【絶頂脱出】十回イくまで出られない部屋で、初めて潮を吹く遥:vol.6(格好を変えて)

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【絶頂脱出】十回イくまで出られない部屋で、初めて潮を吹く遥:vol.6(格好を変えて)

「いろんな格好で、試してください」

言ってから、遥は自分の言葉の意味を考えて、頬を熱くした。いろんな格好。元彼とのときは、いつも同じだった。仰向けになって、明かりを消して、終わるのを待つ。それ以外の格好を、遥は一度も試したことがなかった。試したいと、言ったこともなかった。

遥はずっと、自分は淡白なのだと思っていた。そういうことに、あまり興味がないのだと。けれど、五つの部屋を抜けてきた今、それが間違いだったと分かる。興味がなかったのではない。何も知らなかっただけだった。

黒瀬は、少しだけ眉を上げた。どの格好がいいか、自分で分かっているのか、と黒瀬は聞いた。遥は首を振った。分からない。だから、試したい。この部屋で、どの格好が一番感じるのか、確かめたい。黒瀬は、なるほど、と頷いた。それなら、測りながら試そう。

黒瀬は部屋の隅の棚から、小さな箱を持ってきた。中には、細いコードのついたローターと、指にはめる小さな振動の輪が入っていた。最後の部屋に道具はない、と言ったはずでは。遥がそう言うと、黒瀬は、これは測るための道具だ、と答えた。課題に使うものじゃない。

まずは、いつもの格好から、と黒瀬は言った。遥はベッドに仰向けになり、膝を立てて脚を開いた。いつもの格好。元彼とのときと同じ。けれど、明かりは消えていなかった。黒瀬は遥の脚のあいだに膝をつき、指に振動の輪をはめた。

指が、入口に沈んだ。輪の振動が、指と一緒に中へ入ってくる。奥の、張り型が押し上げていた場所を、指先が探り当てた。振動が、そこにぴたりと当たる。遥の腰が跳ねた。仰向けの格好は、慣れているはずだった。けれど、こんなふうに感じたことは一度もなかった。

「ん……っ、仰向け、なのに……」

黒瀬は指を動かしながら、壁の数字を見ていた。仰向けだと、奥の上側に当たりやすい、と黒瀬は言った。お腹の側。あなたの一番反応する場所だ。指先がそこを押し上げるたびに、遥の中が指を締めつけた。波が来て、遥はシーツを掴んでイった。壁の数字が、十、に変わった。

扉の上のランプが、緑に灯った。脱出だ、と黒瀬は言った。けれど、試すのはまだ一つ目だ。黒瀬は指を抜き、遥の身体をそっと裏返した。うつ伏せにして、腰だけを持ち上げる。膝をついて、尻を高く突き出す格好だった。遥は顔をシーツに埋めた。

この格好は、元彼に一度だけ頼まれて、断ったことがあった。後ろから全部見られるのが、恥ずかしすぎた。今、まさにその格好で、知らない男の前にいる。尻を突き出し、濡れた脚の間を、後ろからさらけ出している。遥はシーツを噛んだ。

「後ろから……見ないで、ください……」

見ないと試せない、と黒瀬は言った。指が、また入口に沈んだ。後ろから入ってきた指は、さっきとは違う場所に当たった。奥の、背中側の壁。仰向けでは届かなかった場所を、振動の輪が震わせた。遥の背中が反った。知らなかった。こんなところでも、感じるなんて。

後ろからだと、奥の下側に当たる、と黒瀬が説明した。深く入る格好だ。黒瀬はもう片方の手で、遥の尻を軽く押さえ、指をさらに奥へ沈めた。突き出した腰が、指を迎えるように自分から下がっていく。遥は自分の腰の動きに気づいて、また顔をシーツに埋めた。

断った格好だった。恥ずかしすぎると思っていた。けれど、実際にこうしてみると、恥ずかしさは身体の奥で熱に変わっていった。見られていると思うほど、中が指を締めつける。黒瀬は何も言わずに、その締めつけを指で受け止めていた。

二回目の波は、後ろから来た。仰向けのときとは違う、背中を駆け上がってくるような波だった。遥は尻を突き出したまま、腰を震わせてイった。壁の表示が、ひとつ進んで十一になった。脚の間から溢れたものが、太ももを伝って、シーツに落ちた。

黒瀬は指を抜き、遥を横向きに寝かせた。遥の背中に、黒瀬が寄り添うように横たわる。片方の脚を持ち上げられ、黒瀬の脚の上に載せられた。横向きで、脚を開かれる格好。遥はこんな格好があることさえ、知らなかった。

後ろから、黒瀬の指が入ってきた。今度は、横から。奥の、脇腹の側の壁に、振動が当たる。それは、仰向けとも、後ろからとも違う、ゆるやかで、甘い感覚だった。黒瀬の唇が、遥の首筋に触れた。後ろから抱きしめられながら、横から指を沈められている。

「これ……やさしい、感じ……」

横向きは、浅いけど、長く続く、と黒瀬が耳元で言った。黒瀬の指が、ゆっくりと、急がずに中を撫でる。遥は黒瀬の腕に頭を預けて、目を閉じた。三回目の波は、静かに、長く来た。遥は小さな声を漏らしながら、黒瀬の腕の中でイった。十二。

黒瀬は遥を抱き起こし、ベッドの上に座らせた。それから、自分がベッドの縁に腰を下ろし、遥を膝の上に、向かい合わせに座らせた。遥の脚が、黒瀬の腰を挟む。顔と顔が、すぐ近くにあった。黒瀬の目が、遥の目を覗き込んでいた。

向かい合って座る格好。遥は黒瀬の首に腕を回した。黒瀬の指が、下から入口に沈んだ。奥まで届いた指が、真上に向かって押し上げる。遥は黒瀬の肩に顔を埋めた。向かい合うと、表情が全部見える。イく顔も、全部。

「顔、見ないで……」

見たい、と黒瀬は短く言った。指が、真上を押し上げ続ける。遥は顔を上げられなかった。けれど、黒瀬の指が速くなるにつれて、顔を伏せていられなくなった。遥は顔を上げ、黒瀬の目を見たまま、四回目を迎えた。十三。黒瀬の目が、わずかに細められた。

遥は黒瀬の膝の上で、荒い息をついていた。仰向け、後ろから、横向き、向かい合わせ。四つの格好で、四回。どれも、まるで違う場所で、違う感じ方をした。遥は自分の身体に、こんなにたくさんの感じる場所があったことを、初めて知った。

「……次の格好も、試してください」

自分から言っていた。黒瀬の膝の上で、黒瀬の首に腕を回したまま。黒瀬は少しだけ笑って、遥の背中を撫でた。次は、指じゃない。黒瀬はそう言って、遥の手を取り、自分の腰に導いた。遥の指先が、張り詰めた熱いものに触れた。

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