【背徳の六九】呪縛に濡れる秘肉と、喉奥を貫く白濁の刻
ラブホテルの密室を支配するのは、外界の喧騒を無慈悲に遮断する防音壁と、絶え間なく吐き出される冷房の乾燥した唸り声だけだった。
その無機質な空間で、唯一生々しい体温を放っているのは、ベッドの上に投げ出された遥の肢体だ。
とおる課長の手にある黒銀のペンダントが、室内の微かな光を反射して怪しく明滅する。
その脈動に呼応するように、遥の肉体は持ち主の意志を無視し、緩慢に、しかし確実に変貌を遂げていた。
事務指定のタイトスカートを剥ぎ取られ、薄いストッキング越しに露わになった太腿は、羞恥と恐怖で小刻みに震えている。
だが、彼女の脳内に響く声は、その震えすらも「悦びへの予兆」として塗り替えていく。
「遥。ベッドの中央にうつ伏せになって、腰を上げなさい。俺の顔の上に跨って……そのまま、口で俺を咥えるんだ」
とおるの低く、湿度を帯びた絶対的な命令。
(な、に……? そんなの……そんな、獣のような真似……っ)
遥のプライドが、理性が、激しく拒絶の悲鳴を上げる。
しかし、彼女の膝は勝手にシーツを掴み、腰は重力に抗うように高く持ち上げられた。
彼女は自分の身体が、まるで精巧に作られた自動人形(オートマタ)に成り果てたような、凄まじい絶望感に襲われる。
四つん這いの姿勢のまま、彼女はゆっくりと後ずさり、仰向けに横たわる課長の顔を跨ぐ形へと導かれた。
眼下には、自分を凌辱しようとする男の冷徹な眼差し。
そして、その顔面から真っ直ぐにそそり立つ、赤黒く怒張した肉棒が視界に飛び込んでくる。
亀頭の先端からは、すでに透明な愛液が玉のように盛り上がり、独特の生臭い芳香を放っていた。
(いや……やめて……こんな、あられもない姿……見ないで……っ)
遥は顔を背けようとするが、首の筋肉までもが命令に縛られ、その太い熱量を直視することを強要される。
それどころか、彼女の腰はゆっくりと沈み込み、自身の膣口が課長の唇の真上に位置するように調整された。
その時、生暖かい男の吐息が、彼女の股ぐらに直接吹きかけられた。
「んっ……ぁ……っ」
不意の刺激に、遥の喉から情けない喘ぎが漏れる。
まだストッキングに包まれたままの秘唇に、男の呼気が絡みつく。
それは、彼女がこれまでの人生で一度も許したことのない、領域への侵犯だった。
「遥。……咥えなさい」
無慈悲な追撃。
遥の唇は、自分でも信じられないほど滑らかな動きで、目の前の肉棒へと近づいていった。
震える舌先が、まずは先端の尿道口をそっと抉るように舐める。
(しょっぱい……。苦い……。汚い、汚いのに、どうして……っ)
嫌悪感で吐き気がするはずなのに、口内に広がる男の熱は、彼女の脳の深部にある、本能的な「雌」のスイッチを容赦なく叩いた。
遥の小さな口が、大きく開かれ、熱り立つ亀頭を根元近くまで一気に飲み込む。
「んっ……ふ……んぅ……っ」
喉奥を突く硬い感触。
同時に、課長の舌がストッキングの布越しに、彼女のクリトリスを執拗に弾いた。
「……っ!? ぁ、あぁ……っ!!」
口内を蹂躙される衝撃と、秘部を直接責められる快感が、遥の神経系で激しく火花を散らす。
布越しに吸い上げられる感覚は、処女の彼女にとってあまりに過激で、暴力的なまでに鋭かった。
男の舌先が、ストッキングを湿らせ、その下の秘唇を割って中へと侵入してくる。
じゅる、くちゅ、ぬちゃ──。
遥の口内から漏れる湿った音と、彼女の股間から発せられる卑猥な水音が、静まり返った部屋の中で不気味に共鳴した。
(わたし……何されてるの……? こんな、汚らわしい格好で……っ)
心では涙を流しながらも、遥の舌は、とおるの肉棒にある裏筋を丁寧になぞり、唾液を絡ませていく。
もはや、どこまでが命令で、どこからが肉体の反射なのか、その境界線すら曖昧になっていた。
彼女の膣内からは、本人の意志とは裏腹に、どろりとした淫蜜が溢れ出し、課長の顔を汚していく。
「遥、いくぞ。口を離すなよ──そのまま、全部受け止めろ」
とおるの腰が大きく跳ね、遥の喉の最深部を、逃げ場を塞ぐように強く突いた。
次の瞬間――。
「んっ……うっ……!!」
遥の口腔内に、焼けつくような熱い奔流が放たれた。
ドクッ、ドクッ、と脈打つたびに、大量の精液が彼女の喉へと直接叩きつけられる。
(やだ……っ、入ってくる……。誰かの、種が……私の、中に……!)
処女の誇りが、白濁した液体によって無残に塗りつぶされていく。
喉を焼くような苦味と、粘り気。
鼻に抜ける強烈な男の匂いに、彼女の瞳からは大粒の涙が零れ落ち、課長の胸を濡らした。
「そうだ……全部飲め……遥……。お前は、口で男を悦ばせるための器なんだ……」
屈辱に満ちた言葉が、呪縛の力と相まって、彼女の自我を木端微塵に粉砕していく。
しばらくして、ようやく解放された遥の唇から、飲み込みきれなかった白濁が、顎を一筋伝って、彼女の白い胸元へと垂れ落ちた。
「……うぅ……っ、は、ぁ……っ……」
遥はベッドの上に這いつくばったまま、荒い呼吸を繰り返す。
口内には、今もなお消えない男の味がこびりつき、喉の奥はじんじんと疼いている。
自分が、今、何をされたのか。
上司を跨ぎ、その顔の上で、自身の秘部を晒しながら精を飲み干した。
その事実の重さに、彼女は嗚咽を漏らして首を振る。
しかし。
絶望のどん底にあるはずの彼女の身体は、残酷なまでの生理的反応を見せていた。
太腿を伝い、シーツにぽたりと落ちたのは、間違いなく彼女自身の愛液だった。
自分を壊し、汚した男の象徴を、彼女の膣は、まだ見ぬ未知の快感を求めて、ずくん、と奥底で求めてしまっていたのだ。
彼女の気高き「美貌の部下」としての時間は、この夜、白濁の味とともに永遠に失われたのかもしれない。

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