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【眠る妹への禁断の夜】兄の歪んだ衝動と催眠の罠:END(意識が途中で戻る)
最初に戻ってきたのは、痛みだった。
下腹部の奥を、何かが規則的に押し上げてくる。鈍い、しかし確かな痛み。夢の中の出来事だと思っていた。深い眠りの底で、遥の意識はその痛みを遠くの出来事のように感じていた。しかし、痛みは消えなかった。むしろ、揺さぶられるたびに鋭さを増していった。
「……ん……っ、うぅ……」
睡眠薬とアルコールで泥のように重い意識が、その痛みに引きずられるように、少しずつ浮上していく。身体が揺れている。上下に。誰かが、自分の身体を揺すっている。いや、揺すっているのではない。もっと、内側から。身体の奥に何か硬いものがあって、それが出たり入ったりしている。
(……なに……お腹の奥が……)
遥は重い瞼を、わずかに押し上げた。
視界がぼやけていた。オレンジ色の間接照明。見慣れた自宅のリビングの天井。それから、すぐ目の前に、影があった。人の影。汗の匂い。荒い息遣い。自分の上に、誰かが覆い被さっている。
焦点が、ゆっくりと合っていく。
兄の顔だった。
「……え……お兄……ちゃん……?」
まだ、状況が理解できなかった。なぜ兄がこんなに近くにいるのか。なぜ自分の身体がこんなに揺れているのか。なぜ、下腹部がこんなに痛いのか。ばらばらの情報が、まだ一つの意味に結びついていなかった。
そのとき、ひろしが遥の顔を見た。目が合った。
ひろしの目には、遥の知らない光があった。血走って、熱に浮かされて、焦点が合っていない。いつも先に視線を逸らす、内向的で気弱な兄の目ではなかった。全く知らない誰かの目が、そこにあった。
ひろしの腰が、大きく押し込まれた。
「……っ、あ……!」
下腹部を、鋭い痛みが貫いた。その瞬間、ばらばらだった情報が、一つの理解へと繋がった。
身体の奥にある硬いもの。それが何なのか。自分の脚が開かれていること。下半身に何も着ていないこと。兄の腰が、自分の身体の中心に押し付けられていること。すべてが、たった一つの、あってはならない事実を指していた。
(……うそ……うそ……なにこれ……)
理解が、恐怖に変わった。
「……いや……っ! いやっ! なにこれっ、やめてっ……!」
遥は反射的に、目の前の兄の胸を両手で押し返そうとした。しかし、腕に力が入らなかった。睡眠薬が、まだ全身の筋肉を弛緩させていた。押し返そうとした手は、ひろしの胸に触れただけで、力なく滑り落ちた。逃げようと腰をよじっても、身体が思うように動かない。頭は覚めかけているのに、身体だけが眠りの底に取り残されていた。
「……起きたのか、遥」
ひろしの声は、低く、掠れていた。遥の知らない声だった。
「……ずっと……見てたんだ。お前が、俺のことを見てくれない間も……ずっと……」
言葉の意味が、遥にはわからなかった。わかりたくもなかった。ただ、この状況から逃げ出したかった。
「はな……して……っ、おねが……っ、痛いっ……!」
覚醒しかけた身体は、眠っていたときよりも、はるかに鮮明に痛みを感じ取っていた。裂かれた秘部が、動くたびに焼けるように痛む。奥を突かれるたびに、内臓を押し上げられるような圧迫感が込み上げる。遥の目から、涙が溢れた。恐怖と痛みと、混乱と。それらが一度に押し寄せて、涙になって零れ落ちた。
何が起きているのか、頭ではまだ完全には受け止めきれていなかった。ついさっきまで、自分はソファで眠っていたはずだった。バイトから帰って、兄が渡してきた飲み物を数口飲んで、それから記憶がない。その間に、いったい何が。どれだけの時間、自分はこの兄に。考えようとするたびに、下腹部の痛みがそれを遮った。現実が、痛みという形で容赦なく押し寄せてくる。
遥の身体が、痛みと恐怖に反応して、硬く強張った。内側の筋肉が、異物を押し出そうとするように収縮する。しかしそれは、遥の意思とは無関係な、身体の防衛反応でしかなかった。
ひろしは、その収縮を、全く別の意味に受け取っていた。
「……遥……お前も……」
掠れた声で、身勝手な言葉を紡ぐ。妹の恐怖の収縮を、自分を受け入れる証拠だと思い込んでいた。狂気に飲まれた頭は、遥の涙も、悲鳴も、抵抗も、すべて自分に都合のいい形に変換してしまっていた。
「ちがう……っ、痛いからっ……怖いからっ……! お兄ちゃん、やめてよぉっ……!」
遥は必死に訴えた。しかし、その声はひろしには届かなかった。届いていても、聞く気がなかった。ひろしの腰の動きは、止まるどころか、速さを増していった。
(……どうして……なんで、お兄ちゃんが……たすけて……だれか……)
心の中で叫んでも、その声はどこにも届かない。両親は旅行で不在。外は深夜の静寂。この密室に、遥を助ける者は誰もいなかった。かつて最も安全だったはずの自宅のリビングが、今は逃げ場のない檻に変わっていた。
遥は、抵抗することを諦めたわけではなかった。ただ、身体が動かなかった。力の入らない手で、それでも兄の腕を掴もうとした。爪を立てようとした。しかし、その指先すら、思うように動かなかった。悔しさと恐怖で、涙がさらに溢れた。
ひろしの動きが、限界へと向かっていた。
荒い息が、遥の顔にかかる。汗が、遥の頬に落ちる。腰の打ち付けが、遥の身体を揺さぶり続ける。肉が擦れ合う湿った音と、遥の途切れ途切れの嗚咽だけが、リビングに響いていた。
「……っ、遥……」
ひろしの体が、大きく震えた。
遥の奥で、三度目の熱が放たれた。
「……あ……ぁ……」
内側に流れ込む熱を感じて、遥の口から、声にならない音が漏れた。それが何なのかを、遥は理解していた。理解してしまっていた。その事実が、恐怖と絶望を決定的なものにした。実の兄が、自分の身体の中で果てた。取り返しのつかないことが、たった今、起きてしまった。
ひろしが、ゆっくりと身体を離した。
肩で息をしながら、満足げに遥を見下ろしていた。その表情には、罪悪感の欠片もなかった。あるのは、やり遂げたという歪んだ達成感だけだった。
遥は、動けなかった。
ソファの上で、汗と涙に濡れたまま、ただ天井を見つめていた。下半身に残る痛みと、内側に注がれた熱の感触が、これが夢ではないことを突きつけてくる。太ももの内側を、精液と微かな血が混ざった生温かい液体が、ゆっくりと伝い落ちていくのがわかった。それが何であるかも、遥にはわかっていた。処女だった自分の身体が、実の兄によって、眠っている間に奪われたのだということも。
(……もう……もとには……もどれない……)
心の中で、何かが音を立てて崩れていく。兄という存在。家という場所。当たり前だった日常。そのすべてが、この一夜を境に、二度と戻らないものになった。遥はそれを、はっきりと感じ取っていた。
ひろしが、遥の頬に手を伸ばそうとした。汗ばんだ前髪を撫でようとするように。遥は、その手が触れる直前に、力なく顔を背けた。それが、遥に残された最後の、そして精一杯の拒絶だった。
「……明日からも……ずっと一緒だからな、遥」
耳元で囁かれた言葉に、遥は再び涙を溢れさせた。声を上げる気力すら、もう残っていなかった。ただ静かに、絶望の涙だけが、頬を伝って流れ続けた。
窓の外が、うっすらと白み始めていた。夜が明けていく。しかし、その光は遥にとって、救いではなかった。長い夜が終わり、そして、終わらない地獄の日々が始まろうとしていた。
遥の焦点を失った瞳に、朝焼けの光が、静かに、残酷に映り込んでいた。

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