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【処女喪失・撮影】嫌と言えない遥が、カタログ撮影の代役で初めてを撮られる:END(二台のカメラの初めて)
湊は自分のカメラを手に取り、片手で構えた。遥の手には、小さなカメラ。二台のレンズが、同じ場所に向けられた。湊のカメラは少し上から、遥のカメラは遥自身の胸の上から。二つの角度で、繋がる直前の場所を見下ろしていた。
遥の画面には、自分の脚の間と、そこに当てられた先端が映っていた。湊の画面には、きっと遥の全身と、カメラを構える遥の顔が映っている。どちらの映像にも、今夜の遥がいる。そう思うと、脚の間から熱がとろりと溢れた。
湊のカメラは、大きくて重そうだった。それを片手で構えたまま、湊は少しもぶれずに遥を捉えていた。遥の小さなカメラとは、まるで違う。けれど、どちらのレンズも、今は同じ一人の女を見ていた。
「二台とも、録れてますか」
録れている、と湊が言った。赤いランプが、二つ灯っていた。湊はカメラを構えたまま、片手で遥の太ももを押さえた。入れる、と短く言う。遥は自分の画面を見つめたまま、頷いた。
遥の胸が、どきどきと鳴っていた。二つのレンズに見つめられるのは、一つのときよりもずっと逃げ場がなかった。それでも、遥は脚を閉じなかった。閉じたくなかった。今夜の自分を、全部の角度から残しておきたかった。
先端が、入口を押した。遥の画面の中で、襞が丸く押し広げられていく。焼けるような熱さに、遥の画面が揺れた。湊のカメラは揺れなかった。プロの手が、遥の初めての瞬間を、ぶれずに撮っていた。遥はそれが、なぜか心強かった。
入口が、限界まで引き伸ばされていく。遥の画面の中で、白く張り詰めた縁が、先端の太いところを呑み込もうとしていた。焼けるような熱さに、遥は小さく呻いた。湊のレンズが、その呻いた唇に寄ってくる気配がした。
遥のカメラが揺れれば揺れるほど、湊のカメラの静けさが際立った。この人は、遥が怖がっていても、痛がっていても、ぶれずに見ていてくれる。初めての瞬間を、誰かがちゃんと見ていてくれる。そのことが、怖さを少しずつ溶かしていった。
先端が輪をくぐり、とぷりと中へ沈んだ。遥は声を上げ、それでもレンズを下に向け続けた。湊が少しずつ進んでいく。遥の画面の中で、幹が数ミリずつ消えていく。湊の画面の中では、遥がそれを撮っている顔が映っているはずだった。
奥の壁に、先端が当たった。湊が止まり、レンズ越しに遥を見た。遥は自分の画面から目を上げ、湊のレンズをまっすぐに見返した。撮られている。撮っている。その両方の中で、遥ははっきりと頷いた。
頷いた自分の顔も、湊のレンズに残る。遥の画面には、自分の入口と、そこに当てられた先端だけが映っている。二つの画面が、同じ一瞬の、違う半分を撮っていた。遥はその二つが揃うところを想像して、胸がいっぱいになった。
湊の腰が沈んだ。奥で何かが裂けた。遥は叫び、画面が大きく跳ねた。湊のカメラは、その叫ぶ顔を逃さなかった。痛みが引くまで、湊は根元まで沈めたまま動かず、カメラだけを遥の顔に向け続けていた。
「……今の顔、撮れました、か」
撮れた、と湊は答えた。泣いていた。遥は涙の残る目で笑った。遥の画面には、根元まで繋がった場所が映っていた。湊の画面には、泣いて笑う遥の顔。二つを合わせれば、今夜の初めてが、全部になる。
奥に、湊がいた。じんじんと痛む場所の、さらに奥まで、熱いものが届いている。遥は自分のカメラの画面を見下ろした。根元まで繋がった場所の、縁にほんのわずかに滲んだ赤。それも撮れていた。消したいとは、少しも思わなかった。
湊がゆっくりと動き始めた。二台のカメラが、同じ往復を別々の角度から追う。遥の画面の中で幹が出入りし、湊の画面の中で遥の顔が崩れていく。痛みの奥に、甘く重い熱が広がり始めていた。
遥は時々、自分のカメラを湊の顔に向けた。動きながら、遥を撮り続ける湊の顔。唇を引き結び、額から汗が一筋流れていく。遥はそれを撮った。撮られながら、撮る。今夜の二人は、最後まで互いを見ていた。
湊の指が粒をくるくると撫でるたびに、遥の中が湊を締めつけた。その締めつけに、湊の動きがわずかに乱れる。遥の画面の中で、湊の腰が一瞬止まり、また動き出した。自分の身体が、この人を揺らしている。遥はそれを、自分のレンズで見ていた。
湊の指が、遥の画面の中に入ってきた。繋がった場所の少し上を、くるくると撫でる。遥はもう、カメラを構えていられなかった。画面は天井を映し、シーツを映し、また脚の間に戻る。湊のカメラだけが、遥の顔を撮り続けていた。
「湊さん、撮って、全部……っ」
遥は湊のレンズを見つめたまま、腰を跳ねさせてイった。中で湊を何度も締めつけ、手の中の小さなカメラを胸に抱きしめて。湊が呻き、カメラを構えたまま、遥の奥で身を震わせた。二つの赤いランプが、最後まで灯っていた。
しばらくのあいだ、二人とも動かなかった。湊のカメラが、まだ遥の顔を撮っていた。遥も、手の中のカメラを湊に向け直した。汗に濡れた顔で、互いのレンズを見つめ合う。それから同時に、ふっと笑った。録画は、その笑い声まで拾っていた。
湊は二台のカメラからSDカードを抜き、二枚とも遥の手に載せた。片方は遥が撮った初めて。もう片方は、湊が撮った遥。遥はその二枚を重ねて握った。どちらも、自分のものだった。
家に帰ってから、遥は二枚を並べてノートパソコンに差した。片方の映像では、自分が泣いて笑っていた。もう片方では、湊が真剣な目で何かを見つめていた。その視線の先にいたのが自分だと思うと、遥は画面の前で、もう一度顔を赤くした。
翌朝、遥は三上から押しつけられた雑用の山を前にして、半分だけを自分の机に移した。残りは、三上さんの分です、と言って返した。三上は何か言いかけて、黙った。遥の手は、少しも震えていなかった。
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