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【眠る妹への禁断の夜】兄の歪んだ衝動と催眠の罠:vol.3(服を脱がせる)
三度のキスの後、ひろしは動けずにいた。
唇に残る感触が、まだ消えていない。遥の口元の湿り気が、ひろしの唇にまだかかっているような気がした。心臓がうるさい。耳の奥でずっと鳴っている。手も膝も震えたままだ。童貞の身体が、初めての経験をまだ処理しきれていなかった。
遥は眠り続けている。
白いブラウスの胸が、緩やかに上下している。一番上のボタンが留まっていなくて、その隙間から鎖骨の窪みが見えている。細い首筋。閉じたまつ毛。ひろしはソファの傍に膝をついたまま、しばらくその光景を見つめていた。
(……触れて、いいのか)
キスをするまでの話なら、まだ告白のようなものと思えた。しかしその先は違う。服を脱がせるというのは、別の話だ。遥が自分のことを嫌いだと知りながら、眠っている間に、服を脱がせる。その言葉の意味を、ひろしは胃の底で感じていた。
それでも、手が動いた。
ひろしの右手が、遥のブラウスの裾へと伸びた。薄いコットンの布地に指先が触れた。布越しに、遥の体温が伝わってくる。アルコールの熱で、肌が微かに温かい。ひろしはゆっくりと、ブラウスの裾を持ち上げた。
布が腹部から持ち上がる。
最初に見えたのは、細いウエストのラインだった。締まっているが、やわらかそうな素肌。シミ一つない、白い肌。ひろしの手が止まった。止まったが、止めたくはなかった。ゆっくりと、さらに布を持ち上げる。みぞおち。肋骨のかたち。そして、ブラウスが胸の膨らみにかかって、布が引っ張られるような感触があった。
(……本物の、遥の……)
ひろしは息を吐いた。震えていた。手だけではなく、全身が。大学生になっても高校生みたいに小さな遥の体型は、こうして直接見ると想像よりずっと細くて、小さかった。洗濯かごの中にある遥の下着を盗み見るたびに、何度も想像してきた。それでも、本物は違った。
ひろしはブラウスを肩まで押し上げ、遥の両腕を慎重に袖から抜いた。眠っている人間の腕は重い。何も抵抗しないのに、持ち上げるたびに罪悪感に似た何かがひろしの胸に引っかかった。でも止まれなかった。ブラウスを床に置いた。
遥の腕が、ソファに戻った。細い。改めて横たわる遥の腕を見ると、思っていたより細かった。手首の骨がはっきりと見えるくらい細い腕が、力なくソファの上に転がっている。普段のひろしに向ける冷淡な視線も、「うるさい」という言葉も、今夜の遥にはどこにもない。ただ眠っているだけの、小さな女の子みたいな腕があるだけだった。ひろしは遥の手首に指先を当てた。脈が打っている。速くも遅くもなく、ただ静かに、眠っている間も血が流れている。
遥の上半身が、下着一枚になった。
ひろしは数秒、呼吸を忘れた。
白い肌に、淡い色の下着。下着のカップのラインが、遥の胸の丸みに沿っている。大きくはない。でもそれが、遥らしかった。小柄で、細くて、高校生みたいな体型の遥に合っている。胸が呼吸のたびにわずかに動く。その動きを、ひろしはじっと見ていた。
ひろしは遥の背中に手を回した。ソファに横たわる遥の身体をわずかに起こして、背中のホックに指先を当てた。慣れていない。どちらに動かせばいいかわからなくて、二度、三度と指がすべった。
ぱちん、という小さな音がした。
ホックが外れた。下着の肩ひもが緩んで、カップが前にこぼれた。ひろしはゆっくりと下着を取り外した。
「……ん……んぅ……」
遥の口から、小さな声が漏れた。身体が少し動いた。ひろしは固まった。数秒間、動けなかった。遥のまつ毛は閉じたままで、呼吸のリズムも変わらなかった。眠っている。起きていない。
ひろしは視線を戻した。
遥の胸が、そこにあった。カップから解放されて、わずかに形を変えている。大きくはない、でも均整のとれた丸み。その中心に、桜色の突起がある。冷房の冷気に触れたのか、うっすらと先端が立っていた。
(……本物、だ……)
ひろしの中で、何かが静かに崩れた。
震える手を伸ばして、遥の胸に触れた。指の腹が、柔らかい丸みの上に乗った。想像と全く違う感触だった。柔らかいのは当然として、その下にある温もりが、ひろしの手のひら全体を包むように伝わってきた。生きている。遥が生きていて、その体温がここにある。
手のひらで包んだまま、ひろしは動けなかった。遥の呼吸に合わせて、胸がゆっくりと動く。その動きが、ひろしの手のひらに伝わってくる。
遥の身体がわずかに揺れた。
(……なんか……あたたかい……変な、夢……)
深い眠りの底で、遥は夢を見ていた。皮膚のどこかが、触られているような気がする。でもそれが何なのか、意識は形を結べない。アルコールと睡眠薬が、思考のすべてを柔らかく溶かしていた。不快ではない。ただ変だ、という感覚だけが、夢の縁をうっすらと彩っていた。
ひろしは遥の下半身に視線を落とした。
ショートパンツ。制服のまま寝てしまった遥が身につけている、紺色の生地。その裾から伸びた白い太ももが、間接照明の下でなだらかな陰影を描いていた。普段、学校や家でこれだけ露出した脚を見ることはなかった。夏でも遥は部屋着としてハーフパンツを履いていたが、ひろしとリビングで鉢合わせするたびに自室に引っ込んでしまうので、ろくに見ることはできなかった。今夜はそれが、目の前にある。誰も止めない。
ひろしは空いた手をショートパンツのウエストバンドに当てた。一度止まる。呼吸を整える。それから、ゆっくりと引き下ろした。
布地が太ももを滑り、膝を越えて、足首まで落ちた。
遥の脚が、そこにあった。高校生みたいに細くて、でも女性らしい曲線を持った両脚。内側の白い肌が、無防備に晒されている。ひろしは膝をついたまま、その脚を見下ろした。普段は絶対に見られない場所を、今夜だけ、これだけゆっくりと、誰にも邪魔されずに見ている。
太ももの内側が、バイト帰りの疲れのせいか、うっすらと汗ばんでいた。間接照明の光を受けて、その部分だけ微かに艶を持って見える。ひろしは指先をそっとそこへ伸ばした。触れた。内腿の柔らかさが、指の腹に伝わってくる。頬や肩とも違う、太もものやわらかさ。体重を支えていない内側の肌が、驚くほど薄くて、温かかった。遥の脚が微かに動いた。筋肉が反応している。でも意識は戻らない。睡眠薬が遥の全身を深い眠りの底に縫い止めていた。
ひろしは一度、顔を上げて遥の全体を見た。
上半身は下着を外した状態で、胸が露わになっている。下半身はショートパンツを脱がされて、下着一枚になっている。バイト帰りの制服姿で帰ってきた遥が、今は部屋の間接照明の下で、こういう姿でソファに横たわっている。その事実が、ひろしの脳にうまく入ってこなかった。夢のような現実だったのか、現実のような夢だったのか。でも指先に残っている遥の肌の感触は本物だ。体温は本物だ。脈も本物だ。
遥の呼吸が、規則正しく続いている。胸が上下するたびに、解放された丸みがわずかに揺れる。その動きをひろしはじっと見ていた。遥は今、自分がこういう姿でいることを知らない。明日の朝、目を覚ましたとき、何を思うのだろう。そこまで考えかけて、ひろしは考えるのをやめた。今夜だけを見ていたかった。
ひろしの欲望が、低く、重く、腹の底から圧力を増した。童貞の二十年間で積み上がった全部が、今夜、一度に動こうとしていた。
遥は、まだ眠っている。

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