▶ 名前変換:入力フォームを開く
【撮影】借金返済のために売られた遥:vol.1(閉ざされた部屋)
▶ 選んで結末が変わる物語(全25話・6結末)
休日の昼下がり、都内のはずれにある古い木造アパートへと続く外階段を、遥は胸元を押さえながら上がっていた。
遥はデザイン事務所の一般事務として働いている。人目を極度に恐れる内気な性格のまま目立たない日々を送ってきた。
職場でも常に周囲の顔色を窺い、肌の露出を極端に避けた服装を選んでいる。今日も襟元をきっちりと上まで留めた清楚な白ブラウスに、膝下丈の紺色フレアスカートを纏っていた。
そんな遥が、会社員・ひろしと付き合い始めて半年が経つ。
二人は恋人として何度も身体を重ねてきたが、遥はそのたび照明を消してほしいと頼むほどの恥ずかしがりやだった。
だが、遥は常軌を逸するほどの恥ずかしがりやで、肌を晒すことに対して異常なまでの羞恥心を抱いていた。
身体を重ねる時でさえ部屋の明かりを完全に消してもらい、真っ暗闇の中でシーツに顔を深く埋め、ひろしに素肌を見せようとしなかった。
さらに遥には、人知れず恥じ入っている体質があった。極度の緊張や恥ずかしさを覚えると、意思とは裏腹に下腹部が敏感に疼き。秘部がじっとりと濡れやすくなってしまうのだ。
ひろしはその控えめな性格を理解し、これまでは暗がりの中で優しく抱いてくれていたはずだった。
ところが昨夜、ひろしから「頼む、一生のお願いだ。今すぐ部屋に来てくれ」という切迫したメッセージが届いた。
恋人の力になりたい一心で疑いもせず部屋を訪れた遥を、土気色の顔で血走った目のひろしが迎え入れた。
靴を脱ごうとした瞬間、背後でカチャリと鍵が回され、ドアチェーンが頑丈に掛けられる。
息を呑んで振り返った遥の視界に、昼間とは思えない異様な光景が広がっていた。
六畳の和室の窓には分厚い遮光カーテンが隙間なく閉ざされ、初夏の陽光は一筋も届かない。
古びた蛍光灯の青白い光だけが、淀んだ薄暗い空間を寒々しく照らし出していた。
室内に充満する吸い殻と饐えたアルコールの臭いに、遥の喉が引きつった。
畳の真ん中には武骨な金属製三脚が据えられ、業務用の高精細ビデオカメラが鎮座している。
保護キャップは外され、大口径のガラスレンズが立ち竦む遥を真っ直ぐに射抜いていた。
脇のテーブルには、赤字で督促状と印字された消費者金融の明細が何十枚も散らばっている。
借金は五百万円に膨れ上がっているのだと、ひろしは震える声で吐き捨てた。
「頼むよ遥……! 俺を助けてくれ! 来週までに金を揃えなきゃ、本当に消されちまうんだ!」
ひろしは遥の華奢な二の腕を、万力のような力で乱暴に掴み上げた。
指が肉に食い込み、遥は思わず顔を歪めて身を引いた。
「ひろしさん……っ、痛いです、離してください……っ! 借金なんて、わたし……」
ひろしは、頼れるのは遥だけだと叫び。顔は映さず身体だけを撮れば動画サイトで金にできるのだと一息にまくし立てた。
恋人の口から出た信じがたい要求に、遥の頭の中は真っ白になり、血の気が完全に引いていった。
付き合っている男からの懇願とはいえ、その口調と手つきは完全な力ずくであり。逃げ場を塞ぐ冷酷な暴力性に満ちていた。
人前で素肌を晒すことすら耐えられない自分が、カメラの前で裸にされ、見知らぬ無数の男たちに見世物として売られるなど、死んでも受け入れられるはずがない。
「嫌です……っ! そんなの絶対にできません……帰してください!」
遥が必死に叫んで腕を振りほどこうとした瞬間。男の表情から哀願の色が消え、剥き出しの苛立ちが走った。
「逃げる気かよ! 俺たち付き合ってんだろ? 俺を見殺しにする気か!」
ひろしは遥の手首を捻り上げ、力任せに室内へ引きずり込んだ。
畳に足を取られてよろめいた遥の腰を、男の太い腕が背後から乱暴に抱え込む。
ドサリと重い音が響き、遥の華奢な身体が畳の上に押し倒された。
起き上がろうともがく遥の胸元に男の重い体躯がのしかかり、肺から空気が搾り出される。
「頼むから暴れるなよ! お願いだからさ、な? 言う通りにしてくれれば痛い目には遭わせないから!」
哀願するような言葉を浴びせ。それでも、男の硬い膝が遥の両脚の間に割り込み、太ももを外側へと強引に押し広げた。
「やめて……っ、放して……っ! 撮影なんて嫌……っ!」
遥は泣き濡れた瞳で首を左右に振り乱し、組み伏せられた状態で必死に身を捩った。
だが、ひろしは遥の両手首を頭上で片手に束ね、全体重を浴びせて畳に縫い止めた。
身動きを完全に封じられた遥の全身を、恐怖と屈辱が冷たく締め上げていく。
ひろしはポケットから小型のリモコンを取り出し、カメラへ向けてボタンを押し込んだ。
ピピッという電子音とともに、鮮烈な赤の録画ランプが妖しく点滅を開始した。
カメラの小さな液晶モニターには、薄暗い部屋の畳の上で押し潰され、涙を浮かべて怯える遥の姿が無残に映し出されていた。
レンズに全身を見据えられているという冷酷な現実が、遥の肌を粟立たせる。
肌を見られることすら耐えられない性分でありながら、恋人に力づくで組み敷かれ、機械の瞳の前で見世物にされている。
激しい羞恥と絶望に心臓が早鐘を打ち、清楚な胸元の薄いブラウスが激しい呼吸に合わせて上下していた。
恋人として身体を重ねてきた遥にも、撮影されながら強いられる行為が普段のSEXとは違うことは分かっている。
だからこそ、これからこのカメラの前で何をされ、どんな姿を記録されるのかが克明に分かってしまい、逃れられない屈辱に全身が震えた。
そして何より遥を苛んだのは、極度の羞恥と恐怖に晒され、それでも。男の重みと拘束の感触に下腹部が引きつるように疼き、下着の奥に異常な熱気がじわりと滲み出している自らの身体の反応だった。
ひろしは遥の耳元に荒い息を吹きかけながら、もう一方の指先を清楚なブラウスの襟元へと伸ばした。
「お願いだから大人しくしててくれよ、遥……すぐ済むからさ」
男の指が第一ボタンに掛けられ、プチリと小さな音を立てて外される。
合わせ目が左右に緩み、遥の白い喉元と華奢な鎖骨が、冷たいレンズの前に露わに晒し出された。
ここまで読んでくれてありがとう
選択を変えれば、結末は変わります。
別のルートを試すか、他の物語へ。




コメント