【騎乗位】自分で腰を沈めるしかない遥:vol.7(何度も)

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【騎乗位】自分で腰を沈めるしかない遥:vol.7(何度も)

二度目の波が、遥の身体を呑み込んだ。下腹の奥で弾けた熱が、全身に広がり、遥は背中を反らせて震えた。縛られた手首が背中で引きつれ、太ももが痙攣する。中の壁が男のものを強く締めつけ、そのたびに奥に押し当てられた先端の熱が、遥の身体の芯に響いた。

波が引ききらないうちに、三度目が来た。遥はもう、絶頂と絶頂の境目が分からなくなっていた。弾けては膨らみ、膨らんではまた弾ける熱に、縛られた身体はただ揺さぶられ続けた。止まれない腰が、遥の身体を、終わりのない波の中へ押し流していった。

声が、漏れそうになっていた。胸の奥に押し込めていた声が、喉元までせり上がってきていた。背中の手は、口元までは届かない。遥は唇を強く噛んだ。強く、もっと強く。痛みで、声を押し戻そうとした。唇の皮膚が破れ、口の中に鉄の味が広がった。血の味だった。

血の味を感じながら、遥は腰を動かし続けた。唇の痛みさえも、下腹の熱に呑み込まれていく。痛いのに、気持ちいい。苦しいのに、止まれない。遥の身体は、もう痛みと快楽の区別さえつかなくなっていた。中の男のものが、遥の奥で大きく脈を打った。

堂島のこめかみを、ひと筋の汗が伝っていった。男は相変わらず、指一本動かしていない。一度だけと言ったとおり、あれ以来、男の腰は少しも動いていなかった。それでも、遥が絶頂を迎えるたびに、男の喉が大きく上下し、肘掛けの外に垂らした指がソファの布地を強く握りしめていく。

堂島の目に映る自分の姿を、遥は想像してしまった。両手を背中で縛られ、裸の胸を突き出し、血の滲んだ唇を噛んだまま、何度も果てては腰を振り続ける女。三日前に廊下の隅で泣いていた女と同じ人間だとは、誰も思わないだろう。遥自身でさえ、もうそう思えなかった。それなのに、その姿を思い浮かべるだけで、また奥が強く疼いた。

四度目が来た。遥は背中を反らせて、血の味のする唇を噛んだまま、全身を震わせた。縛られた手首の中で、指先が白くなるほど握りしめられている。太ももの痙攣が、もう止まらなかった。それでも、腰は動き続けていた。止まり方を、身体が忘れてしまったようだった。

遥は男の顔を見下ろした。男の目は、血の滲んだ遥の唇に吸い寄せられていた。その目の奥に、抑えきれない何かが揺れていた。中の男のものが、さっきよりもずっと太くなっているのが分かる。奥へ沈むたびに、男の先端が遥の中で跳ねるように震えた。その震えは、遥が果てるたびに大きくなっていった。男の喉が苦しげに上下する動きが、遥の目に焼きついた。

結合部から溢れた蜜が、男の下腹を濡らし、ソファの布地に大きな染みを作っていた。沈むたびに、湿った肌のぶつかる音が、狭い部屋の空気を震わせた。その音が、もう遥の耳には遠くに聞こえていた。聞こえているのは、自分の荒い息と、男の喉が上下する気配と、奥で脈を打つ男のものの感触だけだった。

ストップウォッチの数字は、とうにゼロを過ぎていた。遥はそれに気づいていなかった。いつ時間が終わったのかも、分からなかった。約束のことも、翔太のことも、もう遥の頭の中にはなかった。あるのは、止まれない腰と、迫り続ける熱と、奥で膨らみ続ける男のものだけだった。

壁の時計の秒針の音が、いつのまにか聞こえなくなっていた。冷蔵庫の唸りも、廊下の気配も、天井の軋みも、すべてが厚い膜の向こうへ遠ざかっている。遥の世界は、男の上に乗った自分の身体と、その奥で脈打つ男のものだけに縮んでいた。縛られた手首の内側で、汗が冷えていくのだけが、かろうじて現実との繋がりだった。

タオルの内側で、手首はじっとりと濡れていた。何度もひねったせいで、タオルの結び目のあたりの肌が赤く擦れている。その痛みさえも、遥には遠いものに感じられた。手首の痛みも、唇の痛みも、太ももの震えも、すべてが下腹の熱に溶けていく。遥の身体は、ひとつの大きな熱の塊になっていた。

五度目が、近づいていた。遥はもう、数えることをやめていた。腰を落とすたびに、何かが弾け、何かが膨らむ。その繰り返しの中で、遥は自分が誰なのかさえ、分からなくなりかけていた。翔太の前で怯えて固まっていた女は、もうどこにもいなかった。

「……おかしく、なる」血の滲んだ唇が、勝手に言葉を紡いでいた。血の味のする唇が、勝手に動いていた。堂島は答えなかった。けれど、男の喉が大きく上下し、中の男のものが、遥の奥で大きく跳ねた。男もまた、限界に近づいていた。

男の喉から、初めて低いうめき声が漏れた。ほんの短い、押し殺したような声だった。動かないと約束し、数字と短い命令しか口にしなかった男が、遥の腰の下で、こらえきれずに声を漏らしている。その声を聞いた瞬間、遥の身体の奥で、これまでとは違う種類の熱が灯った。自分がこの男を、ここまで追い詰めているのだ。

「出すぞ」と、堂島が低く言った。その声が、遥の耳に届いた瞬間、遥の腰が一瞬だけ止まりかけた。中に。その意味を、遥は霞んだ頭で考えた。降りることは、もうできない。手首は縛られ、膝はもう立たない。けれど、降りたいとは思わなかった。

遥は止まらなかった。止まれない腰を、さらに深く男の下腹へ押しつけた。「……はい、ください」と、血の味のする唇から、小さな声が漏れた。自分の口から出たとは思えない言葉だった。けれど、それが遥の本心だった。

遥は縛られた手首を背中で握りしめ、最後の数回のために、腰を持ち上げた。遥の中で、男のものが、もう堪えきれないというように張りつめた。遥はその瞬間を、止まれない腰のまま、全身で迎えようとしていた。中の男のものが、これまでで一番大きく膨らんだ。

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