【絶頂脱出】十回イくまで出られない部屋で、初めて潮を吹く遥:END(舐め合ったあとで)

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【絶頂脱出】十回イくまで出られない部屋で、初めて潮を吹く遥:END(舐め合ったあとで)

張り詰めた丸みが、ぬるりと入口を越えた。遥は黒瀬の胸に手をついたまま、動きを止めた。ほんの指一本ぶんだけ、黒瀬が自分の中にいる。舐めていたときに口の中で感じた脈が、今は入口で感じられた。遥は唇を噛んで、また少しだけ腰を落とした。

あの椅子で覚えた反りと太さが、そのまま入ってくる。けれど、入ってくる感覚は、まるで違った。張り型は、冷たいものが押し入ってくる感じだった。黒瀬のものは、温かいものに満たされていく感じだった。反った先端が、お腹の側の壁をなぞりながら、奥へ進んでいく。

「あ……っ、同じ、なのに……全然、違う……」

半分ほど沈めたところで、先端が、張り型が押し上げていた場所に届いた。遥の身体がびくりと跳ね、中が黒瀬のものを強く締めつけた。黒瀬が、下から低く呻いた。数字で見たのと同じだ、と黒瀬は荒い息の合間に言った。けれど、数字よりずっと強い。

遥は残りを一気に沈めた。根元まで。尻が黒瀬の腰につき、二人の身体が隙間なく繋がった。奥の壁に、先端がぴたりと当たっていた。遥は背中を反らし、天井を見上げて、長い息を吐いた。壁の数字が、十二、に変わった。入れただけで、イっていた。

黒瀬の手が、遥の腰に添えられた。動かさない。ただ、遥が倒れないように支えているだけだった。遥は黒瀬の顔を見下ろした。さっき、自分が潮をかけてしまった顔。その顔が、今、自分の中に入っているものの熱さに耐えて、歪んでいた。

遥は、腰を動かし始めた。三つ目の部屋で、張り型の上で覚えた動き。少し前に傾けて、浮かせて、落とす。落とすたびに、反った先端が奥のあの場所を押し上げる。張り型のときと同じだった。違うのは、落とすたびに、黒瀬が呻くことだった。

あのとき、イヤホンの向こうで黒瀬は息を呑んでいた。記録を超えたと告げた声が、かすかに震えていた。今なら、その理由が分かる。この人は、自分の形が締めつけられる数字を、ずっと見ていたのだ。

「黒瀬さんの声、聞こえる……」

張り型からは、何の声も聞こえなかった。今は、腰を落とすたびに、真下から黒瀬の息が漏れる。その呻きをもう一度聞きたくて、遥は腰を沈めることをやめられなかった。速く、深く。黒瀬の手が、遥の腰を掴む力を強めた。止めようとしているのではなかった。もっと、と言っていた。

黒瀬が、下から突き上げてきた。遥が落とすのに合わせて、真下から。ぶつかり合った瞬間、奥の壁が深く抉られた。遥は声を上げて、十三回目を迎えた。中が黒瀬のものを何度も締めつけ、黒瀬の腹が、遥の下で大きく波打った。

遥は、黒瀬の胸に倒れこんだ。繋がったまま。汗ばんだ胸と胸が重なり、黒瀬の鼓動が、遥の胸に直接響いた。速くて、強い鼓動だった。黒瀬の腕が、遥の背中を抱きしめた。そのまま、黒瀬が下から、ゆっくりと突き上げ続けた。

遥は黒瀬の首筋に顔を埋めた。黒瀬の匂いがした。汗と、それから、遥自身の匂い。さっき黒瀬の顔にかけてしまったものの匂いだった。遥はそれに気づいて、顔を熱くした。けれど、顔を上げなかった。その匂いが、二人が何をしてきたのかを全部語っていた。

黒瀬の手が、遥の髪をゆっくりと梳いた。繋がったまま、急がずに。中で黒瀬のものが脈打つたびに、遥の中も小さく応える。言葉はなかった。それでも、身体のいちばん深いところで、二人はずっと何かを話していた。

「……キス、しても、いいですか」

舐め合ったのに、まだキスをしていなかった。黒瀬は少しだけ笑って、遥の顎に指をかけ、顔を上げさせた。唇が重なった。黒瀬の唇は、遥の味がした。遥の唇は、黒瀬の味がしたはずだった。二人は、互いの味を確かめるように、深く舌を絡め合った。

キスをしたまま、黒瀬の突き上げが速くなった。遥は黒瀬の舌を吸いながら、自分からも腰を押しつけた。上も下も、繋がっていた。舐め合っていたときと同じように。けれど今は、互いの一番深いところで、繋がっていた。

黒瀬が、遥の身体を抱いたまま、くるりと体勢を入れ替えた。遥がベッドに仰向けになり、黒瀬が上から覆いかぶさる。繋がったまま。黒瀬は遥の両膝を抱え上げ、さらに深く沈めてきた。反った先が、行き止まりだと思っていた場所をさらに押し上げた。遥は黒瀬の背中に爪を立てた。

「奥……っ、黒瀬さん、そこ、だめ……っ」

黒瀬は止まらなかった。遥の唇をもう一度塞ぎ、深く、速く、突き続けた。遥の口から漏れる声は、黒瀬の口の中に吸い込まれていった。十四。十五。遥は数字を見なかった。黒瀬の背中にしがみついて、何度も何度も、波に呑まれた。

黒瀬の動きが、乱れ始めた。唇を離し、荒い息をつく。遥の中で、黒瀬のものがさらに硬く張り詰めていくのが分かった。舐め合っていたときから、ずっと我慢していた人の、最後が近づいていた。遥は脚を黒瀬の腰に絡めて、引き寄せた。

「出して……私の中に、全部……」

黒瀬が、最後に深く打ち込んだ。根元まで沈めたところで、動きが止まる。遥のいちばん奥で、どくどくと熱が弾けた。口の中で感じていた脈と、同じ拍子だった。遥はその熱を奥で受け止めて、黒瀬の背中を抱きしめたまま、最後の波に身を委ねた。

長いキスのあとで、黒瀬がゆっくりと腰を引いた。遥の中から、白く濁ったものが溢れ出し、シーツの上の潮の染みに重なった。遥はそれを見下ろして、自分の身体が、最初から最後まで、黒瀬の形で満たされていたのだと思った。

受付で賞金を受け取ったあと、遥は帰り道のコンビニで、のど飴を一袋買った。声が、ひどくかすれていた。部屋で上げた声のせいだった。遥は飴を一つ口に入れ、舌の上で転がした。転がしながら、あの部屋で舌が覚えた動きを、思い出してしまった。遥は慌てて、飴を噛み砕いた。

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