遥の手の中で、ひろしの熱は確かな鼓動を刻んでいた。
何も知らなかった彼女の細い指先が、恐る恐るではありながらも、本能的な動きで男のそれを優しく愛撫している。
居酒屋の個室の空気は、既に“飲み会”という言葉では表現できないほど、湿り気と熱を帯びていた。
そしてその横で――多香子は、じっと遥の動きを見つめていた。
口を小さく開け、唇を湿らせるように舌でなぞりながら。
頬は上気し、首筋から胸元にかけてほんのりと汗が浮いている。
感情を押し殺そうとしても、その瞳の奥に潜むものは隠しきれなかった。
“遥だけじゃない”
“私も見られている。私にも……順番が来る”
それを意識するだけで、太ももの奥がじわりと疼いた。
経験はない――けれど、身体は勝手に反応してしまっていた。
そんな彼女に、ひろしが目を向けた。
「多香子ちゃん、こっち来て。ふたりで……してみてよ」
まるで誘うような、優しい声。
だが、その優しさの裏に潜む支配の色を、多香子は感じ取っていた。
逃げる?
――無理だ。もう遥があれほどまでにしているのに、自分だけが逃げればどうなるか。
“ノリ悪いね”
“気取ってる”
そんな声が、この輪の中でどれほど残酷なものかを、彼女は知っていた。
だから。
多香子は、静かに立ち上がった。
柔らかく波打つロングスカートが、彼女の足元で揺れた。
誰も声を出さなかった。
ただ、部屋の空気がまた一段階、熱を増したのがはっきりとわかるほどだった。
「わたし……どうすれば……いいの……?」
その声は震えていた。
だが、そこには確かに“欲”の香りがあった。
未経験だからこそ、踏み込みたいという衝動――
好奇心と羞恥と、そして快楽への憧れがないまぜになった香り。
ひろしはにやりと笑って、手を差し伸べた。
「一緒に触ってみて。遥ちゃんとふたりで」
多香子が膝をついて、ひろしの前に並ぶ。
横には、遥がまだ熱を持つ男の象徴を手で包み込んでいた。
そこに、自分の指を添える――ただそれだけのことが、どうしようもなく怖くて、でも、たまらなく興奮する。
遥と目が合った。
不思議な安心感がそこにあった。
“ひとりじゃない”――その想いだけが、背中を押してくれた。
多香子の指が、遥の指の隙間に滑り込むようにして、ひろしの肉体に触れた。
「……あっ……」
吐息とも呻きともつかない音が、彼女の唇から漏れた。
指先に伝わる熱と硬さ。
男の生きた証を、彼女は初めて触れて知った。
「すご……こんな……なんだ……」
自分でもわからないような言葉が口を突いて出る。
理屈ではなく、ただ感覚の連鎖だけが、彼女を突き動かしていた。
遥と多香子――ふたりの清楚な少女の指が、ひとつの欲望を包み、交互に、時に同時に、撫で、握り、擦る。
ひろしの身体がピクリと反応するたびに、ふたりの胸の奥に何かが波紋のように広がっていく。
「……遥ちゃん……こう……?」
「うん……そう……優しく、でも……少し強くても……」
そんな会話すら、ひとつの官能の楽曲のようだった。
誰かがまたスマホを構えていた。
だが、もうそれすらも気にならなくなっていた。
ふたりの指が、同じ熱を撫でる。
遥の細い指と、多香子の白く滑らかな手の甲が、時折触れ合う。
そのたびに、まるで互いの熱を感じ合うように、どちらかが小さく震える。
「可愛いよ、ふたりとも……」
ひろしが押し殺した声で呟く。
彼の腰が、わずかに前へ突き出すように反応する。
その感触すらも、ふたりにとっては新鮮な衝撃だった。
遥が囁く。
「……多香子、怖くない?」
「……ううん、でも……変な感じ……なんか……奥が……」
そう言いかけて、多香子は言葉を止めた。
太ももの内側が、熱く湿っているのを感じていた。
ショーツがじっとりと、自分の身体の反応を物語っている。
恥ずかしい。でも、もう止められない。
遥と多香子の指先は、より深く、より大胆に、ひろしの中心を愛撫し始めていた。
──その夜、ふたりの無垢な少女は、
互いの存在を確かめ合いながら、男という異物と、
そして“女になる”という意味に、ゆっくりと沈み込んでいった。
ネトラレテネトラセテ
770円

コメント