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【絶頂脱出】十回イくまで出られない部屋で、初めて潮を吹く遥:vol.7(口の中の熱)
黒瀬の舌が、突起を捉えた。今度は、止まる気配がなかった。唇で包みこみ、舌先で小刻みに弾く。指は奥を押し上げたまま、少しずつ速さを上げていく。遥は黒瀬のものを咥えたまま、その動きに身体を任せた。腰を引こうにも、太ももは黒瀬の腕に抱えこまれていた。
口の中の黒瀬のものが、脈打つたびに少しずつ大きくなっていく気がした。遥は舌を絡めて、先端の裏をゆっくりとなぞった。黒瀬の腰が浮き、脚の間で、黒瀬の息が乱れた。乱れた息が、濡れた突起にかかる。その熱さに、遥の腰がまた震えた。
「ん、んん……っ、ん……」
波が来た。遥は黒瀬のものを咥えたまま、黒瀬の顔の上でイった。腰が跳ね、太ももが黒瀬の頭を挟みこむ。脚の間から、溢れたものが黒瀬の顔に滴った。壁の数字が、十、に変わった。出口の上に、待っていた緑の光が点いた。
脱出、という電子音が、小さく鳴った。けれど、黒瀬の舌は止まらなかった。イったばかりの突起を、舌がまた撫で上げる。遥は黒瀬のものから唇を離し、声を上げた。終わった、のに。そう言いかけた口に、また黒瀬のものの先端が触れた。遥は、それをまた咥えた。
十回目で、本当は終わりのはずだった。賞金も、もう決まった。それなのに、二人ともやめなかった。やめる理由を、どちらも探そうとしなかった。脱出の電子音は、誰にも聞かれないまま、部屋の隅に消えていった。
次の波は、前の波の尻尾を追いかけるようにやって来た。黒瀬の指が、中で三本に増えた。押し広げられた奥を、指先が同時に押し上げる。遥の下腹に、あの張りが広がった。出る。遥は口の中のものを強く吸いながら、腰を黒瀬の顔に押しつけた。
噴き出した。黒瀬の顔に、首に、胸に。遥は自分が何をしているのか分かって、恥ずかしさで頭が真っ白になった。けれど、腰は止まらなかった。噴き出しながら、遥は十一回目を迎えた。黒瀬は顔を拭いもせずに、遥の太ももをきつく抱きしめていた。
「や……顔に、かかって……っ」
止めようとしても、腰が勝手に震えて、二度、三度と短く噴き出した。そのたびに、黒瀬の喉が小さく鳴った。嫌がるどころか、黒瀬は遥の太ももをさらに引き寄せ、濡れた唇で、震える入口にそっと口づけた。
遥はようやく黒瀬のものから唇を離し、黒瀬の太ももに頬をつけて、荒い息をついた。目の前で、黒瀬のものが、遥の唾液で濡れて光っていた。まだ、一度も果てていない。張り詰めたまま、遥の頬のすぐ横で、びくびくと跳ねていた。
「……ごめんなさい。顔に、かけちゃって」
いい、と黒瀬は下から言った。その声は、遥が今日聞いた中で一番かすれていた。扉が開いた、と黒瀬は続けた。出ていい。賞金は、受付で受け取れる。遥は振り返って、扉を見た。緑のランプが、静かに灯っていた。
遥は、扉から目を戻した。黒瀬のものが、すぐそこにあった。十一回イった自分の身体は、まだ何かを欲しがっていた。舐め合っているあいだ、ずっと口の中にあったもの。三つ目の部屋で、張り型の形で覚えたもの。それが、まだ一度も、遥の中に入っていなかった。
遥は黒瀬の上から身体を起こした。逆向きにまたいでいた脚を、ゆっくりと戻す。今度は、黒瀬の顔を見下ろす向きで、黒瀬の腰の上にまたがった。黒瀬が、驚いたように目を見開いた。その顔は、遥の溢れさせたもので、濡れて光っていた。
遥は手を伸ばして、黒瀬の頬についた滴を、指でそっと拭った。拭った指が、黒瀬の唇に触れた。黒瀬はその指を、軽く唇で挟んだ。自分の味がついた指を、黒瀬に咥えられている。遥はそれだけで、また脚の間がじわりと熱くなった。
「……出ません。まだ」
遥は自分の声に驚いた。けれど、言い直さなかった。黒瀬の顔を見下ろしたまま、自分の脚の間を、黒瀬のものの上にそっと下ろす。濡れた入口が、張り詰めた幹に触れた。入れてはいない。ただ、幹の上に、入口を沿わせただけ。それだけで、二人とも息を呑んだ。
遥は、腰をゆっくりと前後に動かした。濡れた入口が、幹の上を滑っていく。突起が、反った幹の上をなぞる。黒瀬の腰が浮きかけ、遥の太ももを掴む手に力がこもった。遥は、三つ目の部屋で張り型に跨ったときのことを思い出していた。あのときは、一人だった。
一人で跨って、一人で腰を振って、一人でイった。名器だという言葉も、イヤホンの向こうから聞こえてきただけだった。今は、その声の主が、自分の真下にいる。遥が腰を滑らせるたびに、その人の顔が歪む。
黒瀬の顔を見ると、黒瀬は唇を噛んで、遥を見上げていた。いつも穏やかだった目が、今は熱く揺れていた。この人は、張り型が記録を超えたときから、ずっと我慢していた。舐め合っているあいだも、果てずに耐えていた。遥は、その顔を見て、胸の奥が締めつけられた。
「黒瀬さんも、ずっと、我慢してたんですよね」
黒瀬は答えずに、遥の腰に手を回した。止めるでも、引き寄せるでもなく、ただ添えるだけ。遥が決めろ、と言っているのが分かった。最後の部屋では、あなたが決める。黒瀬はさっき、そう言っていた。遥は、腰の動きを止めた。
入口が、ちょうど黒瀬の先端の上にあった。少し腰を落とせば、入る。遥は黒瀬のものを片手で支え、先端を入口にぴたりと当てた。熱かった。舐めていたときよりも、ずっと熱く感じた。遥は黒瀬の目を見下ろしたまま、深く息を吸った。
壁の数字は、十一のまま止まっていた。扉は開いている。リタイアボタンも、赤く光っている。どこにでも行ける。けれど、遥が行きたい場所は、もう決まっていた。遥は、黒瀬の胸に片手をついて、ゆっくりと腰を落とし始めた。
入口が、熱い先端に押し広げられ始める。遥は目を閉じなかった。黒瀬の目を見下ろしたまま、自分が沈んでいくのを、最後まで見届けたかった。
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