全裸のひろしが、遥の目の前に立っていた。
裸になった遥の肌が、わずかに震えている。
彼女の瞳は潤みながらも、どこか夢を見ているように、焦点を定めきれずにいた。
男の身体は、熱を帯びていた。
吐息の温度すら、触れるほど近い距離で感じ取れる。
「触ってみて」
ひろしの言葉は、命令というよりも、囁きだった。
だが、その響きは有無を言わせない力を持っていた。
遥の指が、ゆっくりと上がる。
震える手の甲が、ひろしの太ももの内側に触れる。
その肌は、思ったよりも熱く、固かった。
人間の身体というより、生きた動物のような鼓動と生命力を感じる。
「もっと、奥だよ」
ひろしが、遥の手を取り、自らの中心へと導いていく。
遥の指先が、彼の男性の象徴に触れた瞬間――全身がビクリと反応した。
未知の質感だった。
硬いのに柔らかく、熱く、脈打っていた。
それはまるで、生き物のように、遥の手の中でわずかに動いた。
「怖くないよ。優しく、包むように」
ひろしの声が耳元で囁く。
まるで催眠のように、その言葉に従ってしまう。
遥の小さな手が、恐る恐る、ひろしのそれを包み込んだ。
思った以上に重く、そして存在感のある塊だった。
多香子が横で、息を飲んだまま見守っている。
その視線さえも、遥の背中を熱くさせる。
「上手いよ、遥ちゃん……初めてなのに」
ひろしの声が甘く崩れた。
遥の指がわずかに動くたび、その反応がダイレクトに伝わってくる。
彼女は、無意識のうちにリズムを掴み始めていた。
緩やかに、上下に。
熱を指先で感じながら、何かを確かめるように。
その行為は、どこか神聖ですらあった。
未知の生き物に触れるような、怖さと興奮の狭間。
脈打つ男の中心を、遥は無垢な指で探っていく。
「やば……遥ちゃん、ほんと……やばい」
ひろしの喉が鳴る。
快感を押し殺すようなその吐息に、遥の胸が高鳴る。
ふと、後ろからスマホのシャッター音がまた聞こえる。
誰かがその様子を撮っている。
だが、遥の頭の中では、それすらもう遠い出来事のようだった。
ただ、手の中の“それ”だけが現実で、
自分の心拍と、その熱のリズムだけが世界だった。
「もっと……やって」
ひろしが、遥の手を自分の腰に導き、さらに深く握らせる。
遥は、無意識に舌を舐めた。
喉が渇いていた。
だが、怖くはなかった。
隣では、多香子が唇を噛みながら、遥の動きを見つめている。
――どうしよう。次は、多香子の番かもしれない。
それとも、ふたりで同時に?
そんな予感が、遥の背筋をぞくりと走った。
だが、逃げ場はもうなかった。
欲望の中心に、彼女たちは静かに、だが確実に、沈んでいく――
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