【透明人間】見えない上司に襲われる夜:vol.4(息を塞ぐ異物)

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【透明人間】見えない上司に襲われる夜:vol.4(息を塞ぐ異物)

オフィスの無機質な机に顔を押し付けられ、後ろ手で縛られた遥の耳元で、生温かく湿った荒い息遣いが低く響いた。

「ヒヒッ……俺の舌でイカされて、すっかり腑抜けになっちまったな。だが、本当のお楽しみはこれからだ」

下劣な嘲笑とともに、遥の髪の根元を掴んでいた見えない手が離れた。
しかし安心したのも束の間、今度は背後から太い腕が伸びてきて、遥の顎を下から強引に上へと持ち上げた。
顎の骨が砕けそうなほどの、中年男の万力のような力。
無理やり顔を上へ向けられ、うつ伏せのまま首を捻るような不自然な姿勢をとらされる。
首筋の筋が引きつり、呼吸が苦しくなる。

そして、視界の端、無理やり上を向かされた遥の顔のすぐ横に、見えない何かが迫ってきた。
姿は見えない。
しかし、鼻を突く強烈な匂い――中年男特有の汗の饐えた匂いと、タバコのヤニの悪臭、そして何より、むき出しになった男性器の強烈な生臭さが、距離ゼロまで近づいてきたことを知らせていた。

「まずは、お前のその生意気な口から教育してやるよ。いつも俺の指示に渋い顔で『はい』って答えるその綺麗な唇で、俺のモノをしゃぶらせてやる」

顔のすぐ横から降ってくる、ひろし課長のおぞましい言葉。
何をさせられようとしているのか、処女の遥にも本能で理解できた。
大嫌いな上司の不浄な肉の棒を、口の中に入れられようとしている。
圧倒的な恐怖と激しい生理的な嫌悪感で、胃液が逆流しそうになる。

「……っ! いやっ……!」

必死に唇を強く引き結び、顔を背けようとする遥。
だが、透明人間と化した課長は、遥のささやかな抵抗など端から意に介していなかった。
「ヒヒッ、口を固く結んで抵抗してるつもりか? 可愛いねぇ。だがな、お前はもう俺のオモチャなんだよ」

顎を掴んでいた太い指が、強引に遥の頬骨に食い込み、力任せに口をこじ開けようとする。
同時に、もう片方の手が遥の鼻をつまみ、物理的に呼吸を塞いだ。
息ができない。酸欠による苦しさと、頬の肉を千切られそうな痛みに耐えきれず、わずかに唇が開き、ひゅっ、と悲鳴の代わりの空気が漏れる。
その一瞬の隙を、見えない怪人は見逃さなかった。

開いた唇の間に、巨大で生温かい肉の塊がねじ込まれた。
硬く、熱く、脈打つ異物。
それが、暴力的な勢いで遥の口腔を塞ぎ、喉の奥へと突き進んでくる。

「……んぶっ!? ぐぇっ……!」

息ができない。
異物は口の中を完全に満たし、遥の小さな舌を根元から無理やり押しつぶしていた。
表面に浮き出た血管の感触や、カリ首のカリカリとした形状までが、舌の裏側と上顎の粘膜に生々しく伝わってくる。

「ヒヒッ! すげぇ! お前の口の中、めちゃくちゃ熱くて柔らかいじゃねぇか! 俺の太いのを根元までくわえ込んで、苦しそうに涙目になってやがる!」

人間の男性の、最も熱く、最も不浄な部分。
それが自分の口の中にあるという絶望的な現実が、遥の理性を粉々に破壊していく。
課長は遥の顔を両手で固定すると、自らの腰を前後に揺らし始めた。
口の中を犯されるという究極の屈辱。
摩擦によって分泌された課長の先走り液の塩辛さと、生臭い匂いが口腔内を満たし、吐き気を催させる。

「……おえっ……んぐっ……」

物理的な嘔吐反射が起こるが、口を完全に塞がれているため吐き出すこともできない。
涙と涎がごちゃ混ぜになって顔を濡らし、机の天板へとぼたぼたと垂れ落ちる。
生理的な嫌悪と酸欠の苦しみに全身が痙攣し、後ろ手に縛られた腕が机を掻きむしるように跳ねる。
純潔で真面目な新入社員の口は、今や完全に、大嫌いな中年男の欲望を処理するための卑猥な穴へと成り下がっていた。

鼻から吸おうとした空気は、喉の奥を塞ぐ圧迫に阻まれて細くしか入らなかった。胸が大きく上下し、肺はもっと酸素を求めているのに、顎を固定する見えない指は少しも緩まない。舌は下顎へ押しつぶされ、歯列の内側へ擦れるたびに鋭い痛みが走った。

「……んっ……んぅ……!」

言葉にできない拒絶は、喉の奥で押し潰されて低い呻きに変わった。遥は首を左右へ振ろうとしたが、髪を掴む手と頬を挟む手が頭を正面へ戻す。見えない力に従わされるたび、机の脚が床をわずかに擦り、静かなフロアへ現実の音だけが残った。

押し込まれた硬い熱がわずかに引くと、唇の隙間から唾液が糸を引いて落ちた。解放されたのは一瞬だけで、息を吸い切る前に再び口腔が塞がれる。短い呼吸と長い圧迫が繰り返され、時間の感覚が崩れていく。

机の端へ押しつけられた腹部は、呼吸のたびに冷たい金属へ食い込んだ。背中で縛られた手首はすでに感覚が薄く、指先だけが震えている。下半身には先ほどの刺激の余韻が残り、濡れた秘部へ冷気が触れるたび、身体が不本意に縮んだ。

遥は歯を立てて抵抗しようとした。だが顎の角度を変えられ、噛みしめる余地さえ奪われる。口内の柔らかな粘膜へ硬い輪郭が擦れ、熱と痛みが一点に集まった。自分の身体の使い方まで他人に決められているという事実が、息苦しさと同じ強さで胸へ迫った。

見えない男は、遥の呼吸が限界へ近づくたびにわずかに動きを緩め、意識を失わない程度だけ酸素を与えた。助けるためではない。苦痛を長引かせ、反応を見続けるための調整だった。その計算された間が、衝動的な暴力よりも冷たく感じられた。

やがて、口内を塞いでいた熱が半分ほど退いた。遥は咳き込もうとしたが、顎を支える手が離れない。代わりに男の指が頬を押し、閉じかけた唇を再び開かせる。濡れた舌の上へ重さが置かれ、逃げようと縮めた舌先まで押さえ込まれた。

「止めたければ、俺が満足するように動かせ」

命令の意味を理解した瞬間、遥の喉がひきつった。従わなければ再び息を奪われる。従えば、自分の意思で奉仕したように見せかけられる。どちらを選んでも尊厳を傷つけられる罠だった。

「……いや……できません……」

小さな拒絶の直後、髪を掴む力が強まり、口内の異物が舌の根元へ押し戻された。涙が新たにあふれ、視界の輪郭が消える。遥は酸素を求めて舌を動かすしかなく、そのわずかな動きすら男には服従として受け取られた。

見えない手が後頭部へ回り、頭の位置を固定した。口角には熱と擦過痛が残り、顎の筋肉は震えている。これ以上は耐えられないという身体の警告とは無関係に、男は次の命令を準備するように腰の位置を変えた。

遥の足元には、散らばった書類と倒れた社員証があった。そこに印刷された整った顔写真だけが、数時間前までの自分を示している。今の姿との落差を突きつけられ、遥は目を閉じた。けれど見えない相手から逃れるには、視界を閉ざすだけでは何の役にも立たなかった。

唇へ押し当てられた熱が再び脈打った。男の呼吸が速くなり、命令はさらに具体的になる。遥は首を振ろうとしたが、両側から支える手に阻まれた。残されたのは、喉を守るために最小限だけ舌を動かすことだった。

その動きが始まった瞬間、男は満足げに息を吐いた。遥にとっては生きるための防御なのに、相手はそれを自発的な奉仕へすり替える。唇と舌を支配されたまま、遥は次の屈辱へ押し流されていった。

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