▶ 名前変換:入力フォームを開く
【強制絶頂】イッたら負けのゲームで、何度もイかされる遥:vol.6(命令の夜)
「命令してください。全部、言われたとおりにします」
自分の口から出た言葉を、遥は暗闇の中で聞いた。商談の席で、取引先に言ったことは一度もない。上司にも、元彼にも。誰かの言うとおりにすると約束するのは、遥にとって、負けを認めるよりもずっと遠い場所にある言葉だった。その言葉を、今、自分で選んだ。
神崎はしばらく黙っていた。それから、遥の手首の紐に指をかけ、ゆっくりとほどいた。目隠しはそのままだった。手が自由になる。けれど、自由になった手で目隠しを外すことは、もう遥の選択肢になかった。命令されていないことは、しない。それが、さっき自分で決めたことだった。
最初の命令は、短かった。四つん這いになれ。遥は暗闇の中で、手探りでシーツに両手をついた。膝を立て、腰を上げる。見えないぶん、自分がどんな格好をしているのかを、頭の中で思い描いてしまう。照明の下で、神崎に尻を向けている自分の姿を。
脚を開け、と次の命令が来た。遥は膝の幅を広げた。もっと、と言われ、さらに広げる。脚の間に、エアコンの風が通り抜けていくのが分かった。濡れた場所が、後ろから丸見えになっている。遥はシーツを握る指に力を込めた。恥ずかしさで、全身が火照っていた。
顔をシーツにつけろ、と神崎が言った。遥は肘を折り、頬をシーツに押しつけた。腰だけが高く持ち上がる格好になる。自分ではどうにもならないほど、無防備な姿勢だった。それを、自分で作っている。命令に従うたびに、恥ずかしさが熱に変わっていくのを、遥ははっきりと感じていた。
神崎の手が、遥の尻にそっと置かれた。撫でるでも、掴むでもない。ただ置かれているだけで、遥の背筋がぞくりと粟立った。次の命令を、遥は息を詰めて待った。待つ時間が長いほど、脚の間が濡れていくのが自分でも分かった。
自分で広げろ。
その命令の意味が分かった瞬間、遥の顔が燃えるように熱くなった。シーツについた手を、後ろへ回す。自分の尻に指をかけ、そこを左右に開く。自分の手で、いちばん恥ずかしい場所を、神崎の目の前に差し出している。手が震えた。けれど、離さなかった。
「……こう、ですか」
声が裏返った。神崎は、よし、と短く答えた。その一言で、遥の胸の奥がまたほどけた。褒められた。自分で広げて、それを褒められた。こんなことで嬉しくなる自分が信じられなかった。信じられないまま、脚の間がひくりと疼いた。
神崎の先端が、遥が自分で開いている場所に当てられた。入ってはこない。入り口をなぞるように、ゆっくりと上下する。遥は思わず腰を後ろへ押しつけかけ、止まった。命令されていない。勝手に動いてはいけない。遥は尻を開いたまま、じっと動かずに待った。
動くな、と神崎が言った。遥はもう動いていなかった。それでも、言葉にされると、自分の身体がその言葉に縛られていく気がした。手首の紐はもうない。目隠しのネクタイだけが残っている。それなのに、さっきまでよりもずっと強く、縛られている気がした。
先端が、ゆっくりと入ってきた。後ろから、自分で開いた場所へ。遥は息を止め、腰を動かさないように全身に力を込めた。太い幹が、少しずつ奥へ沈んでくる。動けないまま受け入れるのは、縛られていたときよりも難しかった。自分の意志で、止まっていなければならないのだ。
根元まで沈んだところで、神崎は止まった。遥は尻を開いた手を、まだ離していなかった。離していいとは言われていない。神崎のものを根元まで呑み込んだまま、自分の手で自分を広げ続けている。その格好を想像した瞬間、遥の内側が、きゅっと神崎を締めつけた。
手を離していい、と神崎が言った。シーツを掴め。遥は震える手を前に戻し、シーツを握りしめた。動いていい、とは言われなかった。神崎がゆっくりと腰を引き、また奥まで戻ってくる。遥は腰を動かさないように、シーツを握る手に力を込めた。
突かれるたびに、腰が逃げたがった。奥を叩かれる衝撃から、本能が身体を前へ逃がそうとする。遥はその本能を、命令の言葉で押さえつけた。動くな。動くな。頭の中で神崎の声をくり返すうちに、逃げたい気持ちは少しずつ、受け止めたい気持ちへと変わっていった。
神崎の動きが、少しずつ速くなっていった。後ろから突かれるたびに、遥の身体がシーツの上を前へずれる。ずれるたびに、神崎の手が腰を掴んで引き戻した。動くなという命令を、遥は必死に守っていた。けれど、守ろうとすればするほど、突かれる感覚が鋭くなっていった。
声を出せ、と神崎が言った。遥は、それまで唇を噛んで声を殺していた。命令されて、唇を開く。その途端、喉から甘い声がこぼれ出た。一度出始めると、止まらなかった。突かれるたびに、自分のものとは思えないほど高い声が、部屋に響いた。
もっと聞かせろ、と神崎が言った。遥は声を抑えるのをやめた。恥ずかしさが、命令の中に溶けていく。言われたからしている。だから、恥ずかしくない。そう思えたとき、遥の身体から最後の力みが抜けた。抜けた途端に、波が一気に押し寄せてきた。
「イきます、主任、イきます……っ」
宣言と同時に、遥はイった。腰は動かさなかった。動くなという命令を、最後まで守った。代わりに内側だけが何度も神崎を締めつけ、背中が小刻みに震えた。神崎の手が、遥の背中を、褒めるようにゆっくりと撫でた。
神崎は抜かないまま、遥の上体を引き起こした。膝立ちになり、背中が神崎の胸に貼りつく。神崎の唇が、遥の耳たぶに触れた。次の命令は、ここではない、と神崎は囁いた。目隠しを外す。そして、自分の顔を見ながらだ。遥の心臓が、胸の中で大きく跳ねた。見たくない。けれど、見ろと言われたら、きっと見てしまう。
ここまで読んでくれてありがとう
選択を変えれば、結末は変わります。
別のルートを試すか、他の物語へ。



コメント