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【騎乗位】自分で腰を沈めるしかない遥:vol.6(自分から速く)
遥は腰を落とした。さっきまでよりも、少しだけ速く。濡れた幹が一気に奥まで沈み込み、先端が奥の壁を叩くように突き上げる。鏡の中の女が、背中を反らせて目を見開いた。その瞬間、遥の下腹の奥で、熱い何かが大きく膨らんだ。遥はその熱が引く前に、また膝に力を込めて、腰を持ち上げた。
持ち上げて、落とす。持ち上げて、落とす。誰にも命じられていない。堂島は相変わらず黙ったまま、畳の上で動かずにいる。だから、この速さは、遥自身が選んだ速さだった。遥は鏡の中の自分を見つめたまま、腰の動きを少しずつ速めていった。速くするたびに、奥を突かれる衝撃が鋭くなり、下腹の熱が膨らんでいく。
鏡の中で、小ぶりな胸が揺れていた。腰を落とすたびに、白い膨らみが少し遅れて跳ね、赤く尖った乳首が上下に揺れる。遥はそれを隠そうとはしなかった。隠すことよりも、腰を動かし続けることのほうが、今の遥にはずっと大切だった。揺れる胸を晒したまま、遥は鏡の中の自分と目を合わせ、腰を速めていった。
結合部から、濡れた音が漏れ始めた。腰を落とすたびに、溢れた蜜が男の下腹を打ち、小さな音を立てる。その音が、静かな部屋の中に響いていた。自分の脚の間から、こんな湿った音がしている。遥はその音を聞くたびに顔が熱くなったが、腰の動きを緩めることはできなかった。むしろ、その音を聞くたびに、腰はさらに速くなった。
鏡の中の女の顔が、とろけきっていた。眉は困ったように寄せられ、目は潤んで焦点を失い、半開きの唇からは浅い息が絶え間なく漏れている。嫌だ、と遥は思った。こんな顔の女が、自分だなんて。けれど、その嫌悪感さえも、下腹の熱に呑み込まれていく。遥は鏡の中の女から目を離せないまま、腰を上げては落とし続けた。
下腹の奥で、何かが近づいてきていた。腰を落とすたびに、奥の一点を突かれるたびに、それは少しずつ大きくなり、遥の身体の芯に向かって迫ってくる。遥はそれが何なのか、知らなかった。初めての感覚だった。けれど、身体はそれを知っているように、腰の動きをさらに速くして、それを迎えに行こうとしていた。
堂島の喉仏が、こらえるように一度沈んだ。男は、遥の顔と鏡とを見比べながら、肘掛けの代わりに畳を握りしめていた。動かないと約束した男の身体が、遥の腰の動きに合わせて、わずかに震えている。遥はそれを見て、自分の腰がこの男をここまで追い詰めているのだと思った。その思いが、また腰の動きを速くした。
「……あ、なにか、来る」遥の口から、掠れた声が漏れた。自分でも、何を言っているのか分からなかった。下腹の奥で膨らみ続けていた熱が、もう限界まで張りつめている。遥は鏡の中の自分と目を合わせたまま、最後の数回を、全身の重さを乗せて落とした。奥を突かれるたびに、目の前で白い光が弾けた。
声が出てしまったことに、遥自身が一番驚いていた。壁の向こうに誰かがいる。それが分かっているのに、口が勝手に開いていた。慌てて唇を噛んだが、もう遅かった。けれど、その声を聞いた鏡の中の女は、恥ずかしがるどころか、さらに目をとろけさせていた。遥はその顔から、どうしても目を逸らせなかった。
そして、それが来た。下腹の奥で張りつめていたものが、一気に弾けた。遥は背中を大きく反らせ、男の胸についた指で、シャツの布地を強く握りしめた。太ももが痙攣し、中の壁が男のものを何度も強く締めつける。歯を立てた唇の隙間から、どうしても抑えきれない震えた吐息がこぼれた。鏡の中の女も、同じように背中を反らせて震えていた。
生まれて初めての絶頂だった。遥はそれを、鏡の中の自分の顔を見つめながら迎えた。快楽にとろけきった、だらしなく緩んだ女の顔。その顔が、絶頂の瞬間に、さらに崩れていくのを、遥は自分の目で見ていた。恥ずかしさで消えてしまいたかった。けれど、目を逸らすことはできなかった。
波が引いていくあいだ、遥は男の胸に両手をついたまま、肩で荒い息を繰り返した。中では、男のものがまだ硬く、熱く、遥の奥に押し当てられている。男は果てていなかった。堂島は相変わらず、畳の上で動かずに、遥を見上げている。その目が、まだ終わっていないと告げていた。
遥は、自分が腰を止めていることに気づいた。止まれば、終わる。その約束が、ぼんやりと頭に浮かんだ。けれど、それよりも先に、遥の腰が勝手に動き始めていた。絶頂の余韻で震える太ももに、膝が勝手に力を込め、腰を持ち上げていく。遥は自分の身体の動きに、自分で驚いていた。
止まらなかった。止められなかった。絶頂を迎えたばかりの身体は、敏感になりすぎていて、少し腰を動かすだけで、奥から鋭い痺れが走る。それなのに、腰は勝手に持ち上がり、勝手に落ちていく。遥は鏡の中の自分を見つめた。鏡の中の女も、絶頂の余韻に震えながら、それでも腰を上げては落とし続けていた。
「止まらないな」と堂島が言った。責めるでもなく、天気でも口にするような平らな声だった。遥は答えられなかった。答える代わりに、腰を落とした。奥を突かれた瞬間、絶頂の余韻が残る身体に、また新しい熱が生まれる。遥はその熱が、さっきよりもずっと早く膨らんでいくのを感じていた。
鏡の中の女の顔が、また崩れ始めていた。一度目の絶頂で緩みきった顔が、さらに深くとろけていく。遥はその顔を見つめながら、自分の身体がどこまで行ってしまうのかを、怖いと思った。けれど、その怖さよりも、もっと先を知りたいという気持ちのほうが、ずっと強かった。
遥は男の胸に両手をついたまま、腰の動きをさらに速めた。絶頂の余韻で震える膝が、それでも勝手に腰を持ち上げる。奥を突かれるたびに、下腹の熱が膨らんでいく。二度目が、もうすぐそこまで来ていた。遥は鏡の中の自分と目を合わせたまま、止まらない腰を、さらに速く、深く動かし続けていた。
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