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聞く段階へ ― 秘めた質問と脱衣の選択
- 空気が“見せる”から“聞く”へ変化
- 無防備な告白と、強いられる選択
- 羞恥と連帯感が交錯する瞬間
ふいに、部屋の空気がまた変わった。
先ほどまでの“見せる”段階から、“聞く”段階へ――
ひろしは、遥と多香子をソファに座らせ、自分は前にしゃがんだまま、笑みを浮かべたまま、まるでインタビューでも始めるかのように口を開いた。
「ねえ、二人に聞いていい?」
遥と多香子は、反射的に顔を見合わせる。
その表情には緊張と戸惑いが入り混じっていた。
「……な、何を……」
遥の声はか細く、喉が渇いていた。
「オナニーしたことある?」
部屋の空気が――凍りついた。
ひろしの声はあくまで優しく、穏やかだった。
それが、逆に心を締めつける。
「え……そ、それは……」
遥は顔を真っ赤にして、思わず俯く。
頭の奥で、何かが叫んでいた。
“こんな質問、おかしい”
“答えられるわけがない”
“なぜこんなことを訊かれなければならないのか”
だけど、彼女の唇は――開いた。
「……ある……かも……」
それは、ほとんど聞き取れないほどの囁きだった。
でも、確かにひろしの耳には届いた。
「そっか……いいね。遥ちゃんのそういうところ、すごく素直で好きだよ」
ひろしが微笑み、多香子の方に視線を移す。
「多香子ちゃんは?」
多香子は一瞬目を見開いたが、遥の姿を見て、わずかに肩を落とした。
「……な、、、ないです。……」
その告白に、遥がそっと多香子の方を見る。
今、自分たちは――こんなにも恥ずかしいことを、目の前の男に言わされている。
いや、言わされているのではない。
自らの意思で、言ってしまっている。
「ふたりとも……かわいいね」
ひろしの視線が、ゆっくりと二人の脚元へ降りていく。
「じゃあさ――下着も、脱いでみよっか」
その一言は、静かで、でも確実に心を突き刺してきた。
遥の胸が、ぎゅっと締めつけられる。
「……え……っ……?」
震える声。
やめて、と言いたい。でも言えない。
ここで拒否すれば、空気は壊れ、場が凍りつき、自分だけが“拒絶した女”になる。
大学生活。サークルの人間関係。
それが遥の中で、言葉以上の呪縛になっていた。
「大丈夫。俺、無理にはさせない。
でも、今ここで脱いでくれたら……すごく綺麗な思い出になると思うんだ」
その言葉が甘く響く。
そして遥は――ゆっくりと、腰に手を伸ばす。
手が震えていた。
身体中が、警告を鳴らしていた。
でも、彼女の指は、下着のゴムをそっとつかんだ。
視線が自分に集中していることを、痛いほど感じる。
「いや……いやだ……やめたい……」
心の中で、何度も何度も繰り返す。
でも――手は、動いた。
ゆっくりと、パンティを下ろしていく。
足のラインをなぞるように、白い布地が太ももを滑り、膝を越え、くるぶしへ。
やがて、それは指先から離れ、床へと落ちた。
その瞬間、遥の身体がわずかに震えた。
完全に、裸。
見られている。脚の奥まで。
男たちの視線が、隅々まで這っている。
恥ずかしい。死にたいほどに恥ずかしい。
でも……それだけじゃなかった。
遥の中で、なにか――
甘く湿った感覚が、静かに息をしはじめていた。
「多香子ちゃんも……脱いでみて?」
ひろしが、もう一人の少女に視線を移す。
多香子は目を閉じ、しばらく呼吸を整えたあと――静かに頷いた。
「……うん……遥だけに、させない……から……」
その言葉が、遥の胸に染み込む。
二人は今、並んで――“女の子”ではなく、“女”になろうとしていた。
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