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【騎乗位】自分で腰を沈めるしかない遥:vol.7(止まらない二度目)
二度目は、一度目よりもずっと早く来た。下腹の奥で膨らんでいた熱が、限界を迎えて弾けた瞬間、遥は背中を反らせて、喉の奥で長く震える息を吐いた。中の壁が男のものを何度も強く締めつけ、太ももが痙攣する。鏡の中の女も、同じように背中を反らせて、とろけきった顔で震えていた。
波が引く前に、遥の腰はまた動き始めていた。止めようとしても、止まらない。絶頂を迎えたばかりの奥は、敏感になりすぎていて、少し擦れるだけで鋭い痺れが走る。それでも膝は伸び、腰は落ち、男を呑み込む往復をやめなかった。遥は自分の身体が、自分の意思とは関係なく、さらに先を求めて動いているのを感じていた。
三度目は、二度目が終わりきらないうちに来た。遥は男の胸についた手で身体を支えることもできなくなり、上半身が前へ崩れかけた。慌てて背中を起こすと、腰が後ろへ沈み、奥の壁に先端が強く当たる。その衝撃で、また熱が弾けた。遥は声を殺すために唇を強く噛み、鏡の中の自分を見つめたまま、全身を震わせた。
鏡の中の女が、遥の知らない女に見えた。乱れた髪が汗で額に貼りつき、頬は真っ赤に染まり、唇は噛みすぎて血が滲んでいる。目は潤みきって焦点を失い、それなのに、その目の奥には、まだ何かを求めるような色が残っていた。これが、自分なのか。遥はその顔を見つめながら、もう自分が何者なのか、分からなくなっていた。
鏡の中の女の目には、涙が溜まっていた。けれど、それは悲しみの涙ではなかった。何度も押し寄せる波に耐えきれず、勝手に溢れてくる涙だった。頬を伝って顎から落ちた雫が、男のシャツに小さな染みを作る。遥はそれを見ても、もう恥ずかしいとは思わなかった。恥ずかしさを感じる余裕さえ、波にさらわれてしまっていた。
翔太のために覚えたかったはずのことは、とうに果たしていた。けれど、今の遥は、もう翔太のことを考えていなかった。考えられなかった。頭の中にあるのは、奥を突かれるたびに弾ける熱と、鏡の中のとろけた顔と、中で脈を打つ男のものだけだった。翔太の顔を思い出そうとしても、鏡の中の女の顔に上書きされていく。
堂島の額に、汗が浮かんでいた。男は畳の上で仰向けになったまま、相変わらず指一本動かしていない。けれど、遥が絶頂を迎えるたびに、男の喉が大きく上下し、畳を握る指に力がこもっていく。遥の中で、男のものがさっきよりもずっと太くなっているのが分かった。奥を叩くたびに、男の先端が遥の中で苦しげに震えるのが分かる。
遥は腰を落としながら、男の顔を見下ろした。濁った目が、遥の顔を見上げている。その目の奥に、遥が初めて見る色があった。抑えきれない何かが、男の目の奥で揺れている。動かないと約束した男が、それでも限界に近づいているのだと、遥は自分の内側の肉で感じ取っていた。
四度目が、近づいていた。遥はもう、何度目なのかを数えることができなくなっていた。腰を落とすたびに、下腹の奥で何かが弾け、その余韻が引く前に、また次の熱が膨らみ始める。遥の身体は、絶頂と絶頂の境目を失って、ひとつの長い波の中を漂っているようだった。
結合部から溢れた蜜が、男の下腹を濡らし、畳にまで染みを広げていた。腰を落とすたびに、濡れた音が部屋に響く。その音が、もう遥の耳には届いていなかった。届いているのは、自分の荒い息と、男の喉が上下する気配と、奥で脈を打つ男のものの感触だけだった。
鏡の端に、男の顔が小さく映っていた。畳に仰向けになった堂島は、鏡越しに遥の顔を見ている。遥は鏡の中で、その男と目が合った。男の目は、遥がこれまで見たことのないほど、熱を帯びていた。動かないと約束した男が、目だけで遥を貪っている。その視線に気づいた瞬間、遥の中が、また大きく波打った。
鏡の中の女が、口を開けた。声を出そうとしているのが分かった。遥は慌てて唇を噛んだ。けれど、噛みしめた唇から、もう細い息が漏れることさえ抑えきれなくなっていた。壁の向こうに誰かがいる。天井の上には美咲がいる。それが分かっているのに、遥の喉は、もう自分の意思に従ってくれなかった。
「……っ、あ、また」遥の口から、小さな声が漏れた。慌てて口を閉じようとしたが、もう遅かった。四度目の熱が、下腹の奥で弾けた。遥は背中を反らせて、鏡の中の自分と目を合わせたまま、全身を震わせた。鏡の中の女も、同じ声を出したように、口を開けて震えていた。
震えが収まらないうちに、遥はまた腰を動かし始めていた。もう、自分で止めようとも思わなかった。止める理由が、どこにもなかった。約束の時間のことも、ストップウォッチの数字のことも、遥の頭からは消えていた。ただ、この身体が求めるままに、男の上で腰を上げては落とし続けた。
堂島が、初めて口を開いた。「中に出すぞ」。低く、掠れた声だった。その声に、遥の腰が一瞬だけ止まりかけた。中に。その意味を、遥は鏡の中の自分の顔を見つめたまま考えた。今ここで腰を浮かせて離れれば、まだ間に合う。離れなければ、この男が果てるものを、身体の一番深いところで受け取ることになる。
遥は降りなかった。鏡の中の女も、降りようとはしていなかった。とろけきった顔のまま、潤んだ目でこちらを見つめ返している。その目が、答えを出していた。遥は膝に力を込めて、また腰を持ち上げた。「……はい」と小さく答えた声は、鏡の中の女の唇から出たように見えた。
遥は鏡の中の自分と目を合わせたまま、腰を持ち上げた。中から男のものが半分ほど引きずり出され、鏡の中で濡れた幹が光る。ここから落とせば、男は果てる。そして、自分もまた、果てるだろう。遥はその瞬間を、鏡の中の自分と一緒に迎えようとしていた。鏡の中の女が、遥と同じように、息を止めていた。
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