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【店長の脅迫】万引き一度の過ち:vol.38(遥、制服のまま“次の指令”に揺れる朝)
冬の朝特有の、突き刺さるような冷たい空気が部屋を満たしている。
曇った窓ガラスの向こうで、遠くの道路を走る車の走行音だけが、やけに単調に響いていた。
遥はベッドの上に座り込んだまま、毛布を固く握りしめて小さく震えていた。
昨日の夜、多目的トイレの個室で味わった想像を絶する羞恥と快感の余韻が、いまだに彼女の身体を支配している。
制服のスカートの下では、ひろしに無理やり抉り抜かれた純潔の蕾が、朝になってもなお微かな熱を持ってじんじんと疼き続けていた。
そして、太ももの内側にこびりついたままの白濁液の乾いた痕跡が、昨日の出来事が決して悪い夢などではなかったことを残酷なまでに証明している。
まるで現実と悪夢の境界線がすっかり溶けてしまったかのような錯覚。
身体は鉛のように重く、心は深い泥の底に沈んだままで、このまま長く時間が止まってしまえばいいのにと、遥はひたすら祈るしかなかった。
しかし、そのささやかな願いは、無慈悲な電子音によって唐突に引き裂かれる。
ブブッ、ブブッ……。
静寂を切り裂くように、ベッド脇に放り出されていたスマートフォンが低く震えた。
その音を聞いた瞬間、遥の肩がびくりと大きく跳ね上がる。
恐る恐る画面を覗き込むと、そこには悪魔からの死の宣告のような、ひろしからの新しいメッセージが通知されていた。
『今日のエンコウの予定が決まったぞ』
『今日はお楽しみだ、俺の知り合いも呼んで3人同時に乱交だ』
『もちろん撮影もするし、昨日言った電動バイブも使うからな』
『お駄賃は3倍やる』
『18時、ホテル305号室』
『昨日と同じ、その制服で来い』
スクリーンの無機質な白い文字が、鋭い氷の刃となって遥の心臓を深々と串刺しにする。
全身の血の気が一瞬にして引き、指先から急速に体温が奪われていくのがわかった。
「さ、さんにん……? ら、乱交……? うそ……っ……」
声は極度の恐怖でかすれ、喉の奥でヒューヒューと乾いた音が鳴る。
三人。
撮影。
電動の道具。
そして、制服。
その単語が頭の中でパズルのように組み合わさった瞬間、遥の脳裏に、これから自分がどんな地獄を味わわされるのかが鮮明に浮かび上がってしまった。
昨日の夜でさえ、たった一人の男にあれほどまで無惨に犯され、身も心もボロボロにされたというのに。
今度は、見知らぬ男たちにまで囲まれ、あんな恐ろしい道具を使われて、その無様な姿をカメラに収められるのだ。
「やだ……っ、やだぁっ……! もう、許して……っ……!」
遥はスマートフォンをベッドに放り投げ、両手で耳を塞ぐようにしてうずくまった。
しかし、目を閉じても、昨日の個室で濡れた太ももを撫で回され、冷たい道具を押し当てられて、声を抑えきれずに喘いでしまった屈辱的な自分の姿がフラッシュバックしてくる。
恐怖と羞恥が同時に押し寄せ、遥の呼吸は次第に浅く、過呼吸のように乱れていった。
制服の襟元に、ポロポロと大粒の涙が滲んでいく。
逃げたい。
今すぐこの町から消えてしまいたい。
誰かに助けを求めたい。
だが、ひろしの最後の言葉――『連絡を無視するなよ』という脅迫が、呪いのように遥の心を縛り付けて離さない。
もし逃げれば、もし警察や親に駆け込めば、間違いなくあの自慰を強制された動画が大学中、いや、世界中にばら撒かれてしまう。
自分が今まで必死に守ってきた『真面目で清楚な委員長』という仮面がすっかり叩き割られ、ただの淫らな変態女として社会から抹殺されてしまうのだ。
その報復の恐ろしさを想像しただけで、遥の身体はすっかりすくみ上がり、一歩も動けなくなってしまう。
遥は震える手で再びスマートフォンを拾い上げ、手のひらにじっとりと冷たい汗をかきながら、そのメッセージを繰り返し読み返した。
『昨日と同じ、その制服で来い』
大学の制服。
本来ならば、学生としての身分を証明し、自分を守ってくれるはずの神聖な服。
それが今夜、全く別の意味を持ってしまう。
この制服を着たまま、三人の男たちの前に引きずり出され、ただの性処理用の慰み者として徹底的に蹂躙されるのだ。
時計を見ると、午前8時を少し回ったところだった。
約束の18時まで、まだ10時間もある。
遥はゆっくりと立ち上がり、クローゼットの中から、昨日着ていたものとは別の、綺麗にクリーニングされた予備の制服を取り出した。
手触りはいつも通り清潔で、プリーツの線もまっすぐについている。
だが、今日のこの制服は、遥の『守り』ではなく、新しい支配と屈辱の象徴でしかないことを、彼女は痛いほど自覚していた。
スカートをゆっくりと穿き、白いブラウスのボタンを一番上までひとつずつ留めていく。
その動作の最中も、指先は小刻みに震え続け、ボタンを穴に通すことすらままならない。
襟元に手をかけた瞬間、絶望が限界を超え、嗚咽とともに涙が一粒こぼれ落ちた。
「ひぐっ……うぅっ……なんで、私が……っ……」
鏡に映った自分は、どこから見てもごく普通の『真面目な女子大生』だった。
けれど、この清楚な制服の下には、昨日の激しいピストンによって傷ついたままの粘膜と、男たちの欲望を受け入れるためだけの淫らな身体が隠されている。
時間だけが、拷問のようにゆっくりと、しかし確実に流れていく。
遥は心ここにあらずのまま、バッグの中にハンカチとスマートフォン、そして、もしもの時のための予備の下着まで忍ばせた。
自分がすっかり彼らの言いなりになり、あのような恐ろしい場所へ自ら赴こうとしている事実が、遥の心をさらに深く壊していく。
正午を過ぎても、遥の喉はすっかり干からび、水滴ひとつ飲み込むことすらできなかった。
狭い部屋の中を何度もぐるぐると歩き回り、窓の外を見下ろしては、現実感のない眩しい冬の光に目を細める。
ひろしからのメッセージは、既読がついたまま、それ以上何も送られてこない。
だが、遥の頭の中には、『ホテル』『三人』『乱交』『電動バイブ』『撮影』というキーワードが、狂ったメリーゴーランドのように回り続け、彼女の正気を少しずつ削り取っていた。
やがて午後五時を回り、外の空気が急速に冷え込み、町が薄暗闇に包まれ始めた。
遥は玄関の鏡の前に立ち、制服のシルエットを最後に確かめる。
白い襟、膝丈のプリーツスカート、黒いストッキング、控えめなフラットシューズ。
どこを見ても、普通の女子大生。
でも、その瞳だけは、死刑台に向かう囚人のように深い絶望に染まり、激しく怯えている。
「……行か、なきゃ……っ……」
バッグを肩にかけ、玄関のドアノブに震える手をかけたとき、最後にもう一度だけスマートフォンを開いた。
『18時、ホテル305号室』
約束の場所と時刻。
遥は、これからの地獄を想像して足の震えが止まらなくなりながらも、そっと重いドアを開けた。
外の空気は、夜の始まりを告げるように底冷えしていた。
指定されたホテルまでは、電車で数駅の距離だ。
帰宅ラッシュの人の流れに紛れて、遥は俯きがちに足早に歩く。
制服姿のまま、ただの大学帰りの女の子に見える自分が、今からどんな非人道的な目に遭うかなど、すれ違う人々の誰一人として想像すらしていないだろう。
その逃げ場のない孤独感が、遥の心から最後の抵抗の意志を奪っていく。
繁華街の裏路地にある、古びたビジネスホテルのロビーは静かで、人影もまばらだった。
フロントの男は、制服姿の娘が一人で入ってきたのを見ても、何も言わずただ無関心に視線を落とすだけだった。
305号室へのエレベーターを待ちながら、遥は血が滲むほど強く唇を噛みしめていた。
エレベーターが到着し、逃げ出したい衝動を必死に抑え込みながら、震える指で『3』のボタンを押す。
静かに閉じる金属の扉。
階の表示がゆっくりと変わり、三階で無慈悲に停止した。
薄暗い廊下には、遥自身の規則的で重い足音だけが響く。
305号室の古びたドアの前に立ち止まると、遥はもう一度だけ、すがるように制服の襟元を強く握りしめた。
コンコン、と。
か弱く、震えるノックの音が、静寂に包まれたホテルの廊下に大きく響き渡った。
それが、彼女がすっかり人間の尊厳を奪われる地獄の宴の、開幕の合図だった。
ここまで読んでくれてありがとう
選択を変えれば、結末は変わります。
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