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【攻め・謝罪】「誠意は?」と聞かれた営業の遥が、取引先の社長に自分から跨る:END(本気を出させた誠意)
遥はネクタイから手を離し、紺の絹を黒崎の身体からするりと抜き取った。それを丸めもせずに、社長室の絨毯の上へ落とす。もう、手綱も縄もいらなかった。黒崎が、自由になった手を見下ろした。それから、遥の顔を見た。その目つきが、さっきまでとはまるで違っていた。
「本気で来てください、社長。手加減なしで」
言い終わる前に、黒崎の腕が遥の腰を抱え上げていた。遥の足が、床から浮いた。軽々と運ばれていく。気がつくと、遥は窓際の大きな机の上に、仰向けに寝かされていた。背中に、書類の束がくしゃりと潰れる感触があった。
黒崎は机の縁に立ち、遥の両膝を掴んで大きく開いた。白い明かりの下で、遥の脚のあいだが、黒崎の目の前に全部さらされた。遥は肘をついて上半身を起こし、黒崎を見上げた。逃げるつもりはなかった。逃がさないでほしかった。
「見てるだけですか」
挑発すると、黒崎の口元が歪んだ。笑ったのだと分かった。黒崎は膜に包まれたものの根元を握り、先を遥の入り口に押し当てた。そして、遥が息を吸うより早く、腰を一息に突き入れた。
奥まで、一度で届いた。遥の背中が机から跳ね上がり、喉から短い悲鳴が漏れた。太い。熱い。中の壁が、いっぺんに押し広げられた。久しぶりの身体が、きしむように悲鳴を上げた。けれど、痛みはすぐに、焼けるような熱に変わっていった。
黒崎は、そこで一度止まった。根元まで沈めたまま、遥の顔を覗き込む。手加減なしと言ったのはおまえだ、と言う。遥は荒い息の中で、笑ってみせた。言いました。だから、止まらないでください。
黒崎が動き出した。最初から、深く、重かった。腰を引き、また奥まで打ち込む。一突きごとに、机ががたんと揺れた。ペン立てが倒れ、万年筆が転がって床に落ちた。黒崎は、それを見もしなかった。
「あっ、あ……っ、社長、すご……っ」
遥は机の縁を両手で掴んだ。そうしないと、突かれるたびに身体が机の上を滑っていく。黒崎の手が、遥の腰を掴んで引き戻した。逃げ場をなくされ、さらに深く突き入れられる。遥の奥の壁に、黒崎の先が重く当たった。
これまで、遥が自分で決めてきた。どこを、どのくらい、どんな速さで。今は違った。黒崎が決めていた。遥が欲しいと思うより一瞬早く、黒崎の腰がそこを突いてくる。遥の身体を、黒崎はもう全部覚えていた。
悔しいとは、思わなかった。この人の本気を引き出したのは、自分だった。縛って、焦らして、跪かせて、最後にほどいた。その全部が、この一突き一突きに返ってきている。遥は黒崎の腰に脚を絡め、自分からも腰を突き出した。
「もっと……奥、もっと強く……っ」
命令のつもりだった。声は、懇願にしか聞こえなかった。黒崎は遥の片脚を肩に担ぎ上げた。角度が変わり、先がさらに奥へ届く。遥の目の前が白く弾けた。机の上で、遥の身体が大きく跳ねた。
一度目の波が、あっという間に遥を呑み込んだ。中が黒崎を何度も締めつける。黒崎は止まらなかった。遥の痙攣の中を、そのまま突き進んでくる。達したばかりの奥を擦られ、遥はもう声を抑えることもできなかった。
社長室の大きな窓に、机の上の二人が映っていた。脚を男の肩に担がれ、書類の上で身体を揺らしている女。その女の顔は、泣きそうに歪みながら、笑っていた。遥は、窓の中の自分を見て、ああ、これが欲しかったのだと思った。
黒崎の動きが、さらに速くなった。机の脚が床を擦り、がたがたと鳴る。黒崎の額から汗が落ち、遥の胸の上で弾けた。黒崎が、遥の名前を呼んだ。低く、掠れた声で、何度も。遥は、そのたびに黒崎の腰に絡めた脚に力を込めた。
二度目の波は、一度目より大きかった。奥から、身体の芯ごと持っていかれるような感覚がせり上がってくる。遥は黒崎の腕に爪を立て、窓の夜景に向かって叫ぶように声を上げた。中が、ちぎれるほど強く黒崎を締めつけた。
黒崎が、最後に一度、根元まで深く突き入れた。そのまま、遥の腰を両手で引き寄せて止まる。遥の奥で、膜越しに熱い脈がどくん、どくんと何度も打った。黒崎の喉から、獣のような低い唸りが漏れた。
黒崎は、遥の上に覆いかぶさるように崩れ落ちた。汗に濡れた胸が、遥の胸に重なる。机の上の書類が、二人の汗でぐしゃぐしゃに濡れていた。遥は黒崎の背中に腕を回し、荒い息のまま、しばらく天井を見上げていた。
「……生産計画、濡れちゃいましたね」
遥がぽつりと言うと、黒崎が遥の肩に顔を埋めたまま、肩を震わせて笑った。刷り直しだ、と言う。おまえのせいで、また仕事が増えた。遥も笑った。笑うと、まだ中に入ったままの黒崎が、遥の奥で小さく跳ねた。
黒崎がようやく身体を起こし、ゆっくりと遥の中から抜け出た。遥は机の上で身体を起こそうとして、腕に力が入らなかった。黒崎が背中を支えて起こしてくれた。床に転がった万年筆を拾い上げ、黒崎はそれを遥の手に握らせた。
何ですか、と遥が聞くと、黒崎は机の上のぐしゃぐしゃの書類を指差した。始末書だ、と言う。社長室の机を汚した件の。遥は万年筆を握ったまま、声を上げて笑った。それから、濡れた書類の裏に、大きな字で一行だけ書いた。再発防止は、いたしません。
翌月から、遥は黒崎家具の担当を外れた。課長の判断だった。展示会のミスの責任だと、社内では言われた。遥は何も言い返さなかった。その週の金曜、遥のスマホに、社長室の直通番号から電話がかかってきた。担当でなくなったなら、取引は関係ないな、と黒崎は言った。
遥は、会社の非常階段で電話を受けていた。夕焼けが、ビルの谷間に沈んでいくところだった。七時に伺います、と遥は答えた。今度は、どんな誠意をお見せしましょうか。電話の向こうで、黒崎が低く笑った。
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