翌日。
多香子は、大学のサークル棟にある部室の扉を、恐る恐る開けた。
(……顔を出さないと、まずい……)
昨日の夜、あの場所で起きたこと。
思い出すだけで、膣の奥がじわりと熱を持つ。
恥ずかしい。
でも、出ないわけにはいかなかった。
案の定、部室にはすでに先輩たちが集まっていた。
輪になって座る男たち。
その中心には──見慣れたノートパソコンが置かれていた。
そして──画面には、昨夜の映像。
「お、来た来た。多香子ちゃん、おつかれ〜」
「今ちょうど、いいとこ見てたとこ」
にやりと笑ったひろしが、指でタッチパッドを操作する。
映像が再生された。
そして──画面の中に、多香子自身が現れる。
正常位で抱かれている多香子。
目には涙、口元は喘ぎ、脚を開いて男に腰を受け入れている。
「……っ……」
多香子は、思わずその場に立ち尽くした。
その時の“音”すら、鮮明に録音されていた。
あの濡れた音。喘ぎ声。男の射精する声。
そして──自分の“絶頂の叫び”。
「うわ、これこれ……多香子ちゃんの“あっ、ああっ”って声、マジでエロすぎるわ」
「やっぱ清楚系の子が乱れると一番興奮するなぁ……」
「ここの腰の浮かせ方、完璧。カメラ、よく撮れてるわ」
平然とそんな言葉を交わす先輩たち。
誰一人、罪悪感の色はなかった。
多香子は、脚が震えるのを感じた。
「ほら、こっち座って? 自分の“記録”……ちゃんと見ないと」
ひろしがポンポンと隣の席を叩いた。
逃げられない。
多香子は、ゆっくりと足を引きずるようにして、その隣に腰を下ろした。
映像の中では、彼女が和也の上にまたがり──
騎乗位で自分から腰を振っている場面へと切り替わる。
「……や、やめて……見ないで……」
かすれた声が出た。
でも、誰も再生を止めない。
「いやいや、本人が一番、ちゃんと見るべきでしょ」
「このときの多香子ちゃん、自分で動いて、自分でイッてたよね」
「しかも、あれ……口でも抜かれてた時だよな?」
映像には──
上半身で口を塞がれ、下半身では快楽に沈んでいる多香子の姿。
何も隠せていない。
すべてが、記録されていた。
(どうして……どうしてこんなの……)
口を押さえたくても、もう意味がなかった。
だって──昨日、あれをしたのは他ならぬ“自分”だったから。
「多香子ちゃん、さぁ……」
ひろしが、やさしく問いかける。
「昨日のこと、後悔してる?」
多香子は答えられなかった。
(……してる……でも……)
膣が、反応していた。
昨日の熱が、映像を見るだけで蘇る。
画面の中で射精され、白濁が口から溢れ、膣奥で痙攣している“自分”。
それが、他人のようでいて、他人じゃない。
「……やだ……見たくない……っ」
涙が零れる。
でも、その涙は──少しだけ、熱かった。
「多香子ちゃん……昨日の続き、したくなってる?」
ひろしが囁く。
その声は、甘く、そして容赦なかった。
「だって、昨日……すっごく濡れてたよ? もう、びちょびちょだったもんね」
多香子の身体が、震えた。
それは、否定じゃなかった。
恐怖でもなかった。
「……あのときの映像、保存してるからさ。いつでも見返せる。多香子ちゃんも、見たくなったら言ってね?」
そう言いながら、ひろしはスマホの画面をチラつかせる。
そこには、彼女が腰を振り、精液を搾り取る姿が静止画で映っていた。
(ああ……もう、戻れない……)
多香子は、黙ってその画面を見つめていた。
映像の中の“自分”は──
とても淫らで、美しかった。


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