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【デリヘル妹】小遣い欲しさの背徳の夜:vol.2(えっ…お兄、ちゃん…?)
第二ボタンに触れたひろしの手首を、遥の指がかすかに押しとどめた。
サイドテーブルには、ひろしが置いた万札がある。遥はそれを見つめたまま、震える息を整え、客へ向けるはずだった言葉を実の兄に選び直そうとしていた。
「……そのお金で、何をさせるつもりなの」
逃げずに問い返した声は細い。ひろしはボタンから手を離したが、二人の距離も、支払われた対価も、その場に残った。
遥は震える足に無理やり力を込め、ドアノブから手を離し、ベッドに腰掛けているひろしの正面に、あえて数歩だけ距離を詰めて立った。
すぐ目の前。
若い女特有の、甘く生々しい体臭と、安っぽい香水の匂いが混ざり合い、ひろしの鼻腔を強烈にくすぐる。
時計の秒針だけがやけに大きく響く中、遥は必死に虚勢を張り、震える声で告げた。
「……お兄ちゃん、私のこと、客として……女として呼んだんでしょ……?」
その声は悲鳴のように細く、今にも泣き出しそうだった。
ひろしは身体をガチガチに硬くし、思わず膨れ上がった肉棒を両手で隠すようにしてさらに深く前かがみになる。
気弱な彼は、目の前にいるのが本当に自分の妹なのか、それともデリヘル嬢という娼婦なのか、頭の整理が全く追いついていなかった。
それを見て、遥は「お仕事」に慣れているフリをするため、必死に頬を引きつらせて作り笑いを浮かべた。
デリヘルの経験があるとはいえ、実の兄の前で女の顔を作るのは、とてつもない羞恥心を伴った。
「……お兄ちゃんも、男なんだね。……でも、どうせお店には、お金いっぱい取られちゃうんだよ……?」
遥は、これがお金のやり取りだけの、ただのビジネスであるということを強調することで、兄の狂った欲望をなんとか逸らそうと必死だった。
「だからさ……お兄ちゃんから直接もらえる方が、私も……嬉しいんだけど」
遥は、震えが止まらない右手を、そっとひろしの前に差し出した。
その指先は氷のように冷え切り、小刻みにカタカタと音を立てるほど震えている。
すでに複数の男を知っている彼女の肌だが、実の兄に見られているという事実だけで、まるで初体験の処女のように身体が強張ってしまうのだ。
「……お小遣いくれたら、私がサービスしてあげるよ……。親には、内緒にしてあげるから」
完全な虚勢。そして、絶望的なブラフ。
親に秘密をバラされないために必死に絞り出した、あまりにも痛々しい「大人の女」の演技だった。
だが、極度の緊張と混乱で理性を失いかけているひろしには、その痛々しい震えすらも、ただ「自分に身体を売ろうとしている堕落した妹」の姿にしか見えなかった。
「本当に……それでいいんだな?」
ひろしの声は、もう普段の優しい兄のものではなかった。
気弱な彼は、胸の奥で何かが決定的に弾け飛ぶのを感じていた。
普段なら絶対に踏み込まない、そして踏み込んではいけない禁断の一線が、今、自分の目の前で大きく口を開けている。
自分に媚びを売り、金を要求してくる妹。
その事実が、ひろしの下半身の熱を、もう二度と後戻りできないほどに狂わせていく。
ズボンの股間の膨らみは、もう隠しようがないほどに猛々しく自己主張していた。
ひろしは、重い息を吐き出しながら、震える手で自分の財布を取り出した。
「……わかった。今日のお店の分、二万円」
一枚、二枚と、一万円札をゆっくりとホテルの小さなテーブルの上に重ねていく。
「それから……遥に、秘密を守るための直接のお小遣い。……二万円」
さらに新しい札を抜き出し、遥の震える小さな手の上に、そっと押し付けた。
「……全部で、四万円だ」
手渡された札束が、遥の手の中でカサリ、と冷たい音を立てて震える。
遥は、その四万円を握りしめたまま、顔を伏せ、絶望に満ちた瞳から一筋の涙をこぼしそうになるのを必死に堪えた。
「……ありがとう、お兄ちゃん」
それは、もう元の家族には戻れないという、完全な諦めの言葉だった。
兄妹の距離は、この四万円の現金の受け渡しによって、決定的に壊れてしまった。
本当は誰よりも大切にしなければならない実の妹を、金で買おうとしている自分。
ひろしは激しい罪悪感に苛まれながらも、目の前で身を縮こまらせている遥から放たれる、甘い雌の匂いに抗うことができなかった。
遥の柔らかな息遣い、怯えて震える指先の熱。
そして、それを見て限界まで膨れ上がるひろしの狂った興奮。
ホテルの分厚い壁の外では、夜の街のざわめきが遠く響いている。
しかし、この狭く息苦しい密室の中だけは、完全に狂った禁断の空間となって、ふたりだけの秘密と暴力的な欲望が静かに、そして確実に膨らみ続けていた。
現金を握りしめ、ただ怯えて立ち尽くす妹。
それを、もう完全に「オス」の目で見下ろす兄。
交わってはいけなかったふたつの運命が、今、確実に取り返しのつかない形で絡み合い始めている。
官能の底なし沼へと足を踏み入れる、その一線を越える“直前”。
部屋の空気は、もうすぐ始まる狂った夜を予感させるように、息が詰まるほど熱く重く澱んでいた。
「……遥、まずは……服を脱いでくれ」
ひろしが震える声でそう告げると、遥はびくりと肩を震わせ、ゆっくりと自身のブラウスのボタンに手をかけた。
カチッ、という小さな音が、密室に響く。
その音はまるで、二人の関係を永遠に断ち切るハサミの音のように、ひろしの耳に冷たく響いた。
一つ、また一つとボタンが外され、少しずつ遥の白い素肌が露わになっていく。
下着姿になった彼女の身体は、ひろしの記憶の中にある「妹」のそれとは全く異なっていた。
豊かな胸の膨らみ、くびれた腰、そして丸みを帯びた女性らしいお尻。
それらは全て、男を誘惑し、快楽を与えるための「道具」として、完全に成熟していた。
「……すごく、綺麗だ……遥」
ひろしは無意識のうちに呟き、フラフラと遥に近づいていく。
そして、彼女の華奢な肩に手を置くと、その身体を力強く自分の方へと引き寄せた。
驚くほど柔らかく、そして温かい妹の身体が、ひろしの胸の中にすっぽりと収まる。
首筋から漂うシャンプーの匂いが、彼の理性を完全に焼き切った。
「……あっ」
遥の小さな口から、微かな声が漏れる。
これから始まるのは、実の兄妹による、絶対に許されない背徳の遊戯。
薄暗いホテルの密室の中で、二人の関係は、もはや絶対に後戻りできないところまで来ていた。窓の外の街の灯りだけが、いつもと変わらず静かに瞬いていた。
遥が前へ出たのは、身体を差し出す決意からではない。家族に知られる恐怖と、すでに支払われた金をどう返すかを考えるためだった。
ひろしにも、その違いは見えていた。俯いた妹の手はバッグの持ち手から離れず、いつでも扉へ戻ろうとする向きのまま固まっている。
それでも彼は現金を引っ込めなかった。客と嬢という関係を先に作れば、兄として聞くべき拒絶を聞かずに済む。その卑怯な計算が、沈黙の間に形を持っていく。
「……約束できる? 今日のこと、誰にも言わないって」
遥が求めたのは秘密を守る約束だけだった。ひろしは頷きながら、その言葉に身体への許可まで含まれているかのように受け取ろうとした。
ここまで読んでくれてありがとう
選択を変えれば、結末は変わります。
別のルートを試すか、他の物語へ。



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