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【処女喪失・撮影】嫌と言えない遥が、カタログ撮影の代役で初めてを撮られる:vol.6(三脚の前のベッド)
湊はカメラを三脚に載せ、ベッドの全体が入る位置まで少し後ろへ下げた。新しいファイルで、録画を始める。赤いランプが灯った。最初から最後まで、全部撮る、と湊は言った。止めたくなったら、いつでも止める。遥はシーツの上で、小さく頷いた。
三脚の位置が決まるまで、遥はシーツの上で膝を抱えていた。さっき初めて人の手で迎えた波の余韻が、まだ脚の間に残っている。少し動くだけで、濡れたシーツが肌に冷たく貼りついた。それでも、もうどこも隠そうとは思わなかった。
湊が、遥の前で服を脱ぎ始めた。シャツのボタンを外し、袖から腕を抜く。カメラマンの細い身体だと思っていたのに、肩も胸も、思っていたよりずっと厚かった。ベルトが外される金属の音が、静かなスタジオに響いた。
男の人が服を脱ぐところを、こんなに近くで見るのは初めてだった。湊は急ぐでもなく、照れるでもなく、昼間に機材を片づけていたときと同じ手つきで、一枚ずつ脱いだシャツを椅子の背に掛けていった。その落ち着きが、かえって遥の鼓動を速くした。
ズボンと下着が下ろされた。遥の目が、そこに吸い寄せられた。まっすぐに立ち上がり、照明を受けて影を作っている。思わず目を逸らし、それから、もう一度そっと見た。指一本でも固く押し返されたのに。あんなものが、これから自分の奥へ来る。
二十三年間、写真でも映像でも、ちゃんと見たことはなかった。友達の話に相槌を打ちながら、本当は何も知らなかった。今、目の前にあるものが、ずっと想像の中にしかなかったものだった。遥は息をするのも忘れて、それを見つめていた。
あれが、本当に入るのだろうか。指先一本でも押し返された場所に。考えた瞬間、下腹の奥がきゅっと縮んだ。怖さで縮んだのか、それとも別の何かで縮んだのか、遥には分からなかった。分からないまま、脚の間がまたじわりと濡れていった。
「……おっきい、です」
湊は少し困ったように笑った。怖いならやめる、と言った。遥は首を振った。怖い。けれど、やめたくはなかった。遥は自分から手を伸ばし、それに指先で触れた。熱かった。どくん、と脈打つのが指に伝わってきた。
指先に伝わる熱は、思っていたよりもずっと生々しかった。硬いのに、表面の皮膚は驚くほど滑らかだ。遥がそっと指を滑らせると、湊が小さく息を詰めた。自分の指一本で、この人が反応する。そのことに、遥は不思議な驚きを覚えた。
湊はベッドサイドから小さな包みを取り、封を切った。避妊具を被せる手つきを、遥はじっと見ていた。三脚のカメラも、その手元を撮っているはずだった。初めての夜の準備が、記録に残っていく。遥の脚の間が、また熱を持った。
薄いゴムが根元まで伸ばされていくのを、遥は息を詰めて見守った。ちゃんと守られている。そう思うと、胸の奥でこわばっていたものが、少しだけほどけた。湊はそういう人なのだ。撮る前に断る練習をさせ、データを渡すと約束し、最後まで手順を省かない。
湊が遥の膝の間に身体を入れた。遥は白いシーツの上に仰向けになり、脚を開いた。三脚のレンズが、その全部を見下ろしていた。赤いランプの小さな光が、遥の目に映った。昼間、更衣室で鏡に映った染みを思い出した。あのときから、ここに来ることは決まっていたのかもしれない。
膝の内側に、湊の腰骨が触れた。肌と肌が直接触れ合う面積が、急に広くなる。遥の脚は自然に湊の腰を挟む形になり、そのことに自分で驚いた。誰にも教わっていないのに、身体はどうすればいいのかを知っているようだった。
丸い先が、濡れた縁にぴたりと触れた。指とは違う、丸くて硬い熱さ。遥の全身が強張った。湊は動かずに、そこで止まった。遥の顔を見下ろし、最後にもう一度聞いた。本当にいいのか。嫌と言っても、何も変わらない。
遥は、自分の脚がかすかに震えているのに気づいた。寒いのではない。怖いのとも、少し違う。これから自分の身体に起こることを、全身が待ち構えている震えだった。湊の手が、その太ももの内側にそっと置かれた。震えは、少しずつ静まっていった。
遥は、湊の目を見た。それから、三脚のカメラを見た。今日、何度も選んできた。撮ってほしいと言った。残りたいと言った。触ってほしいと言った。全部、自分で選んだ。この最後の一つも、自分の口で選びたかった。
嫌ではなかった。それどころか、身体の奥が、当てられた先端を迎えにいこうとしていた。濡れやすい身体が、とろりと熱を溢れさせ、先端を濡らしていく。自分でも分かるほど、入口がひくひくと動いていた。
当てられた先から、湊の脈が伝わってくる気がした。どくん、どくんと、ゆっくりした鼓動。その鼓動に合わせて、遥の入口も小さく開いたり閉じたりしている。遥の頭よりも先に、身体のほうが答えを決めてしまっていた。残っているのは、それを声に出すことだけだった。
「……いいです。撮っていて、ください」
湊は頷き、先端を当てたまま、遥の髪を撫でた。それから、カメラの位置をもう一度確かめるように振り返った。どこを撮りたいか、と湊は聞いた。全身を引きで撮るか。それとも、もう少し近くで。遥は、自分がどんなふうに撮られたいのかを考えた。
顔を撮られるのは、怖かった。けれど、初めての瞬間の自分の顔を、残しておきたい気もした。あるいは、映っているものを、自分の目で見ながら迎えたい。遥はシーツを握る手に力を込め、湊を見上げた。
引きで撮れば、二人の身体がどう繋がるのかが、全部映る。近くで撮れば、自分の顔や、繋がる場所の細かいところまで残る。どちらを選んでも、もう取り消せない記録になる。遥はその重さを、怖いとは思わなかった。むしろ、自分で選べることが嬉しかった。
湊が下着を脱ぐと、遥は視線を逸らせなかった。硬く持ち上がった形は誇張された大きさではない。それでも、これから自分の狭い内側へ入る現実として見ると、熱と脈動の一つ一つが怖いほど生々しかった。避妊具を被せる指の動きまで、三脚のレンズが静かに記録している。
湊が膝の間へ入ると、シーツが沈み、開いた腿の内側に彼の体温が近づいた。まだ触れていない先端へ、遥の濡れだけが糸を引く。彼女はカメラの赤い灯を見つめ、恐怖と期待で浅く息をした。入口は脈打つ熱を隠せなかった。
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