【騎乗位】自分で腰を沈めるしかない遥:vol.6(切れない通話)

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【騎乗位】自分で腰を沈めるしかない遥:vol.6(切れない通話)

「……うん、聞いてる」と遥は答えた。声が、少しだけ震えた。翔太は気づかなかったようで、誕生日の店の話を続けている。遥はスマホを耳に当てたまま、男の上で腰を揺らし続けた。数ミリだけ。けれど、その数ミリが、奥の一点を擦り続け、下腹の熱を少しずつ膨らませていった。

堂島が、胸の上のストップウォッチを指で軽く叩いた。数字は三分を切っていた。男は何も言わなかったが、その仕草が何を意味しているのかは分かった。揺らすだけでは足りない。もっと動け、ということだった。遥は唇を噛み、スマホを耳に当てたまま、膝に力を込めた。

腰を、少しだけ持ち上げた。中から男のものがわずかに引きずり出され、遥は息を止めた。翔太の声が、耳元で続いている。遥はその声を聞きながら、ゆっくりと腰を落とした。奥に届く。遥の喉から、短い息が漏れかけた。遥はスマホを口元から少し離し、息を飲み込んでから、また耳に戻した。

「遥?」と翔太が言った。「……ごめん、ちょっと、寝ぼけてて」と遥は答えた。また嘘だった。嘘を重ねるたびに、下腹の奥が熱く疼く。翔太に嘘をついている自分と、男の上で腰を振っている自分とが、遥の中で重なり合って、ひとつの熱になっていく。

翔太は、ごめん起こしちゃって、と笑った。その笑い声が、遥の胸を締めつけた。翔太は何も知らない。遥が今、どこで、誰の上で、何をしているのかを。遥はその笑い声を聞きながら、また腰を持ち上げ、落とした。奥に届くたびに、翔太の笑い声が遠くなっていく気がした。

「今、何してるの?」と翔太が訊いた。スマホを握る指に、思わず力がこもった。何をしているのか。答えられるはずがなかった。中の男のものが、遥の奥で大きく脈を打つ。堂島の目が、遥の顔を見上げている。遥は唇を噛んで、言葉を探した。

翔太の声の向こうで、テレビの音が小さく鳴っていた。深夜のバラエティ番組の、誰かの笑い声だった。翔太はきっと、ベッドに寝転がって、片手でスマホを持ちながら、遥の声を聞いている。その姿が目に浮かぶようだった。同じ夜に、同じように横になっていると思っている恋人。その想像が、遥の腰の動きを、なぜかいっそう深くした。

「……ベッドで、横になってる」と遥は答えた。半分だけ、本当だった。横になってはいない。けれど、男の上に跨っている。遥はその嘘を口にしながら、腰を落とした。奥に先端が当たり、遥の声の最後が、わずかに掠れた。翔太はそれを、眠そうな声だと受け取ったようだった。

翔太の声を聞きながら腰を動かすたびに、遥の身体の反応は強くなっていった。翔太の声が耳元で響くたびに、中の壁が男のものを締めつける。翔太が笑うたびに、下腹の奥が熱く疼く。恋人の声が、まるで遥の身体を煽っているようだった。遥はそのことに、恥ずかしさで頭が焼けそうになった。

下から見上げる堂島の口元が、わずかに緩んだ。男は、遥が恋人と話しながら腰を振る様子を、濁った目でじっと見上げていた。遥が嘘をつくたびに、中の男のものがわずかに跳ねる。この男は、遥の嘘に興奮しているのだ。遥はそれを、自分の内側の肉で感じ取っていた。

遥は、腰の動きを少しずつ大きくしていった。持ち上げて、落とす。翔太の声が耳元で続くあいだ、遥の腰は、男の上で上下を繰り返した。声が乱れないように、息を細く吐き、喉の奥で息を殺しながら。結合部から、濡れた音がかすかに漏れ始めた。遥は、その音がスマホに入らないかと怯えた。

「遥、なんか、息荒くない?」と翔太が言った。遥の全身が凍りついた。驚いた拍子に、内側が男のものをきつく食いしめた。遥は慌てて腰の動きを止めかけ、止めたら終わることを思い出して、ほんの数ミリだけ揺らし続けた。「……ちょっと、暑くて」と遥は答えた。声が、明らかに震えていた。

スマホの向こうで、翔太が黙った。その沈黙が、遥には永遠のように長く感じられた。翔太は、何かに気づいたのかもしれない。遥の声の震えに、息の乱れに、何かを感じ取ったのかもしれない。遥はスマホを握りしめたまま、息を止めて、翔太の次の言葉を待った。

沈黙は、ほんの数秒だったのかもしれない。けれど、その数秒のあいだに、遥の頭の中ではいくつもの言い訳が浮かんでは消えていった。風邪をひいたのかも、夢を見ていたの、ちょっと走ったから。どれも嘘で、どれも翔太に見抜かれそうな気がした。そのあいだにも、膝は勝手に腰を持ち上げ、男の上に沈めることをやめなかった。

腰は、止まらなかった。翔太の沈黙のあいだも、遥の腰は男の上で揺れ続けていた。止めれば終わる。けれど、それ以上に、止めたくないと思っている自分がいた。翔太が何かに気づきかけている。その怖さが、遥の下腹の奥を、これまでで一番熱くしていた。

黙り込んだ遥の奥で、男のものがじれったそうに脈打った。堂島の生え際が、うっすらと汗で光っていた。男は、遥と翔太の沈黙を、楽しんでいるようだった。遥はその目から逃げるように視線を逸らし、スマホを耳に強く押し当てた。翔太の息遣いが、耳元で聞こえる。

「遥」と翔太が言った。その声の調子が、さっきまでとは少し違っていた。何かを確かめようとするような、慎重な声だった。遥の心臓が、激しく打った。中の壁が男のものを締めつけ、遥の腰がわずかに速くなる。遥は唇を噛み、翔太の次の言葉を、怯えながら待っていた。

「心配だから、今からそっちに行こうか」と翔太は言った。遥の腰が、一瞬だけ止まった。今から、そっちに。翔太が、この家に来る。遥の部屋に。けれど、遥は今、自分の部屋にはいない。この管理人室で、男の上に跨っている。遥はスマホを握りしめたまま、言葉を失っていた。

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