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【強制絶頂】イッたら負けのゲームで、何度もイかされる遥:vol.1(十分間の賭け)
▶ 選んで結末が変わる物語(全25話・6結末)
出張先のビジネスホテルは、駅から歩いて五分の古い建物だった。取引先との打ち上げが終わったのは十時過ぎで、遥は主任の神崎に誘われるまま、彼の部屋で缶ビールを開けていた。窓の外には地方都市の暗い夜景が広がり、エアコンの低い音だけが部屋を満たしている。
遥は二十四歳、中堅メーカーの営業で、入社三年目になる。社内では陰で「鉄の女」と呼ばれていた。商談で何を言われても顔色を変えず、数字で押し返すからだ。今日の商談も、相手の部長の無茶な値引き要求を、遥がほとんど一人で突き返した。
神崎は三十四歳で、新人の頃の遥の教育係だった。穏やかで、声を荒らげたところを見たことがない。ネクタイを緩め、ベッドの端に腰かけた神崎は、ビールを一口飲んで笑った。今日の遥は、本当に顔色ひとつ変えなかったな、と。
「仕事ですから。動揺したら負けです」
遥がそう返すと、神崎は少し考えるような顔をした。本当に何をされても動じないのか、と彼は言った。たとえば誰かに触られても、と。冗談めかした口調だったが、目は笑っていなかった。遥は缶を机に置き、まっすぐに神崎を見返した。
「触られたくらいで、どうにもなりません」
なら賭けをしようか、と神崎は言った。十分間、遥に触れる。その間に遥がイかなければ遥の勝ち。勝ったら、神崎が担当している来期の大口案件を遥に回す。負けたら、今夜は神崎の言うことを聞く。嫌ならやめていい。いつでも止める、とも言った。
遥の頭に、大口案件の数字が浮かんだ。あの案件を取れば、来期の評価は確実に上がる。それに、負けるはずがなかった。元彼と別れてから一年、遥はそういうことから遠ざかっていたし、そもそも人に触られて乱れたことなど一度もない。そう思うと、ここで引くのは負けを認めるのと同じだった。
「受けます。十分ですね」
神崎はスマホのタイマーを十分に合わせ、ベッドの上に置いた。遥はブラウスとタイトスカートのまま、ベッドの真ん中に座らされた。神崎が背後に回り、遥の肩に両手を置く。タイマーの数字が動き始めた瞬間、遥は奥歯を噛んで、壁の一点を見つめた。
最初に触れられたのは、首筋だった。指先が髪の生え際から耳の後ろへ、ゆっくりと降りていく。くすぐったさに肩が跳ねそうになり、遥は息を止めてこらえた。神崎の指は急がなかった。うなじから鎖骨の窪みまでを、何度も同じ速さで往復する。
三分を過ぎた頃、手のひらがブラウスの上から胸に添えられた。揉むのではなく、ただ重さを確かめるように包むだけだった。それなのに、薄い布越しに伝わる体温が、胸の先を少しずつ硬くしていく。遥は自分の身体の変化に気づき、ひそかに唇を噛んだ。
親指が、硬くなった先端の上を、ブラジャーの布越しに円を描いてなぞった。一周、二周。遥の背筋に、細い電流のようなものが走った。声を出すまいと喉を締めると、代わりに鼻から短い息が漏れた。背後で、神崎が小さく笑う気配がした。
五分を回ったところで、神崎の指がブラウスのいちばん上のボタンに触れた。外すのか、と遥は身構えた。だが指はボタンの縁をなぞっただけで、また胸の膨らみへ戻っていった。脱がされなかったことに、ほっとしたのか、物足りなかったのか、遥には自分でも分からなかった。その迷いを見透かすように、親指が先端を強く押し込んだ。
視線を落とせば、白いブラウスの胸元に、硬くなった先端の形がうっすらと浮いているのが見えた。神崎の手が、その形を確かめるように撫でている。他人の手で自分の身体が変えられていく様子を、遥はまるで別人のことのように見下ろしていた。見なければいいのに、目が離せなかった。
六分。耳たぶに神崎の息がかかり、首筋に唇が押し当てられた。舌先で肌を舐められた瞬間、遥の腰がわずかに浮いた。胸の先を摘ままれ、首筋を吸われ、二つの刺激が身体の真ん中で一つに混ざっていく。太ももの内側が、勝手にこすれ合った。
八分を過ぎると、遥にはもう壁の一点が見えていなかった。脚の間が熱を持ち、下着の奥がじわりと湿っていくのが分かる。触られているのは胸と首だけなのに、身体の奥の方が、触れられるのを待つように疼いていた。こんなはずではなかった。元彼に抱かれていたときでさえ、ここまで身体が勝手に動いたことはない。遥は自分に言い聞かせた。これは賭けだ。商談と同じで、相手の手の内に乗らなければ負けることはない。けれど、その理屈を考えている間にも、胸の先を転がされるたびに膝の力が抜けていった。
九分。神崎の手が胸から離れ、スカートの上から太ももを撫で上げた。脚の付け根の手前で、指が止まる。そこから先には一ミリも進まない。遥は無意識に腰を前に押し出しかけて、慌てて引き戻した。息が浅く、速くなっていく。
最後の三十秒は、永遠のように長かった。耳元で神崎が残りの秒数を数え、そのたびに首筋を軽く噛まれた。十秒、五秒。遥は膝を固く閉じ、シーツを握りしめた。タイマーが鳴ったとき、遥は全身の力が抜けて、神崎の胸にもたれかかっていた。
勝った。顔を上げると、神崎が穏やかに笑っていた。おめでとう、と彼は言った。それから、ほんの少しだけ声を落として付け加えた。ぎりぎりだったな、と。遥は頬が熱くなるのを感じた。見抜かれている。脚の間の湿り気まで、見透かされている気がした。
神崎はタイマーをもう一度手に取った。二回戦、やるか、と彼は聞いた。勝てば案件に加えて、来期の出張の担当も遥に任せる。やめるなら、今夜はこれで終わりだ。遥は乱れた息を整えながら、自分の膝を見下ろした。ここでやめたら、ぎりぎりだったことを認めることになる。
「やります。二回戦も、勝ちます」
ここまで読んでくれてありがとう
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別のルートを試すか、他の物語へ。




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