「いや……っ、お願い……やめて……っ」
遥の声は、すでに涙に濡れていた。
顔を背けても、耳元で吹きかけられる熱い息が、それを許さない。
背中に広がる布団の感触すら、もう冷たい現実として彼女を突きつける。
逃げ場なんて、どこにもない。
この小屋も、男の身体も。
どちらも、遥を絡めとる檻だった。
「わかってるんだろ?」
ひろしの手が、太腿を撫で上げる。
その手つきはゆっくりと、だが確実に遥の理性を削り取る。
「抵抗しても、無駄だって。……だったら、自分からしたほうが、まだマシなんじゃないのか?」
耳元で囁かれるその言葉に、遥の心が揺れた。
奪われる。
無理やり、初めてを壊される。
それは……想像するだけで、吐きそうなほどの恐怖だった。
でも。
もし、自分から……身体を使って、奉仕することで、少しでもこの状況を和らげられるのなら。
――私は、壊されるよりは、自分で選びたい。
遥の喉が、ごくりと鳴る。
唇が、震えながら開いた。
「……わ、わたしが……します……から」
「ん?」
「自分から……する、から……っ。お願い、乱暴しないで……っ」
その言葉に、ひろしの口角が吊り上がる。
「……ふぅん。賢い子だ」
そう言って、彼はゆっくりと身を引いた。
遥の手首を縛ることもせず、ただ座ったまま、自らのズボンの前を緩めていく。
カチャリ、とベルトが外れる音。
ごそりと、ズボンが下ろされる布の擦れる音。
遥は、手を小さく震わせながら、視線を下に落とした。
そこには、太く、膨張した肉塊が、遥の視界を支配していた。
まだ触れていないのに、唇がひりつく。
処女である遥には、あまりにも生々しすぎる現実だった。
「……さぁ。してごらん。自分から、な?」
促されるままに、遥はおそるおそる膝をついた。
目の前にそびえる男の欲望――それは、まるで彼女に屈服を迫るかのように、威圧的に屹立している。
鼻先に近づくと、その熱と匂いに思わず顔を背けそうになる。
だが、逃げればすぐにでも押し倒されるだろう。
遥は、震える指先で、男の根元にそっと触れた。
ぬるりとした質感。皮膚の柔らかさの中に、岩のような硬さが潜んでいる。
それを、両手で支えるように包み込む。
「……口で、して……いいんですね?」
「おう。ゆっくりでいい。喉を痛めるなよ」
男の言葉は、優しげだったが、その奥に獣のような欲が透けて見える。
遥は、深く息を吸い、ゆっくりと唇を開いた。
ぬる……っ。
初めての感触が、遥の口内に押し入ってくる。
唇が、男の肉に吸い付く。
その温かさと重さに、思わず涙が滲む。
「ちゅっ……んっ、く……」
舌がどう動いていいのかわからず、ただ口の中で温めるように含むことしかできない。
それでも、ひろしの吐息が荒くなっていくのがわかった。
「……いいぞ、そのまま。もっと奥まで、入れてごらん」
「んぅ……む、むり……っ」
喉が詰まりそうになりながらも、遥は自分なりに舌を使って先端をくすぐる。
つぅ……っと透明な蜜が先端から滲み出し、それが舌の上に落ちる。
ほのかに塩気を含んだその味が、遥の口内に広がった。
「……ちゅ、れろ……んっ……こ、こう……ですか?」
「おぉ……たまらんな、おまえ……口、うまいじゃないか」
ひろしの手が、遥の頭を軽く撫でる。
優しさにも似たその手つきが、余計に遥を羞恥の淵へと沈めていく。
自分から、男のモノをしゃぶっている。
それも、山奥の誰も来ない小屋で――逃げ場のない状況の中。
「もっと、舌で先を巻いてみろ。そう、そうだ。唇で締めながら……うまい、遥……」
名前を呼ばれるたび、心が軋む。
それでも、遥は舌を動かす。
少しでも、このまま優しく終わってくれるなら、と。
くちゅ、じゅる……れろれろ……っ。
自分でも信じられないような音を口内で響かせながら、遥は口で奉仕し続けた。
「……そろそろ、出そうだ」
「んっ……?」
「口の中に出すぞ」
「……っ、ま、待って……っ!」
言い終える暇もなく、男の肉がびくんと震えたかと思えば――
次の瞬間、遥の口内にどろりとした熱い液体が流し込まれる。
「……っん、んぅ……っ、く、くるし……っ」
口の奥にまで押し込まれたまま、逃げ場のない粘液が遥の舌と喉を汚していく。
なんとか口を離し、唇の端から白濁が垂れた。
「……あぁ……最高だったよ。遥」
額にかかった髪を、ひろしの指が払う。
遥は、膝の上で小さく肩を震わせながら、唇をぬぐった。
奉仕を選んだ。
それが、正しかったのかは、まだわからない。
だが。
男の瞳にまだ炎が宿っていることだけは、確かだった。
「次は……身体でも、奉仕してもらおうか? それともオナニーして絶頂を見せれば許してあげるよ。」
遥の運命は、まだ夜の底に沈み続けていた――。
名探偵の三角関係8
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