【処女喪失・撮影】嫌と言えない遥が、カタログ撮影の代役で初めてを撮られる:vol.1(押しつけられた代役)

daiyaku シリーズのアイキャッチ 職場・OL

▶ 名前変換:入力フォームを開く






【処女喪失・撮影】嫌と言えない遥が、カタログ撮影の代役で初めてを撮られる:vol.1(押しつけられた代役)

▶ 選んで結末が変わる物語(全21話・6結末)

月曜の朝十時、撮影スタジオの白い壁の前で、遥は段ボールを抱えて立っていた。新作ランジェリーのカタログ撮影。販促部の二年目として、小物と衣装を運ぶのが今日の仕事だった。運ぶ量が一人だけ多いのは、いつものことだった。

モデルが来ない、と事務所から電話があったのは、照明の準備がすっかり整ったあとだった。先輩の三上が受話器を置き、大げさにため息をついた。今日撮れなかったら、印刷に間に合わない。スタジオの空気が、一気に重くなった。

三上の視線が、遥のほうへ流れてきた。遥ちゃん、サイズ同じでしょ、と三上は笑った。顔は写さないんだし。隣の先輩たちが、くすくすと笑い声を合わせた。冗談の形をしていたが、冗談ではないことは、遥がいちばんよく知っていた。

コピー取り、資料の製本、飲み会の幹事。三上に頼まれて、遥が断ったことは一度もなかった。断り方が、分からなかった。嫌だと言おうとすると、喉の奥が固まって、気づくと、はい、と答えている。入社してから、ずっとそうだった。

断れないのは、職場だけではなかった。実家の母から電話があれば、週末の予定を全部消して帰った。友達に合コンの数合わせを頼まれれば、行きたくなくても行った。自分の気持ちより、相手の顔が曇らないことのほうが、いつも先に来た。

先週も、三上の企画書を夜中までかけて直した。翌朝の会議で、三上はそれを自分の手柄として発表した。遥は会議室の隅で、黙って頷いていた。悔しいとも思わなかった。思わないようにしているうちに、本当に何も感じなくなっていた。

撮影の準備をしているあいだも、遥は何度も三上に呼ばれた。テープを取って、ハンガーを並べて、コーヒーを買ってきて。そのたびに、はい、と答えて走った。湊はその様子を、カメラの調整をしながら黙って見ていた。目が合うと、彼はすぐに視線をレンズへ戻した。

販促部に配属されたとき、遥は少しだけ期待していた。きれいな下着を、きれいに見せる仕事。自分には似合わないと思いながらも、サンプルの棚を眺めるのが好きだった。けれど実際に任されるのは、箱を運ぶことと、先輩の機嫌を取ることばかりだった。

「あの、私なんかで……」

遥ちゃんしかいないじゃん、と三上は言った。それで、話は決まったような空気になった。遥は段ボールを床に下ろし、ハンガーにかかった白いレースのセットを見上げた。薄い生地が、照明を受けて透けていた。

ハンガーの白いレースは、今季いちばん力を入れている新作だった。胸元に小さな花の刺繍が散り、ショーツの前は一枚の薄い生地だけでできている。企画会議で、遥はその試作品を手に取ったことがある。こんなに透けるのを、誰が着るのだろうと思った。その答えが、今日、自分になろうとしていた。

三上は、遥がためらっていることに気づいたらしかった。早くしてよ、と笑いながら言い、腕時計を指で叩いた。スタジオ代、一時間いくらだと思ってるの。先輩の一人が、遥ちゃんなら大丈夫だって、と付け足した。何が大丈夫なのか、誰も説明しなかった。

そのとき、カメラの横から低い声がした。嫌なら、断っていいですよ。今日の撮影を頼んでいる外部のカメラマン、湊だった。三十を少し過ぎたくらいの、物静かな人だった。湊は三上ではなく、遥の顔をまっすぐに見ていた。

断っていい。そんなことを言われたのは、初めてだった。遥は湊の目を見返した。断ったら、三上は怒るだろう。明日から、もっと仕事が増えるだろう。それでも、湊の目は、遥の答えだけを待っていた。

遥は、自分の胸の奥を探った。嫌なのかどうか、自分でもよく分からなかった。恥ずかしい。怖い。けれど、あの薄い生地を自分が着たらどう見えるのか、ほんの少しだけ、知りたい気持ちもあった。誰にも言えない、小さな気持ちだった。

もう一つ、誰にも言えないことがあった。遥は、ひどく濡れやすい体質だった。恋愛ドラマのキスシーンを見ただけで、下着が湿ってしまうことがある。二十三になっても男の人に触れられたことはないのに、身体だけが勝手に反応する。それが、ずっと恥ずかしかった。

着替えるとしたら、どこで着替えるのだろう。皆の前で、カーテン一枚の陰で。それとも、奥の更衣室で一人きりで。そんなことを考えている時点で、もう引き受けるつもりになっている自分に気づいて、遥は小さく唇を噛んだ。

あのレースを着て、照明の下に立ったら。皆に見られたら。考えただけで、脚の間がじわりと熱を持った。遥は慌てて膝を閉じた。三上たちは、もう遥が引き受けるものとして、照明の位置を直し始めていた。

脚の間の熱は、なかなか引かなかった。スカートの下で、下着の布が肌に貼りつく感じがする。まだ着てもいないのに。遥は唇の内側を噛み、気づかれないように浅く息をした。誰かに見られることを想像しただけでこうなる身体を、遥はずっと持て余してきた。

喉の奥が、またいつものように固まりかけた。はい、と言ってしまえば楽になる。けれど今日は、その一言がすぐには出てこなかった。湊の、断っていい、という声が、まだ耳の中に残っていたからだ。どちらを選んでも、それは初めて自分で選ぶことになる気がした。

遥は自分のつま先を見下ろした。くたびれたパンプスの先が、白い背景紙の端を踏んでいた。ここに立つのは、本当はモデルの仕事だ。きれいな人が、きれいな下着を着て、光の中で笑う。自分は、その足元で段ボールを運ぶ側の人間のはずだった。

湊だけが、まだ遥を見ていた。急がなくていい、と彼は言った。やるなら、やり方は選べる。遥はハンガーのレースに手を伸ばした。指先に触れた生地は、思っていたよりもずっと柔らかかった。

白いレースを持ち上げると、照明の熱が透けた布越しに指へ届いた。これが胸と腰だけを覆い、レンズの前へ立つ。その具体的な像が結ばれた途端、遥の呼吸は浅くなった。逃げたい羞恥と、誰かの視線に身体の輪郭をなぞられたい欲求が、同じ場所でせめぎ合った。

スカートの内側では、閉じた腿がわずかに擦れるたび、すでに湿った布が敏感な皮膚へ貼りついた。湊の静かな目にそこまで見抜かれた気がして、遥はレースを握る指へ力を込めた。まだ何も始まっていないのに、身体だけは見られる予感を受け入れ、秘部には隠しきれない熱が集まっていた。

ここまで読んでくれてありがとう

選択を変えれば、結末は変わります。
別のルートを試すか、他の物語へ。

📖 嫌と言えない遥が、カタログ撮影の代役で初めてを撮られるの全ルート↻ 最初から読み直す🏠 他の物語を探す

コメント