救助者を装った罠。山小屋で逃げ場を失う遥:vol.2(奉仕という選択)

犯罪・強制

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救助者を装った罠。山小屋で逃げ場を失う遥:vol.2(奉仕という選択)

乱れた衣服の裾を握ったまま、遥は古びた布団の端で膝をついた。
無理に剥き出しにされた肩へ、小屋の冷気が薄くまとわりつく。けれど、背中を冷やしているものが夜気なのか、目の前の男への恐怖なのか、もう区別できなかった。

重い扉には鍵がかかっている。板で塞がれた窓の向こうでは、風にあおられた枝が壁を引っかいていた。助けを呼べる距離に人はいない。逃げようと腰を浮かせるたび、捻った足首に鋭い痛みが走り、遥の身体を元の場所へ押し戻した。

ひろしは急かさなかった。逃げ道がないと知っている者の落ち着きで、遥の前へ腰を下ろした。ベルトの金具が外れる乾いた音だけが、湿った室内に不自然なほど大きく残った。

「……わたしが、します……だから、乱暴なことは……しないでください」

声は最後まで続かなかった。喉が狭まり、息だけが震えて漏れる。
暴力を避けるために選ばされた言葉なのに、進んで申し出たように扱われてしまった。その事実が、伏せた頬を熱くした。

「自分で選んだんだ。最後まで、ちゃんとやれよ」

ひろしが衣服を下ろす。露わになったものを見た瞬間、遥の指が布団を強くつかんだ。大きさを測る余裕などない。ただ、熱を持った皮膚の色と、血管の浮いた硬さが、生きた異物として視界へ迫ってくる。

煙草の残り香に汗の匂いが混じっていた。湿った木材と黴の匂いしかなかった小屋の空気へ、男の体臭が急速に広がっていく。息を吸うたび、それが自分の中へ入り込んでくるようで、胃の奥が縮んだ。

「近くへ来い」

膝が動かなかった。すると、太い指が遥の顎をつかみ、逃げていた顔を正面へ戻した。
目を閉じても、鼻先へ近づく体温は消えない。頬に触れるほどの距離で、ひろしの脈がはっきりと伝わった。

「……少しだけで、許して……」

「許すかどうかは、俺が決める」

その返事と同時に、後頭部へ掌が添えられた。まだ押されてはいない。だが、髪の根元に食い込む指の重さだけで、拒めば力ずくに変わることが分かった。

遥は震える手を伸ばした。指先が触れたのは、汗で湿った熱い肌。その下にある硬さが脈打つたび、反射的に手を引きそうになる。けれど後頭部の指がわずかに締まり、逃げる動きを封じた。

「……こわい……できません……」

「できる。口を開けろ」

命令は短かった。
遥は唇を結んだまま首を横へ向けようとしたが、顎をつかむ手に阻まれた。目尻に溜まった涙が頬を伝い、膝の上へ一滴落ちる。

逃げられない静けさの中で、唇がわずかに開いた。

生温かい先端が下唇へ触れた。柔らかな口内へ、硬いものが少しずつ入り込んでくる。恐怖で思考が定まらず、どこまで受け入れればいいのかも分からない。歯を当てないようにするだけで精いっぱいだった。

「……ん……っ」

顎の関節が引きつり、舌の付け根が押される。鼻で息を吸おうとしても、男の匂いが濃くなり、むせそうになった。口を離そうとした瞬間、後頭部を支える手が強くなった。

「まだだ。舌を動かせ」

遥は涙で濡れた睫毛を伏せた。命じられた通り、舌先をおそるおそる触れさせる。熱い皮膚の表面は張りつめ、舌の上で細かく脈打っていた。先端に滲んだ塩気が唾液へ溶け、知らない味が口いっぱいに広がった。

唇の隙間から空気を吸う。呼吸のたびに頬が触れ、逃げたくても顔を引けない。唾液が増えるほど、口元から漏れる音だけが生々しくなった。静かな山小屋は、それを隠してくれなかった。

「そうだ。止めるな」

褒めるような声が、かえって遥の肩を強張らせた。
男を満足させるために自分の舌が動いている。見上げれば、その様子を楽しむ目とぶつかる。視線を落としても、口の中にある現実からは逃げられない。

「……もう……離して……ください……」

訴えは、塞がれた唇の奥で形を失った。ひろしは聞き取ろうともせず、遥の髪をつかんだまま腰をわずかに前へ出した。

硬い先端が舌の奥を越え、喉の入り口へ触れる。身体が拒絶するように咳き込み、目から新しい涙があふれた。腹部が大きく縮み、飲み込めない唾液が口角から顎へ流れ落ちる。

「力を抜け。噛むなよ」

遥は苦しさに肩を上下させながら、小さく頷くしかなかった。
指示に従うたび、暴力を避けるための選択が、さらに深い服従へ変えられていく。両手はひろしの腿へ置かされ、逃げるためではなく、姿勢を支えるために使わされていた。

やがて押し込む力が緩み、遥は浅く息を吸った。解放されたわけではない。唇はまだ熱い皮膚を包まされ、休む間もなく上下へ動くよう命じられる。

一定の速さを保とうとしても、疲れた顎が震え、呼吸が乱れる。舌の表面は擦れて熱を持ち、唇の内側には鈍い痛みが残った。男の荒い息が近づくにつれ、後頭部を押さえる掌から余裕が消えていく。

「もっと深く。今のまま続けろ」

「……むり……息が……」

首を振る余地さえ与えられなかった。腰が前へ動くたび、遥の喉が異物を押し返そうと収縮する。涙と唾液で顔が濡れ、乱れた髪が頬へ張りついた。

それでも、ひろしは止まらない。遥が咳き込めば一度だけ浅く戻し、息を吸った直後にまた奥へ押し込む。苦痛を長引かせるために呼吸の限界を測られているようだった。

「上手くなってきたじゃないか」

遥の眉が深く寄った。望んで覚えた動きではない。けれど、苦しさを少しでも減らそうと舌の位置を変え、唇へ力を入れるほど、男には熱心な奉仕として受け取られてしまう。

逃げるための工夫まで、男を喜ばせる行為へ変えられていく。

ひろしの呼吸が短く途切れ始めた。腿の筋肉が硬くなり、遥の髪をつかむ指が痛いほど強くなる。口の中にある肉棒も、先ほどより硬く張り、脈動の間隔を速めていた。

遥は異変を察し、両肩を引いた。

「……待って……口から、出して……」

「飲み込め。残すな」

後頭部を押さえる腕に力がこもった。
顔を背けることも、唇を離すこともできない。遥は目を見開き、ひろしの腿をつかんだまま身体を固くした。

次の瞬間、口内へ熱い液体が押し出された。

粘りのある精液が舌へ落ち、喉の近くまで広がる。反射的に吐き出そうとしても、唇は塞がれたままだった。息を止め、何度か喉を動かす。飲み込むたびに生臭い塩気が残り、胃へ落ちていく感覚が屈辱をはっきり刻んだ。

ようやく手が離れた。

遥は床へ両手をつき、激しく咳き込んだ。吸い込んだ冷たい空気が、熱を持った喉へ刺さる。飲み切れなかった白濁が唇の端から顎へ伝い、膝の上へ落ちた。

袖で口元を拭っても、味も匂いも消えない。肩を震わせながら何度も唾を飲み込む。そのたびに、自分が何をさせられたのかが鮮明に戻ってきた。

「よくできた。これなら、下のほうも期待できそうだな」

遥の咳が止まった。

顔を上げると、ひろしは衣服を整えるどころか、さらに近くへ身を乗り出していた。満足した者の表情ではない。興味の向き先を変えただけの、濁った目だった。

「……約束、しました……これで、乱暴しないって……」

「乱暴にはしないさ。次も、おまえが自分で選べばいい」

ひろしの視線が、乱れた衣服の隙間から脚の間へ落ちた。
遥は反射的に両腿を閉じ、後ろへ下がろうとした。けれど傷めた足首に痛みが走り、古い布団の上で身体が傾く。男の手がすぐに肩を支えた。

助けるための手ではなかった。逃がさないための手だった。

「俺の前で、自分の身体を触れ。最後まで見せたら、今度こそ考えてやる」

言葉の意味を理解した瞬間、遥の顔から血の気が引いた。
口元にはまだ男の残した味がまとわりついている。膝は冷たい床についている。重い扉は閉ざされたまま。どれだけ従っても、次の命令が待っている。

「……そんなこと……できない……」

拒絶は、風が壁を叩く音に紛れそうなほど小さかった。
ひろしは笑みを消さず、遥の肩をつかんだまま、古びた布団の中央へゆっくり押し戻した。

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