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【騎乗位】自分で腰を沈めるしかない遥:vol.3(見つけてしまった場所)
入口に当てたまま、遥はすぐには腰を落とさなかった。落とせば、また痛みが来る。翔太のときに身体を固まらせた、あの鋭い痛みだ。それが分かっているからこそ、遥は先端を当てたまま、しばらく動けずにいた。胸の上の数字が、少しずつ減っていく。けれど、止まっているわけではなかった。遥の腰は、入口に先端を当てたまま、ほんのわずかに前後に揺れていた。止まらないための、ぎりぎりの動きだった。その小さな揺れが、思いがけないものを連れてくることになるとは、遥はまだ知らなかった。
先端を当てたまま、遥はすぐには沈めなかった。代わりに、入口の浅いところで腰を小さく前後に揺らした。男のものの丸みが、濡れた襞のあいだを行き来する。押し込まれていないから、痛みはまだない。滑るたびに、熱い先端が入口の上のほうにある小さな突起をかすめていった。そのたびに膝の内側から力が抜けて、遥は思わず男の胸に手をつきそうになった。
「時間がないぞ」と堂島が言った。三分を切っている。分かっている、と遥は心の中で答えながら、それでも腰の揺れを止められなかった。入口を擦るたびに、そこから下腹へ、甘い痺れが広がっていく。翔太とのときは、この段階まで来る前に、怖さで全身が固まっていた。今は誰にも急かされず、自分の速さで擦っている。それだけで、身体の反応がまるで違った。
入口の浅いところを擦るたびに、濡れた音がかすかに立った。自分の身体がこんな音を立てるのだと、遥は初めて知った。男の先端は、遥が腰を動かすたびに、襞の上のほうにある小さな突起を押し上げては離れていく。そこを通るたびに、腰の奥から熱い波が一度だけせり上がり、すぐに引いていく。引いたあとの物足りなさが、また次の往復を呼んでいた。
ほんの少しだけ、体重を預けてみた。先端の丸みが、狭い入口を押し広げて半分ほど沈む。鋭い痛みが走り、遥は息を止めた。けれど、そこで止まって浅く揺らすと、痛みの奥に、さっき擦れていたのと同じ甘い痺れが混じった。遥は痛みと痺れの境目を探すように、ほんの数ミリずつ沈めては止め、揺らしてはまた沈めた。いつのまにか、胸の上の数字を見なくなっていた。
先端がすっかり中に収まったとき、遥の口から短い息が漏れた。狭い肉の輪が男の段差を締めつけ、その形をはっきりと伝えてくる。痛い。けれど、その痛みのすぐ裏側に、擦れるたびに疼く場所がある。入口から少し入った、お腹側の壁だった。男の先端がそこをなぞると、腰の奥が勝手に縮んで、また蜜が溢れ出し、男のものを伝って根元へ流れていった。
怖さが消えたわけではなかった。それでも、怖さと同じ場所に、もっと知りたいという気持ちが確かに生まれていた。翔太のときは、痛みの手前で身体が固まってしまい、その先に何があるのかを知る前に、すべてが終わっていた。今は違う。止めたいときに止められ、進みたいときに進める。その自由が、遥の身体を少しずつほどいていった。
「……なに、これ」思わず漏れた声に、遥自身が驚いた。堂島は答えず、濁った目を細めただけだった。遥はもう一度、同じ場所に先端が当たるように腰の角度を変えた。当たる。疼く。もう一度。身体が勝手に正解を覚えていく。止まれば終わるという約束のことは、頭の隅に追いやられていた。止まる理由が、どこにも見当たらなかった。
半分まで沈めたところで、遥の腰は自然に止まった。それ以上沈めるには、まだ少し怖さが残っていた。けれど、腰そのものは止まらなかった。半分を呑み込んだまま、膝を支点にして、前へ、後ろへと小さく揺れ続ける。誰に命じられたわけでもない。揺れるたびに中の壁が擦れ、甘い痺れが下腹に溜まっていく。それが心地よくて、遥の腰はますます細かく揺れた。
半分まで沈めたところで、遥は自分の脚の間を見下ろした。浅黒い幹の半分が自分の中に消え、残りの半分が濡れて光りながら、まだ外に残っている。その境目で、自分の薄い襞が男の太さに押し広げられ、白く張りつめていた。こんなに細い場所に、こんなに太いものが入っている。その光景を見たとたん、中の壁がまた勝手に縮んで、男のものを締めつけた。
廊下で、トイレの水を流す音がした。遥ははっとして身体を固くしたが、腰の揺れは止まらなかった。止めようとしても、膝の内側が勝手に動いてしまう。扉の向こうの足音が遠ざかるまで、遥は唇を噛んだまま、半分だけ男を咥えこんだ腰を揺らし続けた。恥ずかしさで顔が燃えるように熱いのに、その熱さが、また下腹の疼きを強くした。
「さっきまで、怖がってたんじゃなかったのか」と、堂島が低く言った。からかう調子ではなく、ただ事実を述べるような声だった。遥は答えられなかった。自分でも分からなかった。痛みはまだある。それなのに、このまま浅いところで揺れているだけでは物足りないと、身体のほうが訴えている。もっと奥で、この擦れる感覚を確かめたいと思っている自分がいた。
堂島の言葉は、遥の胸の奥に重く沈んだ。怖がっていたはずの自分が、今は男の上で、自分から腰を揺らしている。それを言葉にされると、恥ずかしさで全身が熱くなった。けれど、否定することはできなかった。腰は止まらないし、中の疼きは強くなる一方だった。遥は男の目を避けるように顔を伏せ、伏せたまま、また腰を前へ滑らせた。
一分を切った、と堂島が告げた。遥は男の胸に両手をつき、自分の脚の間を見下ろした。まだ半分、男の幹が外に残っている。あれをすべて、自分の腰で呑み込む。そう考えただけで、中の壁が強く縮んで、男のものを締めつけた。遥は膝の力を少しずつ抜き始めた。根元まで、もうあと少しだった。その手前で、遥は一度だけ深く息を吸った。
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