「その服を脱げ」と――戦国の森に響く命令、遥の震え
男たちは善意どころか、明らかな下心を隠しもせず、遥の全身をいやらしく舐めるように見つめていた。
「おい、あんまり怖がるなって。オレたち、意外と優しいぞ?」
「そうそう。まずは、その変わった服――脱いでみせてくれや。」
その服を脱げ――。
一瞬、意味が理解できなかった。
けれど、男たちのじろじろとした視線、ねっとりした笑みが、その言葉の意味を遥の中で鮮やかに輪郭づけていく。
「えっ……!?」
「なぁに、見慣れねぇ格好しやがって。オレたち、そんな服、初めて見るんだよ。なあ?」
「そうだな。なあ嬢ちゃん、今ここで全部脱いでくれ。安心しろ、見てるだけだからよ。」
(見てるだけ、なんて……本当に――?)
遥は、ぶるぶると首を横に振る。
「や……やです!脱ぎません!お願い、帰らせてください……!」
「なんだよ、せっかく優しくしてやろうと思ったのによ……。
そういう態度だと、オレたちもどうするかわかんねぇぞ?」
言葉は優しげなのに、その声音の裏にはぞっとするほど冷たいものが潜んでいる。
二人は、徐々に遥との距離を詰めてくる。
「ほら、早く脱げよ。おまえ、その服、どうせ濡れて気持ち悪いだろ?」
男の一人が、ぐいと遥の腕を掴む。
ゴツゴツとした男の手の感触が、遥の柔らかい肌に食い込む。
「いやっ、触らないでください……!」
遥は必死に腕を振りほどこうとするが、力の差は歴然だった。
男たちは楽しそうに笑いながら、遥のスカートの裾をめくろうと指先を忍ばせてくる。
「やだ、やだ、やだっ!やめてください、ほんとうに……!」
涙が頬を伝う。
遥の顔はみるみるうちに恐怖で青ざめ、息も詰まりそうになる。
「泣くなよ、嬢ちゃん。
こっちは優しくしてやるっつってんだろ。」
「ほらよ、これで逃げられねぇだろ?」
もう一人の男が、遥の両肩を後ろから抱きすくめる。
その力はあまりに強く、遥の細い体ではびくともしない。
「さぁ、見せてくれよ、そのきれいな身体をよ。」
目の前に迫る汚れた中年男の顔。
酒と汗の臭いが、遥の鼻先に押し寄せる。
(助けて、誰か……)
「おい、こいつ、下着まで変な柄だな。
ほら、早く脱げよ。自分で脱がねぇと、オレたちが全部剥いじまうぞ?」
「いや、いやです、お願い、やめてください……!」
遥は必死に懇願する。
だが、男たちはその必死の抵抗すら、楽しげに、そしていやらしく受け止めている。
「泣き顔も可愛いじゃねぇか。
なぁ、そんなに怖がらなくてもいいんだぞ?」
大きな手が、遥の頬を撫でる。
その指先は、荒れた皮膚でざらついていて、とても優しいとは思えなかった。
「どうするよ?このまま服を剥いじまうか?」
「それも面白ぇな。
でも、せっかくなら自分で脱ぐとこ、見てぇよな?」
遥は、絶望的な気持ちで首を振り続ける。
でも、男たちの目は――まるで獲物を見つけた獣のように、彼女を逃がすつもりなどない。
「じゃあな――」
その時、もう一人の男が急に遥の制服のリボンを引き千切る。
びりっ――
音を立ててほどかれる制服の前。
遥は身を固くする。
「や、やめて……!そんなことしないで、お願い、お願いですから……!」
「大人しくしてりゃ、痛い目には遭わせねぇよ。」
男たちはそう囁き、遥の制服のボタンをひとつひとつ、ゆっくりと外し始めた。
(どうして私が、こんな目に……いや、こんな人たちに……)
遥の心臓は早鐘のように打ち続け、呼吸がどんどん浅くなる。
男たちの視線が、肌の露出に合わせて濃密になっていく。
ひとつ、またひとつとボタンが外され、遥の白い肌が夜の森の闇の中に晒されていく。
「ほらよ、意外といい身体してんじゃねぇか。」
「緊張してるな?胸の先、ぴくぴく震えてんぞ。」
遥の手は必死に胸元を押さえようとするが、男の力にねじ伏せられてしまう。
「やめてください、もう、やめて……!」
涙があふれ、視界が滲む。
絶望感が遥を支配し始めていた。
「ここまできたら、覚悟決めな。」
もう一人の男が、遥のスカートに手をかける。
「いやあっ!!やだ、お願いだからっ、やめてください……!」
男たちは遥の懇願にも構わず、制服をずるずると脱がせていく。
(やだ、見られたくない、触られたくない、助けて……!)
遥は自分の力ではどうすることもできず、ただ震えながら涙を流すことしかできなかった。
男たちは遥の胸元や太ももにいやらしい視線を送り続ける。
「思ったより、肌がきれいだな。
オレたち、こういうの久しぶりでよ。じっくり見せてもらうからな。」
「その服を脱げ」という命令が、まるで呪いのように遥の耳にこだまする。
そして、もう後戻りはできない現実に、遥の心は完全に打ちひしがれた。
「誰か、誰か助けて……」
この声は、森の奥深くへと消えていくだけだった。


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