【妹への歪んだ執着】兄の狂気と催眠の罠:vol.1(沈黙の部屋と危うい距離感)

妹への歪んだ執着 催眠・精神支配

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【妹への歪んだ執着】兄の狂気と催眠の罠:vol.1(沈黙の部屋と危うい距離感)

▶ 選んで結末が変わる物語(全35話・8結末)

夕暮れが、街にゆっくりと溶けていく。

居間の窓から差し込む柔らかな光が、少し古びた畳をオレンジ色に染めていた。
部屋の隅に置かれた時計が、無機質な音を刻む。
その音だけが、静けさの中に細く響いていた。

両親は今日、遠い親戚の法事で朝から家を空けている。
帰ってくるのは、日付が変わる頃だろう。
「夕飯は各自でお願いね」
母のその言葉が、今もひろしの耳の奥にこびりついていた。

ひろしは居間のソファに深く腰を沈め、本を読むふりをしながら、何度もちらりと玄関を気にしていた。
妹——遥の帰宅予定時刻が、そろそろだからだ。

今日に限って、時間の進みがひどく遅く感じられる。
静かな家に、遥が一人で戻ってくる。
その事実が、ひろしの胸の奥で黒い粘液のように重く蠢いていた。

やがて、玄関の引き戸が「ガラリ」と音を立てて開く。

「ただいま……」

遥の声は、どこか小さく、気まずそうだ。

大学から戻った遥は、いつもより早足で靴を脱ぎ、そそくさと居間を横切ろうとする。
ひろしと目を合わせないように、無意識の壁を作っているのが分かる。

それでも、ひろしはあえていつも通り、優しい兄の仮面を被って声をかけた。

「おかえり。今日は早かったね、遥」

「……うん、サークル、休みだったから」

遥は短く答え、すぐに視線を逸らす。
彼女の長い黒髪がふわりと揺れ、白い頬に影を落とした。

ひろしは、妹のその仕草を舐め回すように見つめた。
遥は、兄に対していつも一定の距離を保とうとする。
いや、それは明確な拒絶に近い。

成長するにつれ、遥はひろしを露骨に避けるようになった。
幼いころはあんなに無邪気に懐いていたのに。
今ではまるで、汚物でも見るかのような冷たい目を向けてくる。
その視線が、ひろしの自尊心をゴリゴリと削り取っていく。

ひろしの胸の奥底で、暗い欲望が熱を持ち始めた。

「今日、晩ごはんどうする? 母さん、作り置きしてくれてたよ」

「……自分で、食べるから。先に部屋、行くね」

遥は逃げるように階段を上っていった。
その無防備な背中を、ひろしの濁った瞳がじっと追う。

(……どうして、あんな風に僕を避けるんだ。本当は、僕のことを見下しているくせに)

残された居間には、再び静寂が降りる。
ひろしは自分の手のひらを見つめ、暗く嗤った。

彼の手にあるのは、スマートフォン。
その画面には、先日ネットの奥深くで見つけた、怪しげな「催眠アプリ」が起動している。
特定の音声周波数と画面の点滅で、相手の脳波を強制的に書き換え、一時的なトランス状態に陥れるという代物だ。
半信半疑でダウンロードしたものだが、自分自身で試したときの、あの抗いようのない意識の空白。
あれが本物ならば、遥の意志を奪うことなど容易い。

遥は兄のことが苦手だ。
その事実は、ひろしにとって何よりも我慢ならない屈辱だった。
だからこそ、力ずくで全てを暴き、支配してやりたかった。

——もっと普通の兄妹なら、気軽に話せて、笑いあえるのに。

ほんの少し、手を伸ばせば届く距離。
けれど、触れてはいけない透明な壁が、ふたりのあいだに確かに存在している。

ならば、その壁ごと壊してしまえばいい。

ひろしはふと、遥の部屋の扉を見やる。
その奥で、彼女はいま、どんな顔をしているのだろうか。
これから自分の身に降りかかる恐ろしい凌辱など、微塵も想像していないだろう。

兄と妹、ふたりきりの夜が、静かに、けれど確実に狂気へと向かっていく。

外はすっかり、夜の闇に包まれつつあった。
時計の針が、無慈悲に時を刻む。

ひろしは立ち上がり、ゆっくりと二階へ向かった。
遥の心に、あのアプリの呪縛を仕込むために。

胸の奥で疼くドス黒い欲望が、彼の全身を熱く焦がしていた。

彼女の秘部を暴き、その悲鳴を聞く瞬間を想像しながら、ひろしは暗い笑みを浮かべた。

二階の廊下は、ひんやりとした空気に満ちていた。
ひろしは足音を殺し、遥の部屋の前に立つ。
ドアの向こうからは、かすかに音楽が漏れ聞こえてくる。
遥がよく聴いている、流行りのアイドルグループの曲だ。
平和で、ありふれた女子大生の日常。
それをこれから自分が粉々に破壊するのだと思うと、ひろしの股間が熱く疼いた。

ひろしは深呼吸をし、スマートフォンの画面を確認する。
アプリはすでに起動状態。
あとは、この画面を遥に見せ、特殊な音声を聴かせるだけだ。

コンコン、と控えめにドアを叩く。

「……なに?」

音楽が止まり、不機嫌そうな遥の声が響く。

「ちょっと、いいかな。スマホの調子が悪くて……遥のほうで、これ見れる?」

ひろしは、努めて焦ったような、兄らしい声を装った。

数秒の沈黙の後、ドアが少しだけ開き、遥が顔を覗かせる。
警戒心も露わに、ひろしとスマートフォンの画面を交互に見つめている。
その目には、はっきりとした嫌悪の色が浮かんでいた。

「……何? 見せて。早くしてよ」

遥がドアの隙間から手を伸ばした瞬間、ひろしはスマートフォンの画面を彼女の目の前に突きつけた。
同時に、アプリの実行ボタンをタップする。

ピピピピピ……という、耳の奥を直接引っ掻くような、奇妙な高周波音が鳴り響く。
画面が、赤、青、緑と、激しい点滅を始めた。

「えっ……何これ、眩しっ……」

遥は思わず目を細めるが、なぜか視線を画面から外すことができない。
まるで、見えない糸で瞳を固定されているかのように、彼女の目は点滅する画面に釘付けになった。

(……あれ……なんか……頭が……ぼーっとする……)

遥の視界が、大きく歪む。
点滅する光が、脳の奥底まで直接突き刺さってくるような感覚。
そして、あの奇妙な音が、思考を白く塗り潰していく。
逃げなければいけないのに、体が全く動かない。

「遥、僕の声が聞こえるか?」

ひろしの声が、遠く、水の中から聞こえてくるように響く。

「……お兄……ちゃん……」

遥の瞳から、急速に光が失われていく。
焦点の合わない目が、ただ虚ろにスマートフォンの画面を見つめ続けていた。
先ほどまでの嫌悪に満ちた表情は消え去り、ただの空っぽの器のようになっている。

「これからは、僕の言うことだけを聞くんだ。いいね?」

ひろしは、低く、這うような声で暗示をかける。

「……はい……」

無機質な、感情の一切こもっていない返事。
それは、遥が完全に催眠アプリの支配下に落ちたことを意味していた。

ひろしは、歓喜のあまり震えそうになるのを必死に堪え、アプリの画面を閉じた。
途端に、遥は糸が切れたようにその場に崩れ落ちそうになる。
ひろしは慌てて彼女の肩を抱き止め、部屋の中へと滑り込んだ。

「……やっと、お前を好きにできる」

ひろしの低い声が、静かな部屋に響き渡る。
彼は、狂気に満ちた瞳で、焦点の定まらない妹を見つめ続けた。

童貞であるひろしにとって、女性という存在は、理解しがたく、そして恐ろしいものだった。
特に、身近にいる妹の遥は、その象徴のような存在だ。
だからこそ、支配したかった。
力ずくで組み伏せ、自分の思い通りに動く人形にしてしまいたかった。

今、それが現実のものとなろうとしている。
どんな命令にも従う、都合のいい操り人形。
嫌悪に満ちた目で自分を見ていた妹が、今は自分の胸の中でぐったりと身を預けている。

「さあ、始めようか、遥。僕の言う通りに動くんだ」

ひろしは、暗い笑みを浮かべ、遥をベッドへと押し倒した。

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