【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.3(初めて人の手で)

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【処女喪失】弱みを知られた上司に、二十七歳の初めてを教わる遥:vol.3(初めて人の手で)

土曜の夜七時、遥は桐生のマンションの前に立っていた。送られてきた住所は、会社から二駅離れた静かな住宅街だった。オートロックの番号を押す指が、三度目でようやく正しい数字を押した。どうぞ、という声とともに、ガラスの扉が開いた。

部屋は、想像していたよりも物が少なかった。白い壁に、低い本棚と、灰色のソファ。窓の外には、隣の公園の木々が黒く揺れていた。桐生は会社とは違う、柔らかい生地のシャツを着ていた。それだけで、知らない男の人の部屋に来たような気がした。

何か飲むか、と聞かれ、遥は首を振った。喉は渇いていたけれど、何かを口にしたら、そのまま言葉まで飲み込んでしまいそうだった。シャワーを使うか、と次に聞かれた。家で浴びてきました、と答えてから、遥は自分の答えの意味に気づいて、耳まで赤くなった。

桐生は少し笑った。職場では一度も見せたことのない笑い方だった。それから真顔に戻り、昨夜の条件は覚えているか、と聞いた。遥は頷いた。やめてと言えばやめる。月曜には上司と部下。今日も、最後まではしない。桐生は、それでいい、と言って寝室のドアを開けた。

寝室には、大きなベッドと、壁際の姿見が一つあるだけだった。間接照明が、天井を淡く照らしていた。桐生はベッドの端に腰を下ろし、遥を自分の前に立たせた。ブラウスのボタンに手がかかる。外していいか、と一つずつ聞かれた。

一つ目のボタンが外れると、鎖骨に部屋の空気が触れた。二つ目、三つ目。桐生の指はゆっくりで、遥が息を整えるのを待っていた。すべて外れると、ブラウスが肩から滑り落ちた。遥は下着姿で、上司の前に立っていた。

スカートのホックが外され、布が足元に落ちた。淡い水色の下着の上下。この日のために選んだものだと、気づかれただろうか。桐生は何も言わず、遥の腰に両手を添えて、ベッドの上へ導いた。遥は仰向けに横たわり、天井の明かりを見上げた。

桐生の手が、遥の膝に触れた。膝の内側から、太ももの内側へ。昨夜と同じ道順なのに、今夜は布が一枚少ない。指の腹が、直接肌の上を這っていく。遥の脚が小さく震えた。くすぐったさと、それとは違う何かが、皮膚の下で混ざり合っていた。

指が、下着のふちに触れて止まった。ここから先は、まだ下着の上からだ、と桐生は言った。指先が布の上から、脚の付け根の中心をそっと押した。遥は息を止めた。昨夜、スカート越しに知られた場所。そこが今、薄い布一枚だけを隔てて、上司の指に触れられている。

「ん……っ」

桐生の指が、布の上で小さな円を描き始めた。ゆっくりと、同じ場所を何度も。最初は、くすぐったいだけだった。けれど、十回、二十回と繰り返されるうちに、円の中心から熱がにじみ出してきた。遥は自分の内側が、じわじわと緩んでいくのを感じた。

布が、湿っていくのが分かった。指が動くたびに、布地が肌に貼りついていく。桐生の指の下で、水色の下着の色が少しずつ濃くなっていくのが、見なくても分かった。遥は両手でシーツを握りしめた。止めて、と言えば止まる。分かっていて、言えなかった。

一人でするときは、こんなふうにはならなかった。自分の指では、どこをどう触ればいいのか分からない。触っても、途中で怖くなってやめてしまう。それなのに、他人の指は、遥が知らなかった場所を、遥が知らなかった速さで探り当てていく。

ここが、いちばん感じるところだ、と桐生が言った。円を描く指が、少しだけ上にずれた。布越しに、小さな突起の形をなぞられる。遥の腰が勝手に浮いた。腰を下ろそうとしても、指が離れないので、どこにも逃げられなかった。

濡れていく音が、かすかに聞こえ始めた。布の上からなのに、指が動くたびに湿った音が鳴る。遥は顔を横に向け、枕に頬を押しつけた。こんな音を、自分の身体が立てている。上司に聞かれている。恥ずかしさで頭がいっぱいなのに、指の下の熱は少しも引かなかった。

桐生の指が、下着のふちに引っかかった。中に入れていいか、と彼は聞いた。入口に触れるだけだ。奥には入れない。遥は枕に頬を押しつけたまま、こくりと頷いた。布がわずかに横へずらされ、指先が、直接そこに触れた。

ぬるり、と指が滑った。桐生が小さく息を呑んだのが分かった。こんなに、と彼は呟いた。遥は返事ができなかった。直接触れられた場所から、熱いものが溢れ出しているのが自分でも分かった。指先が、溢れたものをすくい上げるように、入口の縁をなぞっていく。

指が入口の真ん中に当てられ、そっと押された。ほんの少し、爪の先ほどだけ、沈む。そこで、固いものに押し返される感触があった。遥の全身が強張った。痛みではなかった。けれど、身体の奥の扉が、反射的に閉じようとしていた。

桐生は指をそれ以上進めなかった。入口に当てたまま、動かさずに待っていた。固いな、と彼は静かに言った。本当に初めてなんだな。責める声ではなかった。むしろ、大切なものを確かめたような声だった。遥の目の奥が、なぜか熱くなった。

「……ごめんなさい。怖くて、勝手に」

謝ることはない、と桐生は言った。今日は、ここが開くのを待つ日じゃない。ここが、人に触られるのを覚える日だ。指が入口から離れ、また上の突起へと戻っていった。濡れた指で、今度は直接、ゆっくりと撫でられる。遥の身体から、強張りが少しずつほどけていった。

「あ、あ……っ、そこ……」

撫でられているうちに、身体の奥で何かがせり上がってきた。一人のときに、何度か手前まで来て、怖くなって止めてしまった感覚だった。今は、止めようにも、指は遥のものではなかった。遥は桐生の腕にしがみつき、その波が来るのを待った。

けれど、桐生の指は、波の手前でふっと離れた。遥は、思わず目を開けた。桐生が遥を見下ろしていた。この先をどう教わりたいか、君が決めろ、と彼は言った。ゆっくり一つずつか。それとも、俺のやり方で、遠慮なしか。どちらでも、やめたくなったら言えばいい。

遥は濡れた脚の間を意識しながら、天井を見上げた。どちらを選んでも、もう昨日までの自分には戻れない気がした。けれど、戻りたいとは、少しも思わなかった。遥は乱れた息のまま、唇を開いた。

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