【騎乗位】自分で腰を沈めるしかない遥:END(鏡の前・時間切れ)

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【騎乗位】自分で腰を沈めるしかない遥:END(鏡の前・時間切れ)

最後の一回を落とす直前、遥は鏡の中の自分の目を、まっすぐに見つめた。そこに映っているのは、三日前に廊下の隅で泣いていた女とは、まるで別の誰かだった。頬は熱で赤く、唇は腫れ、瞳は潤んでいる。それでもその目には、怯えではなく、何かを待ち望むような色があった。遥はその目を見つめ返したまま、膝の力をすべてほどいた。

遥は持ち上げた腰を、自分の重さのすべてを乗せて落とした。濡れた幹が根元まで沈み込み、先端が奥の壁を強く押し上げる。その瞬間、中の男のものが大きく脈を打った。熱いものが、奥の一点に叩きつけられるように溢れ出していく。一度、二度、三度。脈を打つたびに、下腹の奥に重い熱が広がり、遥は背中を反らせて、喉の奥で長く震える息を吐いた。

ストップウォッチの数字は、ゼロを示していた。時間切れの瞬間と、男が果てた瞬間が、隙間なく重なっていた。遥は男の胸に両手をついたまま、動けなかった。中で、まだ男のものが小さく跳ねている。そのたびに、奥に溜まった熱がわずかに押し広げられ、遥の太ももが勝手に震えた。鏡の中の女も、同じように肩で息をしながら、震えていた。

脈を打つたびに、奥に溢れた熱が、内側の壁を伝って少しずつ広がっていく。遥はその熱がどこまで届くのかを、目を閉じて確かめようとした。下腹の底、さっきまで男の先端が押し上げていたあたりに、重く温かいものが溜まっている。初めて知る感覚だった。痛みでも疼きでもない、満たされたとしか言いようのない重さが、遥の身体の芯に、静かに沈んでいった。

顔を上げると、鏡の中の自分と目が合った。頬は真っ赤に染まり、汗で濡れた前髪が額に貼りついている。唇は腫れ、目尻からは涙がひと筋こぼれていた。けれど、その顔は泣いているようには見えなかった。焦点の合わない瞳の奥に、遥がこれまで一度も見たことのない、満たされた女の色があった。それが自分の顔だと思うと、遥は恥ずかしさで消えてしまいたくなった。

堂島の胸が、長い距離を走り終えたあとのように、大きく上下していた。動かないと言った男は、最後まで本当に指一本動かさなかった。それでも、男の喉にはいっぱいに汗が浮き、畳を握っていた指は、まだ白く力んだままだった。遥の腰ひとつで、この男がここまで乱れたのだと思うと、恥ずかしさとは別の、言葉にできない感情が胸の奥に湧き上がった。それが誇らしさなのか、怖さなのか、遥には分からなかった。

男が言っていた。俺は動かない、と。その約束は、最後まで守られた。遥を押し倒したのも、腰を突き上げたのも、脚を開かせたのも、すべて遥自身だった。男がしたことといえば、数字を告げ、命令を短く口にし、最後に、遥の中で果てただけだった。そう思うと、自分が今夜したことのすべてが、自分の意思だったのだと、逃げ場なく突きつけられた。

しばらくして、遥はゆっくりと腰を持ち上げた。中から男のものが抜けていくとき、奥に溜まっていた熱が、一緒に引きずり出されるように溢れ出した。濡れた幹が完全に抜けると、遥の脚の間から、白く濁ったものが一筋、男の下腹の上に滴り落ちた。遥は膝立ちのまま、思わずそれを見下ろしていた。自分の中に、この男のものが注がれたのだと、目で確かめさせられていた。

「鏡を見ろ」と堂島が言った。遥は重たいまぶたを持ち上げるように、少しずつ視線を鏡へ戻した。鏡の中には、膝立ちで脚を開いたままの自分が映っていた。たくし上げたスカートの陰で、薄い茂みは濡れて肌に貼りつき、その下の場所が、まだ男の形を残したように薄く開いている。そこから、白く濁ったものと、わずかな赤が混じり合って、内腿をゆっくりと伝い落ちていった。

遥は目を逸らさなかった。逸らす必要は、もうなかった。時間はもう終わっている。それでも、鏡の中の自分の姿から、目を離すことができなかった。翔太のために覚えようとしたはずのことを、遥は、この男の上で、この鏡の前で、まるで別の形で覚えてしまった。それが良かったのか悪かったのか、遥にはもう判断がつかなかった。

内腿を伝う感触は、生温かく、くすぐったく、それでいてどこか重かった。遥はそれを拭おうともせず、鏡の中の自分の脚の間を見つめ続けた。そこには、さっきまでの処女だった自分の名残と、この男が残したものとが、混じり合って流れている。翔太にこれを見せることは、きっと一生ない。そう思うと、鏡の中のその光景だけが、自分ひとりの秘密になったような気がした。

脱ぎ捨てたブラウスとブラを拾い、震える指でボタンを留めて、遥は管理人室を出た。廊下には誰もいなかった。階段を上る足が、自分の体重を支えきれずに何度もふらついた。自分の部屋に戻り、鍵を閉め、ベッドに倒れ込んでも、脚の間にはまだ男の形が残っていた。下腹の奥では、注がれたものの熱が、いつまでも消えずに燻っていた。

ベッドに横たわったまま、遥は天井を見上げた。真上は三〇二号室、美咲の部屋だった。今夜、管理人室の扉の前で足を止めたのが彼女だったのかどうか、遥にはもう分からない。明日の朝、洗面所で顔を合わせたら、自分はどんな顔をすればいいのだろう。考えれば考えるほど、下腹の奥に残った熱が、またゆっくりと疼き始めた。遥は枕に顔を押しつけ、眠れないまま朝を待った。

翌日の夜、十一時少し前だった。扉の下の隙間から、一枚の白いメモが差し込まれていた。拾い上げると、そこには時刻だけが書かれていた。十一時。部屋番号も、名前も、用件もない。遥はメモを握りしめたまま、しばらく玄関に立ち尽くした。下腹の奥が、昨夜と同じ場所で、ゆっくりと疼き始めていた。遥は鏡の前で髪を整え、鍵を手に取った。

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