【処女喪失・羞恥】会社のパソコンの閲覧履歴を見られた、うぶなOL・遥:vol.2(サーバー室の告白)

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【処女喪失・羞恥】会社のパソコンの閲覧履歴を見られた、うぶなOL・遥:vol.2(サーバー室の告白)

その言葉を口にしたのは、情報システム課の奥にあるサーバー室だった。ガラスの扉は社員証をかざさないと開かず、中には黒い機械の棚が並んでいる。ファンの低い唸りが途切れることなく続き、空気は真冬のように冷たかった。話をするならここがいい、と久住が選んだ部屋だった。

遥は機械の棚の前に立ち、両手を胸の前で握りしめていた。久住は扉の横の小さな机に腰をあずけ、遥の言葉を待っている。何を言いに来たのか、遥は自分でも半分しか分かっていなかった。分かっている半分を、どうにか言葉にした。

「キスも、したことないんです。一度も」

恋人がいたことはない。誘われたこともほとんどない。だから、あのサイトに書いてあることが、本当なのかどうかも分からない。男の人の指がどう動くのか。どこを触られると、どんな声が出るのか。全部、文字でしか知らない。

一言ごとに、頬の熱が上がっていった。久住は黙って聞いていた。遥が言葉に詰まっても、急かさなかった。ファンの音だけが、二人のあいだを埋めていた。やがて遥は、いちばん言いにくいことを、俯いたまま口にした。

本当かどうか、久住さんに教えてほしい。言い終えてから、遥は自分の言葉の意味に気づいて、身体ごと消えてしまいたくなった。けれど、取り消そうとは思わなかった。昨日の夜から、ずっと胸の中にあった言葉だった。

久住は長いあいだ黙っていた。それから、机から腰を上げた。僕は三十八です、と静かに言った。あなたより十四も上だ。それでも、と言いかけて、久住は遥の顔を見た。遥は、まっすぐ見返した。逸らさなかった。

久住は小さく息を吐き、条件を三つ出した。少しでも嫌だと思ったら、その場で口にすること。言われたら、どこであっても必ずやめる。履歴のことは、もう関係ない。それから、会社では今までどおり、ただの経理と情報システムでいること。

「……はい。約束します」

冷房の風で、遥の腕に鳥肌が立っていた。久住は自分のカーディガンを脱ぎ、遥の肩にかけた。まだ体温が残っていた。その両肩に手を置いたまま、久住が顔を寄せてくる。遥は目を閉じた。

唇に、柔らかいものがそっと触れた。ほんの一瞬だった。目を開けると、久住がすぐ近くで遥を見ていた。眼鏡の奥の目が、少しだけ揺れていた。嫌じゃなかったですか、と聞かれる。遥は首を横に振った。

小説では、初めてのキスは甘い味がすると書いてあった。本当は、何の味もしなかった。ただ、思っていたよりずっと柔らかくて、温かかった。もう一回、と遥は言った。言ってから、自分の大胆さに驚いた。

久住は少し笑って、今度はゆっくりと唇を重ねた。軽く吸われ、離れ、また重なる。こわばっていた肩が、すとんと落ちた。気がつくと、久住のシャツの胸元を両手で掴んでいた。冷たい部屋の中で、触れているところだけが熱かった。

唇が離れたとき、遥の息は上がっていた。脚の間が、はっきりと湿っているのが分かった。キスだけで、こんなふうになる。それは、どの小説にも書いていなかった。久住は遥の髪を一度だけ撫で、それで、何から確かめたいですか、と聞いた。

▶ 別の道へ飛ぶなら
→ 「触って、確かめてください」
(このまま読み進めてもOK)

久住は、遥のスマホを受け取った。画面には、あのサイトの、栞を挟んだページが開かれている。遥がいちばん何度も読み返した場面だった。サーバー室の隅には、作業用の椅子が一脚だけあった。遥はそこに座らされ、久住はガラスの扉に背中をあずけて立った。

触らない、と久住は言った。読むだけです。あなたは、好きにしていい。その言葉の意味が分かった瞬間、遥の顔がかっと熱くなった。一人で、するということだ。この人の目の前で。この人の声を聞きながら。

久住が、低い声で読み始めた。男が、女の人のブラウスのボタンを一つずつ外していく場面だった。昨日の夜、頭の中で響かせた声と、同じだった。いや、想像よりずっと低くて、ずっと近かった。ファンの唸りの中で、その声だけがはっきりと耳に届いた。

「……っ、そこ、読まないで……」

思わず言うと、久住は顔を上げた。やめますか、と聞かれる。遥は首を振った。やめてほしいわけではなかった。ただ、恥ずかしくて、何か言わずにはいられなかった。久住はまた画面に目を落とし、続きを読んだ。

男の指が、女の人の太ももを撫で上げていく。久住の声がその一行を読んだとき、遥の手は、自分のスカートの上に置かれていた。布越しに、太ももの内側をなぞる。読まれているとおりに。そう気づいて、遥は唇を噛んだ。

スカートの裾をたくし上げ、下着の上から指を当てた。もう、ぐっしょりと湿っていた。久住の声が、男の台詞を読む。濡れてるね、と。遥の指の下で、本当にそうだった。小説の中の女の人と、今の自分が、ぴたりと重なった。

久住は、画面から目を上げなかった。見ないでいてくれている。そう分かると、少しだけ大胆になれた。遥は下着の脇から指を滑り込ませ、直接触れた。ぬるりと滑る。小さな突起を探り当て、ゆっくりと円を描いた。

「ん……あ……久住さん、もっと、読んで」

自分の口から出た言葉に、遥自身が驚いた。久住の声が、一瞬だけ止まった。それから、さっきより少し掠れた声で、続きを読み始めた。男の舌が、女の人の脚の間に触れる場面だった。遥の指が、速くなった。

頭の中で、文字と声と指が一つになっていく。読まれている言葉のとおりに、身体が動いてしまう。舐められる、と久住の声が読む。遥の腰が椅子の上で跳ねた。誰にも舐められたことなどないのに、その感覚を、身体が勝手に探していた。

久住の声が、女の人が達する場面に差しかかった。遥は息を止めた。待っていたわけではなかった。けれど、その一行が読まれた瞬間、遥の身体の奥で何かが弾けた。椅子の背もたれに頭を押しつけ、遥は声を上げて達した。

ファンの唸りが、遥の荒い息をかき消していた。指を抜き、スカートを直そうとして、手が震えてうまくいかなかった。久住は画面を消して、遥の前にしゃがみ込んだ。顔は見ないようにしてくれていた。ハンカチを差し出す手だけが見えた。

「……ごめんなさい、こんなところで」

謝らなくていい、と久住は言った。それから、少しだけ目を上げた。眼鏡の奥の目が、さっきまでとは違う色をしていた。読んでいるあいだ、ずっと我慢していたのだと遥は分かった。恥ずかしさより、もっと知りたい気持ちのほうが大きくなっていた。

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