【処女喪失・撮影】嫌と言えない遥が、カタログ撮影の代役で初めてを撮られる:vol.2(染みのままのカット)

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【処女喪失・撮影】嫌と言えない遥が、カタログ撮影の代役で初めてを撮られる:vol.2(染みのままのカット)

湊は少しのあいだ黙っていた。それから、見えています、とだけ答えた。ごまかしも、からかいもしない声だった。遥の顔に、一気に血が上った。けれど、不思議と逃げ出したいとは思わなかった。この人は、見たものを見たと言う人なのだと思った。

二人だけのスタジオで、遥は白い背景紙の中央に立っていた。照明は、さっきよりも少しだけ柔らかい色に替えられていた。湊はカメラを手に取り、遥の前に立った。撮るのはやめますか、と彼は聞いた。今日のカタログは、別の日に組み直すこともできる。

「……いえ、大丈夫です」

答えた瞬間、湊の眉がわずかに動いた。今の大丈夫は、どっちですか、と彼は言った。本当に大丈夫なのか。それとも、嫌と言えないときの大丈夫なのか。遥は言葉に詰まった。そんなふうに聞き返されたことは、一度もなかった。

遥は、自分の胸の中を覗き込んだ。いつもの、喉が固まる感じはなかった。代わりにあったのは、さっきレンズに見られていたときの熱だった。恥ずかしい。けれど、その恥ずかしさの奥で、もう一度あのシャッターの音を聞きたいと思っている自分がいた。

「撮って、ほしいです。……このままで」

自分の口から出た言葉に、遥自身が驚いていた。このまま。染みのついた、このままで。湊は遥の目をしばらく見つめ、それから小さく頷いた。分かりました、と言い、カメラを構えた。

カシャ、と最初のシャッターが鳴った。さっきまでとは、音の重さが違って聞こえた。先輩たちに押しつけられた代役ではない。自分で、撮ってほしいと言ったのだ。遥は肩の力を抜き、背景紙の前でゆっくりと息を吐いた。

湊はカメラを下げ、少しずつ遥に近づいてきた。足元から、膝、太もも。レンズの向きが、ゆっくりと上がっていく。そして、脚の付け根のあたりで止まった。白いレースの真ん中に浮かんだ、濃い色の染み。そこに、レンズが向けられていた。

「や……そこ、は……」

やめますか、と湊はまた聞いた。遥は首を振った。シャッターが鳴る。染みが、写真に残される。そう思った瞬間、レースの内側から、またとろりと熱が溢れた。染みが、目に見えて広がっていくのが、自分でも分かった。

湊は何も言わずに、何枚も撮った。寄って、引いて、角度を変えて。シャッターが鳴るたびに、遥の膝が小さく震えた。照明の熱と、脚の間の熱が混ざり合って、どこからが自分の体温なのか分からなくなっていった。

撮られた写真が、どんなふうに写っているのか、遥には分からない。白いレースに、濡れた染み。きっと、隠しようもなくはっきりと写っている。そう思うと、恥ずかしさで頭がくらくらした。それでも、膝を閉じようとは思わなかった。

先週の企画書のことも、三上の笑い声のことも、頭から消えていた。今、ここにあるのは、レンズと、自分の身体だけだった。誰かの代わりではなく、遥自身が撮られている。そのことが、恥ずかしさと同じくらい、胸の奥を熱くした。

廊下の向こうから、笑い声と足音が近づいてきた。三上たちが、昼から戻ってくる。湊はカメラを下ろし、遥にタオルを渡した。この続きは、と湊は言いかけて、言葉を止めた。続きをどうするかは、遥が決めることだと言うように。

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湊は、夜の八時にスタジオを開けておくと言った。来なくてもいい。来たら、仕事ではない写真を撮らせてほしい。午後の撮影は、三上たちが見ている中で、何事もなかったように進んだ。遥は言われたとおりにポーズを取りながら、ずっと時計を気にしていた。

夜八時、遥はスタジオの重い扉を押した。昼間の照明はほとんど落とされ、天井から一灯だけ、柔らかな光が背景紙を照らしていた。その横に、湊が座っていた。来ましたね、と彼は言った。驚いた様子はなかった。

「……来ちゃいました」

湊は立ち上がり、カメラを手に取った。今から撮るのは、僕の作品です、と彼は言った。カタログには使わない。誰にも見せない。撮ったデータは、全部あなたに渡す。それから、最初に一つだけ、頼みがあります。

湊は少しだけ間を置いた。最初の頼みは、断ってください。何を頼んでも、一度だけ、嫌ですと言ってみてください。練習です。遥は戸惑った。嫌です、という言葉を、最後に口にしたのはいつだっただろう。

湊が言った。そのブラウスのまま、床に寝転んでもらえますか。遥は口を開いた。喉が、いつものように固まりかけた。はい、と言いそうになるのを、遥は唇を噛んで止めた。それから、震える声で言った。

「……嫌、です」

湊は、分かりました、とだけ言った。それだけだった。怒らない。ため息もつかない。何も変わらない。遥は、自分の膝ががくがくと震えているのに気づいた。たった三文字が、こんなに怖くて、こんなに軽かった。

入社してから二年、一度も言えなかった言葉だった。三上の前で言えていたら、と遥は思った。けれど、今はそれを考えたくなかった。言えた。この人の前で、ちゃんと言えた。その事実だけを、胸の中で何度も確かめた。

じゃあ、次は本当の頼みです、と湊は言った。昼と同じレースを、着てもらえますか。遥は胸の中を確かめた。嫌ではなかった。今度の、はい、は、喉に引っかからずに出てきた。遥は更衣室で白いレースを身に着け、背景紙の前に立った。

シャッターが鳴った。昼間よりも、ずっとゆっくりとしたリズムだった。湊は一枚撮るごとに、次はどうしたいか、と遥に聞いた。立つか、座るか。こちらを見るか、目を伏せるか。遥は一つずつ、自分で選んだ。選ぶたびに、身体の奥が熱くなっていった。

座った姿勢で何枚か撮ったあと、湊が言った。次は、何でもいい。あなたが撮ってほしいものを。遥は背景紙の上で膝を抱えたまま、しばらく黙っていた。撮ってほしいもの。そんなことを考えたのは、生まれて初めてだった。

遥は、背中に手を回した。ブラのホックに、指がかかる。湊は何も言わなかった。止めもしないし、促しもしない。遥は息を詰め、ホックを外した。肩紐が滑り落ち、白いレースが膝の上に落ちた。照明の下で、胸が初めて誰かの目に晒された。

カシャ、と一度だけシャッターが鳴った。それから、湊はカメラを下ろした。遥の顔を、まっすぐに見ていた。脚の間では、レースのショーツがまた湿り始めていた。遥は胸を隠さずに、湊を見返した。次に何を頼むのかは、もう自分で分かっていた。

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