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【絶頂脱出】十回イくまで出られない部屋で、初めて潮を吹く遥:END(命令の最後)
最後の命令は、短かった。目を開けて、自分が入れられるところを見ていろ。遥は、脚を抱えたまま、涙で滲んだ目を見開いた。自分の脚の間を見下ろす。黒瀬の先端が、濡れた入口の真ん中に当てられていた。遥は、まばたきも忘れて、それを見つめた。
黒瀬が、腰を沈めてきた。先端が、入口を押し広げていく。遥はその一部始終から、目を離さなかった。張り詰めた先端が、自分の中へ少しずつ消えていく。入口が、太いものに合わせて大きく開き、反った幹を呑み込んでいく。遥の口から、震える声が漏れた。
「入って……入って、きます……」
言え、と黒瀬が言った。どこまで入ったか。遥は、自分の脚の間を見つめながら、震える声で答えた。半分、です。まだ、半分。黒瀬は、そこで一度止まった。遥の中が、半分だけ入ったものを、奥へ引き込もうと締めつけた。黒瀬の喉が、低く鳴った。
残りを、一気に。黒瀬の腰が、遥の尻にぶつかった。根元まで。遥は、自分の入口が、黒瀬のものの根元を咥えこんでいるのを見た。奥に、先端が届いていた。遥は、脚を抱えたまま、背中を反らせて、長い声を上げた。頭上の表示が、音もなく十一を示した。
全部、入りました。遥は、言われる前に言った。黒瀬が、わずかに笑った気がした。命令されなくても、言えるようになった、と黒瀬は言った。遥は、顔を熱くしながら、頷いた。もう、言葉にすることが、恥ずかしいだけではなくなっていた。
言葉にすると、身体がそれに応える。応えた身体を、また言葉にする。その繰り返しが、遥をどんどん深いところへ連れていった。恥ずかしさの奥に、こんなに甘い場所があるなんて、遥は知らなかった。
黒瀬が、動き始めた。抜ける寸前まで引いて、また根元まで戻る。遥は、命令どおりに、目を開けて見ていた。黒瀬のものが、自分の中から引き出されてくる。遥の溢れたものにまみれて、照明の下で光っている。それが、また自分の中へ沈んでいく。
「見えて、ます……出たり、入ったり……」
どうなっている、と黒瀬が聞いた。遥は、見たままを口にした。光ってます。私ので、濡れて。入るとき、入口が、吸いついて。言葉にするたびに、中が締まった。黒瀬が、また低く呻いた。言いながら締めるな、と黒瀬が言った。遥は、締めるのをやめられなかった。
脚を離していい、と黒瀬が言った。遥は、抱えていた脚から手を離した。黒瀬が、その脚を自分の肩に担ぎ上げた。角度が変わり、先端が、奥の壁をさらに深く抉った。遥は、黒瀬の腕を掴んだ。目を閉じるな、と黒瀬が言った。遥は、必死に目を開けていた。
肩に担がれた自分の足首が、突かれるたびに揺れているのが視界の端に見えた。爪先が、勝手に丸まったり開いたりしている。自分の身体なのに、もう自分で動かしている気がしなかった。
黒瀬の突きが、深く、速くなっていった。遥は、自分の脚の間で、黒瀬のものが激しく出入りするのを見ていた。見ながら、感じていた。目で見る光景と、身体の奥の感覚が、一つに重なって、遥を追い詰めていった。波が、すぐそこまで来ていた。
イくときは、何て言う。黒瀬が、突きながら聞いた。遥は、唇を震わせた。さっき、ローターで言わされた言葉。けれど、今は、命令されて言うのではなかった。遥は、黒瀬の目を見上げて、自分から言った。イきます。黒瀬さんので、イきます。
「イく……っ、黒瀬さんので、イっちゃう……っ」
言い終わる前に、波が来た。遥は、黒瀬の腕を掴んだまま、声を上げてイった。中が黒瀬のものを強く締めつけ、何度も絞り上げた。脚の間から、温かいものが噴き出して、黒瀬の腹を濡らした。遥は、それも全部、目を開けたまま見ていた。
黒瀬は、止まらなかった。イったばかりの中を、深く突き続けた。遥は、首を振りながらも、目は閉じなかった。命令だった。けれど、もう命令だから開けているのではなかった。黒瀬が自分の中で動く姿を、最後まで見ていたかった。
次の命令を出す、と黒瀬が言った。その声は、もうかすれていた。どこに出してほしいか、言え。遥は、黒瀬の顔を見上げた。汗が額を伝い、唇を噛んで、何かに耐えている顔。ゲームマスターの顔は、もうどこにもなかった。遥は、迷わずに答えた。
「中に……私の、一番奥に、ください」
黒瀬が、遥の脚を肩から下ろし、腰を強く引き寄せた。残りの力をぶつけるように、二度、三度と腰を叩きつける。遥は、それを見ていた。根元まで沈んだところで、黒瀬の身体が大きく震えた。遥のいちばん深いところに、熱が繰り返し放たれた。
注がれる熱を感じながら、遥はもう一度イった。目を開けたまま。黒瀬の果てる顔を見つめながら。黒瀬が、遥の上に崩れ落ちるように覆いかぶさった。遥は、黒瀬の背中に腕を回した。命令は、もう何もなかった。ただ、自分で抱きしめたかった。
しばらくして、黒瀬が身体を起こした。腰を引くと、遥の中から、白く濁ったものが溢れ出した。黒瀬は、それを見下ろして、それから遥の顔を見た。最後の命令だ、と黒瀬はもう一度言った。遥は身構えた。黒瀬は、少しだけ笑って言った。今日のことは、忘れるな。
「……忘れられるわけ、ないです」
遥はそう答えて、黒瀬の胸に顔を埋めた。黒瀬の手が、遥の髪をゆっくりと撫でた。命令の声とは違う、優しい手だった。遥は、その手の温かさを感じながら、自分が今日、何度、命令に従ったかを思い出そうとした。思い出すたびに、顔が熱くなった。
受付で賞金の封筒を受け取ったあと、遥はエレベーターの中で、スマホを取り出した。予約画面を開き、次の空いている日を探す。指が、ハードモードの文字の上で止まった。遥は、ゲームマスターの指名欄に、黒瀬、と打ち込んだ。それから、送信ボタンを、自分の指で押した。
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