【触手・催眠・感度増幅】見えないふりをするミコ:vol.1(部屋にいたゴースト)

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【触手・催眠・感度増幅】見えないふりをするミコ:vol.1(部屋にいたゴースト)

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玄関の扉を開けた瞬間、ミコは部屋の中にいるものを見つけた。

二十四歳になり、実家を出てから二年。ひとり暮らしの部屋で見るのは初めてだった。人の形ではない。天井近くまで膨れた黒い塊から、濡れた腕のようなものが何本も垂れていた。先端は丸く、床へ届くたびにゆっくり持ち上がる。その中央には、人間の男によく似た太い肉の形がぶら下がっていた。

ミコは視線を動かさなかった。黒い塊を見ず、いつもの位置にある照明のスイッチへ手を伸ばす。靴を脱ぐ。鞄を置く。見えていない人間の動作を、一つずつ正確になぞった。

これまで何度も切り抜けてきた。相手に「この女には見えていない」と思わせればいい。気づかれていないゴーストは、ただ脅かすだけで手を出さない。声を出さない。目を合わせない。どれほど近づかれても、それだけは守る。

黒いゴーストは、寝室へ続く短い廊下を塞いでいた。ミコが横を通っても動かない。触手の一本が肩を横切る。けれどコートは揺れず、冷たさもない。まだ触れられないのだ。見えていると認めさせるまでは、黒い影に実体はない。

ミコは冷蔵庫を開け、買ってきた水を入れた。指が震えないよう、力を抜く。背後では黒い影が膨らみ、部屋の灯りを半分ほど隠していた。生臭い湿気が首筋へまとわりつく。それでも振り向かなかった。

鞄からスマートフォンを出す。画面には友人からの短い連絡が届いていた。『着いた?』。ミコは『今帰った』とだけ打った。助けを呼ぶ言葉は書かない。誰かが来れば、その人まで巻き込まれる。

黒い触手が、背後から画面の上へ伸びた。指先ほどの距離を残し、文字を隠す。ミコは見えていないふりをしたまま入力を続けた。だが触手はさらに増えた。一本が頬の横。一本が胸元。もう一本がスカートの裾へ回る。

そのとき、黒い胴の下で垂れていた肉棒が、ゆっくり持ち上がった。

人間の男根に似た形が、黒い身体の中央で重く揺れていた。黒紫色の皮膚には、怒張した血管のような筋が何本も浮いている。張った先端の縁から透明な粘液が糸を引き、床へ落ちても音はしない。まだこの部屋に触れられないものの液だった。

肉棒がミコの顔の高さまでせり上がる。丸い先端が目の前で膨らみ、見せつけるように大きく脈打った。

ミコは見てしまった。太い根元から濡れた先まで、ほんの一瞬だけ視線が滑った。意味を理解した途端、頬へ熱い血が集まる。耳まで真っ赤になった。そして反射的に、肉棒から目を逸らした。

それが答えだった。何も見えていない者なら、顔を赤らめることも、目を逸らすこともない。

部屋の空気が止まった。

黒い塊の表面に、横長の裂け目が開いた。白い歯のようなものが並ぶ。次の瞬間、部屋の窓と食器を震わせるほどの大声がミコを打った。

「見えてるなァ!」

ミコは両手で耳を塞いだ。もう否定はできない。叫びを浴びた瞬間、部屋を漂っていた黒い影が一斉に重さを得た。床板が沈む。生臭い湿気が濃くなる。肩をすり抜けていた触手が向きを変え、今度は狙いを定めて伸びてきた。

先端がコートへ当たった。布が押し潰される。次に鎖骨へ食い込み、ぬるい粘液を塗りながら首筋まで這い上がった。さっきまで何も感じなかった場所を、硬い筋と柔らかな腹が同時に擦る。ミコの皮膚に、初めて黒いものの感触が刻まれた。

「触れる……」

認めてしまった。それを聞いた裂け目が歪む。笑っているのだ。

触手が顎へ巻きつき、ミコの顔を肉棒へ向け直した。亀頭に似た先が鼻先まで迫る。生温かい粘液の匂いが濃い。表面を走る筋が脈打つたび、丸い先端から新しい雫が膨らんだ。

「逸らすな。俺を見ろ」

命令が鼓膜を通らず、頭の中心へ突き刺さった。ミコは目を閉じようとした。まぶたは動かない。逃げようとした脚も床へ縫いつけられ、指一本すら自分の意思では曲げられなくなった。

催眠だと理解したときには遅かった。視線も手足も呼吸も、黒い声に握られていた。

目だけでも逸らそうとした。けれど瞳は黒い肉の形へ固定されている。まぶたも閉じない。太い筋が脈打つたび、その動きを最後まで追わされた。見たくないものが見える。その苦しさには慣れたはずだった。今夜は、見ることそのものを命令に変えられていた。

壁の時計は午後十時十八分を指していた。いつもの部屋だった。いつもの物に囲まれた場所で、自分だけが黒いものに捕まっている。その違いが、ミコの呼吸をさらに浅くした。

ゴーストの目がどこにあるのか分からない。それでも見られていた。息が速くなるたび、黒い塊が愉しむように脈打つ。細い触手がコートの前を探り、ボタンへ巻きついた。

一つ外れる。次も外れる。ミコの白いブラウスが、黒い影の前へ晒された。

「……やめて」

声は小さくしか出なかった。黒い触手は止まらない。左右から胸の下へ回り、ブラウス越しに乳房を持ち上げた。布一枚を挟んだだけなのに、指で直接つままれたような刺激が走る。乳首が硬くなり、薄い布の表へ形を浮かべた。

ミコは唇を噛んだ。痛みはない。ただ感覚だけが異常に大きい。胸を撫でる動きが、脇腹から下腹まで熱を引いていく。触手が乳房の丸みに沿うたび、ショーツの内側が湿っていくのが分かった。

見られているからではない。催眠に身体を変えられたせいだ。そう言い聞かせても、硬く尖った乳首は戻らない。触手がわざと離れると、触れられていた場所だけが空白のように疼いた。次の接触を待つ身体のほうが、ミコの否定より正直だった。

「感度を十倍にした。隠しても身体が答える」

太い肉棒が、スカートの前へ押しつけられた。布越しでも形が分かる。重さ。熱。先端の濡れ。増幅された感覚が一つずつ下腹へ伝わり、ミコの腰がわずかに後ろへ逃げた。

逃げた先にも触手がいた。細い一本が腰へ巻きつき、逃げた分だけ身体を前へ押し戻す。スカートの上から、太い形が脚の間へ深く食い込んだ。

声を出さないよう息を止める。だが催眠は、肺に溜めた空気まで勝手に吐かせた。吐息に合わせて肉棒が脈打ち、濡れた先端がスカートへ丸い染みを作った。

スマートフォンが震えた。さっきの友人からだった。画面には『明日、駅前でいい?』と表示されている。返事をすれば、まだ日常へ戻れる気がした。

ミコの親指が画面へ動く。けれど入力欄へ触れる直前、催眠が指を止めた。ゴーストは画面を覗き込みながら、別の触手をスカートの裾へ潜らせた。

冷たい先端が内腿へ触れる。十倍になった皮膚が、その一触れだけで細かく震えた。触手は膝の上から、ゆっくり内側を這い上がる。ショーツまで残りわずかだった。

「見えるのなら、どこまで見ていられるか試そう」

太い肉棒が持ち上がり、スカートの裾を内側から押し広げた。透明な液に濡れた先端が、震える内腿の間へ入ってくる。ミコは目を閉じることさえ許されず、その形がショーツへ近づくのを見せられた。

触手の先が、湿った布の中央へ触れた。

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