【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.6(寸前で止まる指)

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【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.6(寸前で止まる指)

「すぐじゃなくて……焦らしてください」

自分の口から出た言葉に、遥は顔を覆った。何を言っているのだろう。けれど、それが本心だった。初めては一度しかない。だったら、そこへ辿り着くまでの時間を、少しでも長く味わっていたかった。桐生は遥の手をそっと顔から外し、分かった、と言った。

それから一週間、桐生は遥に指一本触れなかった。会社では、いつもどおりの上司と部下だった。会議で企画の甘さを指摘され、取引先との電話を代わってもらい、残業の終わりに、お疲れ、と言われる。それだけだった。

遥の身体だけが、いつもどおりではなかった。会議室で桐生の声を聞くたびに、脚の間がじわりと熱くなった。書類を受け取るときに指が触れると、その場で膝が崩れそうになった。夜、一人の部屋であの機械を手に取っても、桐生の指を思い出すばかりで、少しも満たされなかった。

水曜の夜、遥は耐えきれずに、桐生にメッセージを送りかけた。今夜、少しだけでも。そこまで打って、消した。焦らしてと言ったのは自分だった。送信ボタンの上で止まった指を、遥はそのまま脚の間へ下ろした。一人で触れても、熱は上がるばかりで、どこにも辿り着かなかった。

次の土曜、遥はまた桐生の部屋にいた。寝室の明かりは、先週よりも少し暗かった。服を脱がされ、ベッドに横たえられる。桐生はシャツの袖をまくり、遥の脚の間に腰を下ろした。今日は、イかせない、と彼は言った。君が焦らせと言ったから。

指が、入口の縁をなぞり始めた。中には入れない。ただ、縁をなぞるだけ。縁に沿って、何度も往復する。ゆっくりと、何度も。遥の入口が、その指を追いかけるようにひくついた。中に欲しい。そう思っても、指は縁から一ミリも内側へ入ってこなかった。

一週間、待たされた身体は、驚くほど早く濡れた。縁をなぞる指が、すぐにぬるぬると滑り始める。溢れたものが、指に掬われて突起のほうへ塗り広げられた。突起に触れられた瞬間、遥の腰が跳ねた。けれど、指はすぐにまた縁へ戻っていった。

「あ……そこ、もう少し……」

もう少し、何だ、と桐生が聞いた。遥は答えられなかった。答える代わりに、腰を指のほうへ押しつけた。桐生は指を引いた。押しつけた腰が、空を切る。遥は自分のはしたなさに気づき、唇を噛んだ。それでも、腰は勝手にまた浮いていた。

桐生の舌が、太ももの内側に触れた。膝の近くから、少しずつ付け根へ向かって這い上がってくる。あと数センチ。あと一センチ。そこで、舌は反対側の太ももへ移ってしまう。また膝の近くから、やり直し。遥はシーツを握りしめて、その往復に耐えた。

舌が付け根に近づくたびに、遥の入口がひくりと開くのが自分でも分かった。中から溢れたものが、舌の届かない場所を濡らしていく。触れられていないのに、濡れている。見られているのに、触れてもらえない。その二つが重なって、遥は息の仕方を忘れそうになった。

三度目の往復のあと、舌はようやく脚の間に辿り着いた。突起を、舌先でそっとつつく。一度。二度。遥の身体が弓なりに反った。来る。先週覚えたばかりの、あの波が、もうそこまで来ている。三度目に舌が触れた瞬間、遥はシーツを掴んで、身構えた。

舌が、離れた。遥の喉から、悲鳴に近い声が漏れた。波の頂上の、ほんの手前。そこで突然足場を外されたような感覚だった。腰が宙に浮いたまま、震えている。桐生は遥の太ももに頬を寄せたまま、遥が落ち着くのを静かに待っていた。

落ち着きかけたところで、また舌が戻ってきた。今度は入口から突起まで、ゆっくりと舐め上げる。さっきの波の名残が、すぐにまた膨らみ始めた。遥は首を振った。だめ、また止められる。分かっているのに、身体は舌を迎えにいってしまう。

二度目も、三度目も、桐生は寸前で止めた。止めるたびに、遥の中で何かが少しずつ削られていった。恥ずかしさとか、強がりとか、二十七年間かけて積み上げてきた鎧のようなものが。四度目に止められたとき、遥はもう声を殺すことを忘れていた。

「部長、お願い、もう……っ」

まだだ、と桐生は言った。指が二本、入口に当てられ、ゆっくりと沈んでいった。先週よりもずっと滑らかに、根元まで収まる。一週間前の、あの固い入口が嘘のようだった。待たされた身体が、自分から指を奥へ引き込もうとしていた。

二本の指が、中で静かに動き始めた。奥の、まだ誰も通ったことのない場所の手前を、指の腹がそっと押す。そこを押されるたびに、腰の奥に重い痺れが走った。痛みではない。痛みになる前の、もっと深いところで鳴る音のようなものだった。

指の動きに合わせて、親指が突起を撫でる。内と外から同時に押し上げられて、遥はあっという間に頂上の手前まで連れていかれた。今度こそ、と思った瞬間、指はまた動きを止めた。中に入ったまま、ぴたりと止まる。遥の中だけが、勝手に指を締めつけ続けた。

濡れが、太ももを伝ってシーツまで落ちていた。何度も寸前で止められたせいで、身体は溢れるものを止める方法を忘れてしまったようだった。桐生が指を少し動かすだけで、くちゅくちゅと音が鳴る。遥はもう、その音を恥ずかしいと思う余裕もなかった。

五度目か、六度目か。数えるのをやめたころ、遥の目からは涙が流れていた。悲しいのではなかった。身体の中に溜まりすぎた熱が、行き場をなくして、目から溢れ出しているようだった。桐生は指を抜き、遥の涙を親指で拭った。

まだ焦らしてほしいか、と桐生は聞いた。遥は答えようとして、声が出なかった。焦らしてと言ったのは自分だった。けれど、こんなにも苦しいとは知らなかった。こんなにも、苦しいのに、まだ終わってほしくないと思う自分がいることも。

桐生は遥の隣に横たわり、遥の身体を抱き寄せた。指はもう、どこにも触れていなかった。それなのに、遥の中はまだ、さっきまでそこにあった指の形を探してひくついていた。遥は桐生の胸に顔を埋め、シャツの布地を握りしめた。

「……もう、ください」

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