【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.7(自分で言う言葉)

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【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.7(自分で言う言葉)

桐生は遥の顔を両手で包み、正面から見つめた。何を、と彼は聞いた。もう、ください、では分からない。仕事で曖昧な報告をしたときと、同じ言い方だった。遥は涙で滲んだ目で、桐生の顔を見上げた。あの部長室で、何度も言われた言葉だった。

具体的に、と桐生は続けた。何が欲しいのか。どこに欲しいのか。自分の言葉で言え。言えたら、そのとおりにする。言えなければ、今夜もここまでだ。声は穏やかだったけれど、少しも譲る気配はなかった。

遥は、桐生のそういうところに、何度も救われてきたのだと思った。曖昧なまま進めて、後で取り返しがつかなくなる。それを、この人は誰よりも嫌う。初めての夜も、きっと同じなのだ。遥が自分の言葉で選ばなければ、この人は一歩も先へ進まない。

遥は唇を開いた。言葉が、喉の奥で絡まった。頭の中では、何度も言っていた。一週間、一人の部屋で、桐生の顔を思い浮かべながら、何度も。けれど、それを本人の前で声にするのは、まるで違うことだった。言った瞬間、自分の欲しがっているものが、形になってしまう。

「部長の……を、私の中に」

肝心なところが、声にならなかった。桐生は首を振った。聞こえない、と言う。遥は顔を真っ赤にして、目を閉じた。閉じた瞼の裏に、さっきまで自分の中にあった指の感触がよみがえった。あれよりも、もっと大きいもの。もっと奥まで届くもの。

遥は目を開け、桐生の下腹のほうへ視線を落とした。シャツの裾の下で、ズボンの前が硬く張り詰めているのが見えた。桐生も、ずっと我慢していたのだ。一週間、会社で何もなかった顔をしながら。そう思った瞬間、喉の奥で絡まっていた言葉がほどけた。

「部長のものを、私の中に、入れてください」

言い終えると同時に、脚の間から熱いものがとろりと溢れた。自分の声に、自分の身体が答えていた。恥ずかしさで、全身が燃えるようだった。けれど、それ以上に、言えたことへの安堵が胸に広がった。言ってしまえば、もう隠すものは何もなかった。

桐生は、よく言えた、と短く言った。それから身体を起こし、シャツのボタンを外し始めた。遥は息を詰めて、その手元を見ていた。一つずつ外れていくボタン。現れる胸板。会社では一度も見たことのない、上司の身体だった。

四十近いとは思えないほど、引き締まった身体だった。週に何度か、朝早くジムに寄ってから出社していると、誰かが噂していたのを思い出した。そんなことを今思い出す自分がおかしくて、遥は少しだけ笑いそうになった。笑いそうになったおかげで、肩の力がわずかに抜けた。

ベルトが外され、ズボンが下ろされた。遥は、初めてそれを見た。下着の布を押し上げていたものが、布から解放されて、まっすぐに立ち上がる。思っていたよりも、ずっと大きかった。あれが、自分の中に入る。指二本でさえ、あんなにきつかったのに。

遥の顔に浮かんだものを、桐生は見逃さなかった。怖いか、と聞かれた。遥は正直に頷いた。怖い。けれど、やめたいとは思わない。そう答えると、桐生は遥の手を取って、自分のものへ導いた。触ってみろ、と言った。知らないものは、怖い。

指先が、硬いものに触れた。熱かった。思っていたよりも、ずっと熱い。手のひらで包むと、どくん、と脈打つのが伝わってきた。皮膚は柔らかいのに、その下は芯が通ったように硬い。遥は恐る恐る、根元から先端へ指を滑らせた。先端が、わずかに濡れていた。

桐生が、小さく息を詰めた。遥の指が動くたびに、手のひらの中のものがぴくりと跳ねる。自分の指で、上司がこんな反応をする。その事実に、遥の胸の奥で何かがくすぐられた。怖さの隣に、小さな好奇心が芽生えていた。

これが入るのか、と遥は思った。怖さは、まだ消えなかった。けれど、手のひらの中で脈打つものが、自分を欲しがっているのだと思うと、怖さの奥から別の熱が湧いてきた。一週間、我慢していたのは、自分だけではなかったのだ。

桐生はベッドサイドの引き出しから、小さな包みを取り出した。避妊具だった。初めてなら、なおさらだ、と言って、慣れた手つきで封を切る。遥は、自分のために用意されていたそれを見て、胸の奥が少し温かくなった。この人は、最初からここまで考えていた。

薄い膜が、硬いものの上に被せられていった。根元まで下ろされると、桐生は遥の膝の間に身体を入れた。遥の脚が、自然に開いた。もう、閉じようとは思わなかった。焦らされ続けた入口が、空気に触れてひくついていた。

桐生のものの先端が、入口に当てられた。指とはまるで違う感触だった。丸くて、硬くて、熱い。指なら少しずつ沈んでいくのに、これは入口全体を押し広げようとしている。遥は思わず息を止め、シーツを握りしめた。

けれど、桐生はそこで動きを止めた。先端を入口に当てたまま、少しも押し込まない。遥は目を開けて、桐生を見上げた。桐生は遥の顔を見下ろしていた。最後にもう一度聞く、と彼は言った。いいのか。今なら、まだやめられる。

当てられたままの先端から、熱が入口に伝わってきた。遥の中が、それを迎え入れようと勝手に緩んでいく。濡れた入口が、先端にまとわりつくように吸いついた。身体の答えは、もう決まっていた。あとは、自分の口で言うだけだった。

一週間前、部長室でお願いをしたときのことを思い出した。取引はしないと言ってくれた人。箱を開けてしまったことを、自分の落ち度だと謝った人。その人に、二十七年間、誰にも渡せなかったものを渡す。遥は、そのことを少しも怖いと思わなくなっていた。

遥は桐生の首に腕を回した。自分のほうへ引き寄せ、額と額を合わせる。近くで見る桐生の目が、ほんの少しだけ揺れていた。この人も、緊張しているのだと分かった。遥は、それが嬉しかった。

遥は桐生の目を見たまま、はっきりと口を開いた。言葉は、今度は少しも喉に絡まらなかった。

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