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【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.7(自分で当てる先端)
次の土曜も、その次の土曜も、遥は桐生の部屋で練習を重ねた。上に跨り、擦りつけ、自分の速さでイく。そのあとで、桐生の指が二本、三本と中をほぐしていく。三週目には、三本の指がほとんど抵抗なく根元まで入るようになっていた。
会社では、何も変わらなかった。月曜の朝には週報を出し、水曜には企画会議に出て、金曜の夕方には桐生に、お疲れさまでした、と頭を下げる。誰も、二人のあいだに何かがあるとは思っていなかった。遥自身でさえ、平日の昼間は、土曜の夜のことが夢だったような気がした。
四週目の土曜、遥は寝室に入るなり、自分から服を脱いだ。桐生が少し驚いた顔をした。遥は、今日は当ててみます、と言った。声は少し震えていたけれど、目は逸らさなかった。桐生は頷き、ベッドサイドの引き出しを開けた。
小さな包みを取り出し、封を切る。避妊具だった。今日は、これを付けたまま練習する、と桐生が言った。当てるだけでも、念のためだ。遥は、桐生が薄い膜を自分のものに被せていく手つきを見ていた。根元までぴたりと覆われると、それは少しだけ艶を帯びて見えた。
桐生がいつものように仰向けになり、遥は桐生の腰を跨いだ。三週間で、この姿勢にはずいぶん慣れた。膝の位置も、手をつく場所も、身体が覚えている。けれど今夜は、いつもと違うことをする。そう思うと、膝が小さく震えた。
いつものように、まず腰を下ろして、入口を幹の上に重ねた。前後に滑らせる。濡れはすぐに溢れてきた。薄い膜越しでも、熱はちゃんと伝わってきた。何度か往復するうちに、膝の震えが少しずつ収まっていった。身体が、いつもの流れを思い出していた。
先端の段差が突起を擦るたびに、遥の腰の奥で、いつもの熱が膨らんでいった。このまま擦り続ければ、いつものようにイける。その道筋は、もう分かっていた。けれど今夜は、そこへ向かう前に、もう一つ越えなければならない場所があった。
遥は腰の動きを止めた。それから、片手を桐生の胸から離し、自分の脚の間へ伸ばした。指先が、幹に触れる。膜に覆われた、硬くて熱いもの。遥は指を回して、それを包んだ。桐生が小さく息を詰めたのが分かった。
手のひらの中で、それがどくんと跳ねた。三週間、何度も脚の間で感じてきたものなのに、手で握ると、まるで初めて触れるもののようだった。思っていたよりも太い。指で輪を作っても、親指と中指がぎりぎり届くかどうかだった。
「……持ち上げます、ね」
遥は膝立ちになって腰を浮かせ、握った幹を少しだけ起こした。先端が、上を向く。それを、自分の脚の間へ導いていく。どこに当てればいいのかは、もう知っていた。三週間、何度も擦りつけて、何度も引っかかりかけた場所。
先端が、入口に触れた。遥は息を止めた。いつもは、ここで腰を前へ滑らせて逃がしていた。今夜は逃がさない。先端を入口の真ん中に合わせたまま、手で支えて、そこに留めた。丸く硬いものが、柔らかな入口に押し当てられている。
「当たってます……ここ、ですよね」
そこだ、と桐生が言った。声が、いつもより低く掠れていた。遥は自分の脚の間を見下ろした。自分の手が、上司のものを握り、自分の入口に当てている。こんな光景を、一か月前の自分は想像もしなかった。部長室で箱を見せられた、あの日の自分は。
遥は、ほんの少しだけ腰を沈めた。先端が、入口を押した。指三本ぶんに慣らされた入口が、じわりと広がり始める。けれど、指とは形が違った。先端の丸みが、入口全体を一度に押し広げようとする。反射的に、遥の腰が逃げた。
もう一度、と遥は自分に言い聞かせた。息を吐き、さっきよりもゆっくりと腰を下ろす。入口が、また広がる。今度は浮かせなかった。じわじわと押し広げられる熱さに耐えて、腰を沈め続けた。先端の一番太いところが、入口の輪に差しかかった。
ここが、いちばんきつかった。入口が限界まで引き伸ばされ、ちりちりと焼けるような感覚がした。遥は唇を噛み、桐生の胸についた手に体重をかけた。桐生は動かなかった。ただ、遥の太ももに添えた手のひらが、汗で湿っていくのが分かった。
息を吐いた瞬間、入口の輪が先端の太いところをくぐり抜けた。つるり、と先端が中へ沈んだ。あ、と遥は小さく声を上げた。入った。先端だけ、ほんの少しだけ。それでも、指とはまるで違う質量が、入口のすぐ内側に収まっていた。
遥はそこで止まった。止まったまま、息を整えた。先端だけを呑み込んだ入口が、ひくひくと動いて、それを締めつけている。痛みは、思っていたよりも小さかった。三週間の練習が、ちゃんと身体に残っていた。代わりに、熱さと圧迫感が、入口から下腹へ広がっていた。
桐生が、遥の顔を見上げていた。額に汗が浮かんでいた。苦しそうにも見えた。動かずに耐えているのだと、遥には分かった。遥の中に先端だけを沈められたまま、突き上げたいのを、ずっと堪えている。
この人も、ずっと我慢してきたのだと遥は思った。三週間、毎週土曜に、遥が上で腰を振るのを見ながら、一度も入れようとはしなかった。遥が自分で決めるのを、ただ待っていた。その我慢に、今、遥は応えようとしていた。
大丈夫か、と桐生が掠れた声で聞いた。遥は頷いた。今夜はここまでにするか、と次に聞かれた。三週間、毎回聞かれてきた問いだった。遥はいつも、はい、と答えてきた。今夜は、すぐには答えなかった。
先端の少し奥に、まだ誰も通っていない場所がある。指で何度も確かめられた、あの場所。そこまで、あと数センチ。自分の腰を、もう少し沈めるだけでいい。誰かに押し込まれるのではなく、自分の重さで。遥は、桐生の胸の上で、指をぎゅっと握った。
遥は先端を呑み込んだまま、桐生の目を見下ろした。自分で迎えにいくと決めたのは、四週間前の自分だった。その約束を、今夜、自分で果たす。迷いは、もう胸のどこにも残っていなかった。
「……このまま、自分で沈めます」
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