【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.5(本当に初めて)

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【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.5(本当に初めて)

桐生は、しばらく遥の顔を見ていた。それから、机の上に座ったままの遥の両脚を、もう一度ゆっくりと開かせた。確かめさせてくれ、と彼は言った。君の身体が、どこまで準備できているのか。今夜、どこまで進めていいのか。

遥は頷いた。イったばかりの場所は、まだ熱を持ってひくついていた。桐生の中指が、もう一度入口に当てられる。さっきよりも、ずっと滑らかに沈んでいった。溢れたものが、指の動きを助けていた。根元まで入ると、桐生は指を動かさずに止めた。

中の壁が、指を包み込んでいるのが分かった。自分の内側が、こんな形をしていることを、遥は初めて知った。桐生の指先が、奥の手前で、何かを探すように小さく動く。そこで、遥の身体がびくりと強張った。押されると、鈍い痛みに似たものが走る場所があった。

桐生の指が、その場所の手前で止まった。遥は息を詰めたまま、自分の中の指を感じていた。ほんの数センチ先に、まだ誰も触れたことのない場所がある。その事実が、急に具体的な重さを持って迫ってきた。机の上で、遥の太ももがかすかに震えた。

ここだ、と桐生が言った。ここから先は、まだ誰も通っていない。指の腹が、その場所の縁をそっとなぞった。痛くはないか、と聞かれ、遥は首を振った。痛くはない。けれど、身体の奥のいちばん深い扉に、手をかけられているような感覚だった。

もう一本増やす、と桐生は告げた。遥は机の縁を握りしめた。人差し指が中指に添えられ、入口をゆっくりと押し広げていく。さっきの一本とは比べものにならない圧迫感だった。引き伸ばされる入口が、ちりちりと熱を持った。遥は唇を噛んで、声を殺した。

「……っ、う……」

息を吐け、と桐生が言った。会議の前に深呼吸をしろと、新人のころに言われたのと同じ声だった。遥は言われたとおりに、長く息を吐いた。吐ききったところで、二本の指が、するりと奥まで沈んだ。遥の目から、涙がひとつこぼれた。痛みではなかった。

やっと、という気持ちだった。何年も、誰にも触れさせられなかった場所に、二本の指が収まっている。痛みよりも先に、胸の奥で固く結ばれていた何かがほどけた気がした。桐生は涙に気づいたが、何も言わずに、遥の頬を親指でそっと拭った。

二本の指が、中でゆっくりと開かれた。内側から押し広げられる感覚に、遥の腰が浮いた。机の上で、脚を大きく開いたまま、上司の指で中を広げられている。部長室の蛍光灯が、そのすべてを白く照らしていた。くちゅり、と濡れた音が、静かな部屋に響いた。

桐生の親指が、また外の突起に触れた。中の二本は動かさず、親指だけがゆっくりと円を描く。広げられている痛みに、別の熱が混ざり始めた。痛いのか気持ちいいのか、遥にはもう区別がつかなかった。区別がつかないまま、中が二本の指をきつく締めつけていた。

締めつけるたびに、桐生の指の形がはっきりと分かった。関節の節、爪の硬さ、指先の温度。一人で触ったときには、何も分からなかった自分の中が、今は桐生の指を細かく感じ取っている。遥は机に片手をつき、後ろへ倒れそうになる身体を支えた。

桐生が、指を入れたまま遥の顔を覗き込んだ。今夜、このまま最後までしてもいい、と彼は言った。君の身体は、もうかなり開いている。けれど、と続けた。初めては一度しかない。この机の上で、勢いで終わらせていいのか。

遥は答えに詰まった。今すぐにでも、と思う気持ちが、確かにあった。身体の奥が、指よりも大きなものを欲しがって疼いている。けれど、桐生の言葉が、その疼きの上に冷たい水のように落ちてきた。一度しかない。二十七年間、守ってきたわけではない。ただ、手放せなかっただけのもの。

桐生はゆっくりと指を抜いた。抜かれる感触に、遥の中がひくりと縮んだ。桐生は遥のスカートの裾を下ろし、乱れた髪を指で整えた。それから、机の前の椅子に座り直し、遥と目の高さを合わせた。

選ばせてやる、と桐生は言った。場所と、やり方を。それが、俺のやり方だ。遠慮しないというのは、君の身体に遠慮しないということで、君の気持ちを無視することじゃない。遥はその言葉を、机の上に座ったまま聞いた。

この人の下で働いてきた三年間を、遥は思い出していた。企画が通らなかった夜も、取引先に頭を下げた朝も、桐生は一度も声を荒らげなかった。ただ、根拠を問い、選択肢を並べ、最後は遥に決めさせた。今夜も、同じだった。

一つ目、と桐生は指を立てた。毎週の企画会議で使っている、十二階の大会議室。君がいつも座る席で。月曜の朝から、その席に座るたびに思い出すことになる。遥の脳裏に、長い机と、ホワイトボードと、自分の名札を置く場所が浮かんだ。

二つ目。何も見えない状態で。目を塞いで、どこを触られるか、何が入ってくるか、分からないまま迎える。初めてを目で見ないまま、身体だけで覚える。遥は思わず、自分の目元に指を触れた。暗闇の中で待たされる自分を想像して、背中がぞくりとした。

三つ目、と桐生は言った。再来週、大阪の出張がある。ホテルの部屋は高い階だ。窓の前で、夜景を見ながら。向かいのビルの明かりが見える場所で。誰かに見られているかもしれないと思いながら、初めてを迎える。

三つ並べられた光景が、遥の頭の中で順番に揺れた。どれを思い浮かべても、脚の間がまた熱くなった。濡れが、スカートの内側で太ももを伝っている。机の天板の染みは、まだ乾いていなかった。

どれを選んでも、その日まで指で慣らしておく、と桐生は言った。痛みが少しでも減るように。それから、どれを選んでも、当日にやめたくなったらやめていい。遥は桐生の目を見た。命令の形をしているのに、最後の扉はいつも遥の手の中にあった。

遥は机から降り、床に散らばった書類を拾い集めた。それを桐生の机の上に、きちんと揃えて戻す。毎朝の報告のときと同じ手つきだった。揃え終えてから、遥は顔を上げた。頬はまだ熱かったけれど、声は不思議と震えなかった。

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