スタジオの空気が、濃密に湿っていた。
遥の肌には、先ほどの奉仕で流れた涙と唾液の余熱がまだ微かに残っている。
目隠しはまだ取られないまま、椅子に縛られた彼女の身体は、まるで展示品のように晒されていた。
天井のスポットライトが、白く蒼ざめた光を遥の身体に落とす。
シャッターの音が何度も響くたびに、自分が「撮られている」という現実が、皮膚を通して突き刺さってくる。
ひろしの手が、遥の膝に置かれた。
無言のまま、ゆっくりと、その膝に指先を這わせる。
「……やめて……」
遥の声はかすれていた。
それでも、その声には確かな拒絶があった。
「やめる?
でも契約だよな。“演出に同意”って」
その言葉が繰り返されるたび、遥の中で何かがひとつずつ壊れていく。
ひろしは、まるで傷口をなぞるように微笑んだ。
指先が、遥の太腿の内側をじわじわと登ってくる。
冷たい手のひら。けれど、その熱は確実に肌の奥まで届いていた。
「お前のパンツ、純白なんだな。……似合ってるよ。汚すのがもったいないくらいに」
遥の太腿がびくんと震える。
「い……言わないで……っ」
「なんで?
綺麗なものは、ちゃんと見せるべきだろ」
そう囁いて、ひろしは彼女のスカートの裾をめくり上げた。
視界がない遥には、何が起きているのか正確にはわからない。
だが、冷たい空気が下半身を撫でた瞬間、羞恥が一気に胸までせり上がる。
「やだ……見ないで……お願い……」
遥は顔を横にそむけた。
だが、目隠しの奥で流れる涙は止まらない。
「お願いする相手、間違ってるよ」
その言葉と同時に、ひろしの手が遥の腰へと回される。
下着のサイドに指をかけ、ゆっくりと引き下ろし始めた。
――ぴたり、と遥の呼吸が止まる。
「やだっ……やだ、やめてぇっ……!」
彼女の声は、縛られた身体の中で唯一動かせる“意志”だった。
だが、それすらも容赦なく上書きされる。
純白の布が、ゆっくりと脚を滑って落ちていく。
腿、膝、そして足首まで。
そのすべてが、ひろしの手の中で丁寧に脱がされていく。
まるで儀式のように、静かで、そして淫靡に。
「ほら、カメラに向けて足を開いて」
「そんな……無理っ……!」
「でも、演出だ」
抵抗の言葉は、ただの飾りにしかならない。
彼の手が、膝をぐっと押し開いた瞬間、遥の秘部がライトの光に晒される。
「……う、そ……いや、見ないでぇ……!」
その声と反比例するように、シャッター音が連続で響く。
ぱしゃ、ぱしゃ、ぱしゃ――
そのたびに、遥の心は引き裂かれる。
「綺麗だな……ピンク色で、まだ誰にも触れられてないって感じがすごく出てる」
「っ……っ、いわないで……!」
目隠しの奥で、遥の瞼がぎゅっと閉じられる。
だが、羞恥は閉じても消えてくれない。
ひろしの手が、膝の内側をなぞり、指先がほんのわずかに濡れた花びらに触れる。
「ここ……濡れてるの、わかってるか?」
「……うそ、違う……そんなの……!」
震える声。
だが、その震えは確かに快楽を帯び始めていた。
ひろしはその指をゆっくりと割れ目に滑り込ませる。
まるで品定めをするように、優しく、だが確実に触れてくる。
ぬちゅ、と水音が微かに響く。
「っあ……あっ……!」
口から零れた声は、遥自身が一番驚いた。
指先は、何度もなぞりながら、敏感な部分をじわじわと押し広げていく。
「感じてるんだよな、身体は正直だから」
「……ちがう……ちがうのに……!」
だが、もう否定の言葉にすら力がなかった。
ひろしの指が中に侵入しようとした瞬間、遥の身体は反射的にきゅっと引き締まる。
「初めて……だもんな」
ひろしの声が、妙に優しかった。
だが、それは哀れみでも慈しみでもない。
支配者としての余裕、そして獲物を味わう者の悦び。
「ゆっくりなら、いけるよな? ……演出として、必要だから」
その言葉に、遥はもう何も返せなかった。
目隠しの奥、涙を流しながら、初めて誰かに下着を脱がされ、そして――
“女”としての扉を、カメラの前でゆっくりと開かれていく。
羞恥、恐怖、快感。
そのすべてが、遥の身体を火照らせ、濡らしていった。
この瞬間、彼女は完全に“演出”の一部になったのだ。
雌ノ家II〜妻ハ乱レ奪ワレル〜
880円

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