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【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.6(金曜夜の会議室)
「いつもの会議室で、がいいです」
自分の口から出た言葉に、遥は驚かなかった。三つを並べられたとき、最初に脚の間が熱くなったのが、それだった。毎週の企画会議。長机の、窓から二番目の席。そこで、桐生の声を聞きながら、何度も資料に目を落としてきた。
その日から一週間、桐生は毎晩、遥を部長室に呼んだ。九時を過ぎて、フロアに誰もいなくなってから。ブラインドを下ろし、ドアに鍵をかけ、机の上で指で慣らす。一本、二本、三本。金曜の夜には、三本の指が根元まで沈むようになっていた。
昼間の遥は、いつもどおりに働いた。企画書を直し、取引先に電話をかけ、後輩の相談に乗った。けれど、九時が近づくと、時計ばかり見るようになった。佐々木に、最近残業多いですね、と言われ、遥は、繁忙期だから、と笑ってごまかした。笑いながら、スカートの下で膝をきつく閉じていた。
金曜の夜十時、桐生は遥を十二階の大会議室へ連れていった。ドアを開けると、窓の外の街の灯りが、暗い部屋の中にぼんやりと流れ込んでいた。桐生は照明のスイッチに手を伸ばし、少し考えてから、半分だけを点けた。
長い楕円形の机が、部屋の中央に横たわっていた。椅子が整然と並び、正面にはホワイトボードとプロジェクターのスクリーン。水曜の昼間、遥はここで新しい企画を発表した。その時の資料が、まだホワイトボードの隅に貼られたままになっていた。
君の席はどこだ、と桐生が聞いた。遥は窓から二番目の椅子を指さした。桐生はその椅子を引き、机の天板を手のひらで撫でた。ここに、毎週君のノートとペンがある。遥は頷いた。頷きながら、喉がからからに乾いていた。
この机で、何度も桐生に企画を突き返された。数字が甘い、根拠が弱い、もう一度考えろ。悔しくて、トイレで泣いたこともあった。その机の上に、今夜は自分の身体を横たえる。悔しさの記憶と、今の熱が、遥の中で奇妙に混ざり合っていた。
桐生は遥のジャケットを脱がせ、ブラウスのボタンを外し始めた。会議室の空気が、肌に冷たかった。窓の外に、向かいのオフィスビルが見える。明かりの消えた窓がほとんどだったが、いくつかはまだ灯っていた。遥は思わず胸元を手で隠した。
向こうからは見えない、と桐生は言った。この階の窓は外から見えにくいガラスだ。それに、照明も半分だ。遥はその言葉を信じた。信じたけれど、手はなかなか下ろせなかった。見えないと分かっていても、窓の向こうに誰かがいるかもしれないという感覚は消えなかった。
ブラウスとスカートが、隣の椅子の背にかけられた。下着も外され、遥は会議室の真ん中で裸になった。毎週、スーツ姿で座っている部屋。同僚たちの声が、ホワイトボードのマーカーの匂いが、まだ部屋のどこかに残っている気がした。
桐生が遥の腰を抱え、机の上に横たえた。背中に、冷たい天板が触れた。ちょうど、遥の席の正面だった。いつもノートを広げている場所に、今は遥の背中がある。頭の横には、誰かが置き忘れたボールペンが一本転がっていた。
視線を横に向けると、隣の佐々木の席が見えた。いつも、遥のノートを覗き込んで、先輩字きれいですね、と言ってくる後輩。月曜の朝も、きっと同じことを言うだろう。その隣で、自分は何もなかった顔をして、ペンを握る。
「……ここ、月曜の朝も、使うんですよね」
九時から、定例だ、と桐生は言った。君はこの席に座る。俺は正面に座る。佐々木は君の隣だ。桐生は遥の脚の間に立ち、膝を左右に開かせた。遥の脚の間が、会議室の照明の下に晒された。
指が、入口に触れた。一週間慣らされた場所は、触れられただけでとろりと濡れを溢れさせた。桐生は指を二本揃え、ゆっくりと沈めていく。何の抵抗もなく、根元まで呑み込まれた。会議室の静けさの中に、くちゅりと湿った音が響いた。
この音が、月曜には同僚たちの声で埋まる、と桐生が言った。遥は首を振った。言わないでほしかった。けれど、言われるたびに、中が指を強く締めつけた。月曜の朝の会議室を思い浮かべるたびに、濡れが溢れて、天板の上を流れていった。
指が三本になった。遥の入口が、いっぱいに引き伸ばされる。痛みはもうなかった。代わりに、満たされる圧迫感が、奥から熱を引き出していく。桐生の親指が突起を撫で始めると、遥の腰が机の上で跳ねた。
「あ、あ……っ、部長、声、出ちゃう……」
出していい、と桐生は言った。この階にはもう誰もいない。守衛の巡回は十一時だ。遥は唇を噛むのをやめた。会議室の壁に、自分の甘い声が反響した。毎週、企画の説明をしている声と同じ喉から、こんな声が出ている。
指の動きが速くなった。三本が中で開き、閉じ、奥の壁をそっと押す。親指が突起を押し回す。遥は机の縁を握りしめ、背中を反らせた。天板の冷たさと、身体の熱さが、肌の上でせめぎ合っていた。
波は、すぐに来た。遥は自分の席の上で、腰を跳ねさせてイった。中の三本の指をきつく締めつけ、太ももを震わせて。会議室の天井の照明が、白くぼやけて見えた。転がっていたボールペンが、机の端から床へ落ちる音がした。
息が整わないうちに、桐生が指を抜いた。遥の脚の間から、溢れたものが机の天板へ伝い落ちた。遥はそれを、自分の席の上に作ってしまった染みを、横目で見た。月曜の朝、この場所にノートを置くことになる。
乾けば、跡は残らない。誰にも分からない。けれど、遥だけは知っている。この木目の、この場所に、今夜自分が何を零したのか。月曜の朝、ノートを開くたびに、それを思い出すのだと分かっていた。
桐生は、ハンカチでその染みを拭おうとはしなかった。代わりに、遥の身体を起こし、机から降ろした。立てるか、と聞かれ、遥は頷いた。脚はまだ震えていたけれど、床に足をつけると、なんとか立つことができた。
桐生は遥の肩を抱き、ホワイトボードの前へ導いた。水曜の資料が、まだ隅に貼られていた。遥の手書きの文字で、企画の骨子が書かれている。その前に立たされ、遥は自分の文字を見つめた。会議の場所が、今夜は別のものに塗り替えられていく。
「月曜も、この席に座るんですね……」
ここまで読んでくれてありがとう
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