背中から、じっとりと絡みつくような異様な気配を感じ始めていた。
(……だれか……後ろに、いる……?)
最初は、風が木々を揺らす音のせいだと思った。
自分の足音が、周囲の木霊となって反響しているだけだと、必死に自分に言い聞かせた。
夜の公園特有の静寂が、自分の聴覚を過敏にさせているだけだ、と。
しかし、歩幅を広げ、ペースを上げても、その気配は一向に消えない。
むしろ、遥の焦りに呼応するように、背後の影は濃く、そして確実に距離を詰めてくるように感じられた。
振り返る勇気はなかった。
もし、本当に見知らぬ男が自分のすぐ背後を歩いていたら。
その想像だけで、遥の背筋に氷のような冷たさが走り、同時に、下腹部の奥底に、今まで感じたことのない異様な圧迫感が生まれる。
それは純粋な恐怖であるはずなのに、極度の緊張状態に置かれた交感神経が暴走し、未開の粘膜にほんのりとした熱を集めていく。
生物としての防衛本能が、身体の芯を震わせ、警鐘を鳴らしていた。
(……気のせい、気のせいだよね……こんな時間に、人がいるわけない……)
呼吸が乱れ始める。
酸素を求めて口が半開きになり、途切れ途切れの吐息が夜の空気に溶けていく。
額から滲んだ汗が、頬を伝い、首筋へと滑り落ちる。
ウェアに張り付く布地が、遥の敏感な肌を擦り、その摩擦すらもが、今の彼女には過剰な刺激となっていた。
自ら自分の身体を慰めることすら知らない遥にとって、この極限の緊張がもたらす生理的な反応は、まったく未知の現象だった。
恐怖で身体がすくんでいるのに、なぜか下半身に血が巡り、奥の方がズキズキと疼くような感覚に襲われる。
それが恐怖による血流の変化なのか、それとも別の何かなのか、純潔な遥には理解できるはずもなかった。
足音が、聞こえた気がした。
遥の軽いランニングシューズの音とは違う、重く、引きずるような硬い靴の音。
ザッ、ザッ、と。
一定の距離を保ちながら、確実についてきている。
心臓が、肋骨を突き破るほどの勢いで暴れ出した。
全身の血液が沸騰したように熱くなり、耳の奥でドクンドクンと脈打つ音が鳴り響く。
圧倒的な恐怖が、遥の理性を真っ白に染めていく。
逃げなければ。
走らなければ。
そう頭ではわかっているのに、足が泥沼に沈み込んだように重く、思うように前に進まない。
まるで悪夢の中で逃げ惑う時のように、身体が言うことを聞かなかった。
太ももの筋肉が強張り、膝がガクガクと震え、今にも崩れ落ちそうになる。
(……どうしよう……足が……動かない……っ)
背後に迫る圧倒的な捕食者の気配。
自分という無力な獲物が、暗闇の中で完全にロックオンされているという絶望感。
見えない視線に全身を舐め回されているような錯覚に陥り、遥の胸元は恐怖で激しく上下し、ウェア越しの蕾が硬く縮こまる。
恐怖と羞恥が入り混じった極限状態の中で、処女である彼女の身体は、防衛本能とは裏腹に、じわりと淫熱を帯び始めていた。
見知らぬ男の視線が、自分の無防備な背中や、揺れる腰つきに突き刺さっている。
その事実だけで、遥の自尊心は粉々に砕かれ、圧倒的な劣等感と恐怖に支配されていく。
頭の中では、無数の最悪のシナリオが渦巻いていた。
通り魔、誘拐、暴行。
ニュースで聞くような凄惨な事件が、まさか自分に降りかかるはずがない。
そう否定しようとするたびに、背後の足音は残酷な現実として遥の鼓膜を叩く。
助けて、と叫びたい。
誰でもいいから、この暗闇から自分を連れ出してほしい。
しかし、極度の恐怖は遥から声を奪い、ただ無力に喘ぐことしか許さなかった。
視界が涙で滲む。
街灯の光がぼやけ、闇が四方から迫ってくる。
助けを呼ぼうにも、恐怖で喉がカラカラに渇き、声が出ない。
肺が焼けつくように痛い。
それでも、必死に足を前に出し、公園の出口を目指そうとした。
あと少し、あと少しで大通りに出られる。
車のライトが見えれば、この恐怖から解放されるはずだ。
そう信じて、最後の一歩を踏み出そうとした。
しかし――
ザッ、という大きな足音が、遥のすぐ耳元で響いた。
そして、生温かい男の息遣いが、うなじに直接吹き付けられる。
「……っ、いや……っ」
声にならない小さな悲鳴が漏れた瞬間。
無骨で、熱を持った大きな手が、背後から遥の細い肩をガシリと掴んだ。
骨が軋むほどの強い力。
男の圧倒的な腕力に逆らうことなどできず、遥の身体はビクリと大きく跳ね、その場に縫い付けられたように硬直した。
逃げようともがくこともできず、ただ目を見開き、息を呑む。
背中から、男の重い体温が覆い被さるように伝わってくる。
今まで男性と肩が触れたことすらない純潔な身体に、未知の異物の熱が強制的に押し付けられる。
それは遥にとって、あまりにも暴力的で、生々しすぎる感触だった。
「だれか、たすけて」
口の中だけで呪文のように繰り返すが、声帯は麻痺したように震えるだけだ。
汗と、獣のような強烈な雄の匂い。
遥の脳内は完全にパニックに陥り、思考が真っ白にショートする。
自分がこれから何をされるのか。
夜の闇に飲み込まれ、誰の助けも届かないこの場所で、一体どんな屈辱が待っているのか。
男の手のひらから伝わる暴力的なまでの体温に、遥の身体は完全に服従を強いられていた。
遥はただ、ガクガクと震える膝を抱え込むようにして、逃げ場のない絶望の淵に立たされていた。
暗黒の公園の奥へ、静かに引きずり込まれる予感だけが、彼女の全身を絶望で満たしていた。


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