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【透明人間】見えない上司に襲われる夜:vol.2(見えない手)
壁に押し付けられていた両手首から、不意に圧力が消えた。
解放されたと錯覚して床に崩れ落ちそうになった遥の身体は、しかし、次の瞬間には背後から恐ろしい腕力で乱暴に引きずり倒されていた。
悲鳴を上げる間もなかった。
足が床からふわりと浮き、カーペットの上を引きずられ、そのまま自分のオフィスの机の上にうつ伏せに激しく叩きつけられる。
ガシャン、と硬い音がして、積まれていた書類やペン立てが床に散らばった。
みぞおちを強打し、肺から空気がすべて吐き出される。
呼吸の仕方を忘れたように口をパクパクと開閉させる遥の背中に、ずしりとした、ひどく生温かい大人の男ひとり分の重い肉の塊がのしかかってきた。
「ヒヒッ……痛かったか? 幽霊か何かだと思って、本気でビビってたみたいだな」
涙目で咽せる遥の耳元で、ねっとりとした、下品に笑う中年男の声がした。
それは、夕方に「あとは頼むよ」と上機嫌で帰っていったはずの直属の上司、ひろし課長の声だった。
姿は見えない。しかし、遥の背中に馬乗りになっているこの重さも、耳元に吹きかかるタバコ臭い荒い呼吸も、すべてが生身の男のそれである。
「……か、ちょう……?」
恐怖で掠れた声が、ひゅっ、と喉から漏れる。
見えない男は、散乱する机の上で暴れようとする彼女の腕を、強引に背中側へねじり上げた。
関節が悲鳴を上げる角度まで引き上げられ、手首を太く無骨な指が容赦なく束ねる。
そして、どこからか取り出したネクタイのような布を使って、遥の手首を背中でぐるぐると厳重に縛り上げはじめた。
「ヒヒッ、ご名答。透明人間になった俺だよ。いつもいつも、俺のことを見下しやがって。今日はお前のそのすました顔を、涙とよだれでかき混ぜられるようにしてやるからな」
皮膚が擦り切れるほどきつく結び目が締め上げられる。
完全に自由を奪われ、冷たいスチールの机の上にうつ伏せで張り付けられた状態になった。
怖い。震えが止まらない。
背中にのしかかる見えない重みも、そして何より、遥の臀部の割れ目に押し付けられている、熱く硬く膨張した肉の棒の感触も、すべてが生々しい現実だった。
「まずは、この堅苦しいスーツをなんとかしねぇとなぁ。毎日毎日、このスカートの下はどうなってるのか気になってたんだよ」
見えない太い手が、遥のタイトスカートの裾を無造作に掴んだ。
抵抗する間もなく、スカートが腰の上まで乱暴にまくり上げられる。
冷房の効いたオフィスの冷たい空気が、ストッキングに包まれた太ももから臀部にかけての無防備な肌を舐め上げた。
「……いやっ……やめて……っ」
恐怖のあまり声帯が引きつる。
ストッキングの腰のゴムに、太い指が引っ掛けられた。じりじりと、引き下げられる。
膝を閉じて抵抗しようとするが、見えない男の太い脚が遥の膝の間に強引に割り込み、股を大きく開かせる。
薄いナイロン生地が鋭く裂ける音がフロアに響き、ストッキングが膝下まで引き裂かれて丸められた。
これで、遥の下半身を隠すものは、薄い純白のショーツ一枚だけになってしまった。
「ヒヒッ……真っ白なパンツじゃねぇか。新入社員らしくてそそるぜ」
冷たい空気にさらされた白い布のふくらみを、見えない手がゆっくりとなぞる。
お尻の柔らかな肉を大きな掌で鷲掴みにし、ざらざらとした指の腹で割れ目の形を確かめるようにねっとりと撫で回す。
下着越しとはいえ、男性の無骨な手に直接触れられたことなどない処女の身体が、びくりと大きく跳ねた。
怖い。気持ち悪い。
そう思っているのに、強い摩擦と物理的な刺激によって、血流が局所に集まり始めるのを嫌でも感じる。
見えない指が、ショーツのクロッチ部分——もっとも敏感な秘部を覆う布の中心に、ずしりと重く沈み込んだ。
「……っっあぁっ!」
布の向こう側にある、まだ誰にも開かれたことのない柔らかな粘膜の溝。
そこを、中年男の太い指の腹が、布の上から容赦なくこすり上げる。
上下に、正確に、粘着質なリズムで。
「どうした? 俺の顔を見てる時はあんなに冷たいのに、ここはすげぇ熱いじゃねぇか。もしかして、触られて感じてんのか?」
息が浅くなる。
冷たい机の天板に押し付けられた頬に、じわりと悔しさと恐怖の涙が滲む。
羞恥でパニックになっているのに、足の付け根の奥の方から、じんと痺れるような熱が湧き上がってくる。
未熟な神経が、強制的な快感の入力にエラーを起こしているようだった。
見えない指先が、ショーツの縁を引っかけ、そのまま太ももの付け根へとずらした。
あらわになった、薄ピンク色の無防備な粘膜。
そこに、大嫌いな上司の生温かい太い指が直接、べちゃりと触れた。
太い指は、閉じたままの花びらを強引に左右に押し開き、その中にある柔らかなヒダを容赦なくこすり上げる。
「……っ……やだぁっ……さわらっ……!」
擦れるたびに、肉と粘液が混ざり合う卑猥な水音が鳴る。
恐怖のあまり冷や汗をかいているのに、身体は物理的な刺激に対して防衛反応のように愛液を分泌し始めていた。
自分が大嫌いな男の手で濡らされてしまっているという事実が、遥の羞恥心を限界まで追い詰める。
「ヒヒッ! すげぇ汁だ! パンツずらしただけで、もうひどく濡れてるじゃねぇか!」
指が、入り口の上にある小さな蕾を見つけ出した。
硬く、無骨な指先が、その敏感な突起をピンポイントで弾く。
脳髄の芯を直接針で突かれたような、鋭い電流が全身を駆け抜けた。
机の上で、縛られた身体が魚のように大きく跳ねる。
経験したことのない強烈な刺激。痛みに近いほどの鋭い感覚が、波のように押し寄せてくる。
見えない男は、遥の反応を面白がるように、その突起を親指と人差し指で挟み込み、ぐりぐりと執拗に捻り潰した。
静まり返ったオフィスに、肉と肉が擦れ合い、粘液がかき混ぜられる生々しい音だけが響き渡る。
恐怖で震えながらも、遥の身体は自分の意思とは無関係に、腰が微かに揺れる。
刺激から逃れようと身をよじっているつもりなのに、それは傍から見れば、指に自ら股を擦り付けて快感をねだっているようにしか見えない動きだった。
熱い。下半身が、どろりと溶けてしまいそうに熱い。
絶望的な夜は、まだ始まったばかりだった。
机の縁がみぞおちへ食い込み、浅い呼吸をするたびに鈍い痛みが広がった。背中で束ねられた手首は布の結び目に擦られ、指先へ流れる血が細くなったように痺れている。遥は肩をひねって重みから逃れようとしたが、見えない膝が太ももの裏を押さえ、ほんの数センチの動きさえ奪った。
床へ散った書類の一枚が、空調の風に押されてゆっくり滑っていく。すぐそばには倒れたスマートフォンがあり、黒い画面に蛍光灯だけが映っていた。手を伸ばせば届きそうな距離なのに、縛られた腕は背中から動かない。その近さが、助けの遠さをいっそう残酷に見せた。
「……お願い……放してください……」
掠れた懇願に返ったのは、耳元へ近づく湿った呼気だった。男は答える代わりに、腰の上へ体重を預け直した。天板が小さく軋み、冷たい金属面へ頬がさらに押しつけられる。遥は唇を噛み、喉から漏れそうになる声を押し殺した。
しかし、刺激を拒もうと全身を固くするほど、力の逃げ場を失った蕾には指先の圧が集中した。粘膜を覆う愛液は恐怖とは無関係に増え、皮膚の表面へ薄い膜をつくる。その生理反応まで観察されている事実が、身体の痛みとは別の屈辱となって胸を圧迫した。
男の指が止まると、静けさが戻った。けれど解放ではない。次に何をされるのか分からない空白が、触れられている時間より長く感じられる。遥は机に伏せたまま息を整えようとしたが、背後で位置を変える気配がして、新しい侵害が始まる予兆だけがはっきりと伝わった。
ここまで読んでくれてありがとう
選択を変えれば、結末は変わります。
別のルートを試すか、他の物語へ。



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