【名器】声を出したら次の道具、モニター試験で初めて中でイかされる遥:vol.2(ローターの十分間)

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【名器】声を出したら次の道具、モニター試験で初めて中でイかされる遥:vol.2(ローターの十分間)

二枚目の同意書には、外部刺激用器具、という固い言葉が並んでいた。遥がサインを終えると、真壁は棚から小さな卵形の道具を取り出した。淡い桃色で、細いコードがついている。ローターです、と真壁は言い、それを遥の目の前で一度だけ震わせた。低い音が部屋に広がった。

「……それを、どこに」

聞かなくても分かっていた。真壁は答えず、もう一度センサーを手に取った。脚を開いたままの入口に、細い先端が当てられる。さっき一度入ったせいか、今度はほとんど抵抗なく、するりと奥まで沈んだ。モニターの青い線が、最初から六十を超えていた。

遥は、自分がまだ濡れていることを、数字で突きつけられた気がした。一段階目が終わってから、着替えもせずに座っていただけだ。そのあいだも、身体は少しも冷めていなかった。真壁は青い線を指でなぞり、記録用紙に何かを書き込んだ。そのペンの音が、やけに長く聞こえた。

前回の終わりの値が残っています、と真壁が言った。まだ濡れている、という意味だった。遥は顔をそむけた。真壁はローターを、入口のすぐ上、皮膚に包まれた小さな突起の手前に置いた。まだ震えていない。それなのに、そこに何かがあるというだけで、腰の奥がざわついた。

タイマーが押された。十分です。真壁の声と同時に、ローターが震え始めた。最初は弱く、皮膚の表面を撫でるような振動だった。遥は息を止め、天井を見た。大丈夫、これくらいなら耐えられる。そう思ったのは、ほんの十数秒だった。

振動が、皮膚の奥へ沁み込んでくる。突起の根元が、じんと痺れたように熱を持ち始めた。真壁はローターを少しずつ上へずらし、包んでいた皮膚の上から、突起そのものに当てた。遥の腰が、台の上で跳ねた。声は出なかった。喉の奥で、空気が引っかかっただけだった。

締めつけ、四十。四十八。真壁が読み上げる。遥は自分の中が、細いセンサーをきゅっと締めているのを感じた。締めているつもりはなかった。勝手に、身体が噛みついている。それが数字になって、真壁の口から出てくる。遥は両手で口を覆った。

三分。四分。真壁はローターの強さを一段上げた。振動が鋭くなり、突起の先に集まってくる。脚の間から溢れたものが、センサーを伝い、尻のほうへ流れていくのが分かった。青い線は七十を超え、八十に近づいていた。

「……っ、……」

声ではない。息が漏れただけだ。遥は自分にそう言い聞かせた。真壁は何も言わず、画面を見たまま、ローターを小さく円を描くように動かした。円が一周するたびに、突起が押し潰され、また解放される。そのリズムに、腰が勝手に合わせ始めていた。

動いてはいけない、と遥は思った。腰を振れば、それも数値に出るかもしれない。けれど、振動が突起を通り過ぎるたびに、尻が台の上で小さく浮いてしまう。真壁の目には、それがすべて見えているはずだった。見られていると思うと、中がまたきゅっと縮んだ。

六分を過ぎたところで、遥は自分の身体が、どこかへ昇っていこうとしているのに気づいた。外を責められてイったことはある。一人で、指で。けれど、知らない男の前で、数値を読まれながらイくなんて、考えたこともなかった。遥は太ももに力を込めて、波を押し戻そうとした。

押し戻そうとすればするほど、中が締まった。締めつけ、六十三。真壁の声が遠くに聞こえた。七分。八分。台の縁を握る指が白くなっていた。あと二分。あと二分耐えれば、二万円。遥は奨学金の数字を思い浮かべ、必死にそれにしがみついた。

それなのに、頭に浮かぶ数字は、すぐに画面の数字に塗り替えられた。濡れ具合、八十五。締めつけ、七十。真壁が読み上げるたびに、自分の中のことが、一つずつ暴かれていく。遥は目をきつく閉じた。閉じても、振動は少しも弱くならなかった。

九分を過ぎたとき、真壁がローターを、突起の真上でぴたりと止めた。動かさない。ただ、一番強い振動を、一点に押しつけたまま。逃げ場がなかった。遥の背中が反り、喉の奥に溜めていたものが、とうとう溢れ出した。

「あっ……あ、だめ、……っ」

声が出た瞬間、波が来た。腰が台から浮き、膝が震え、中が細いセンサーを何度も強く締めつけた。モニターの赤い線が、跳ね上がるように伸びていく。遥は口を押さえた手の下で、声を殺しきれないまま、長くイった。

ローターが止まった。部屋に、遥の荒い息だけが残った。九分十二秒、声あり、と真壁が静かに告げた。この段階のボーナスはなし。締めつけの最大値は八十九。遥は手の甲で目元を覆った。九分。あと四十八秒だった。

悔しさと恥ずかしさが、一緒になって胸の中で渦を巻いた。九分間、あれほど耐えたのに、最後の一分も持たなかった。しかも、声を出しただけではない。真壁の目の前で、数値を跳ね上げながら、腰を浮かせてイったのだ。遥はガウンの襟元を握りしめ、真壁の顔を見られなかった。

センサーはまだ中に入っていた。イったあとの余韻で、中がひくひくと動くたびに、画面の赤い線が小さく揺れる。真壁はそれをしばらく黙って見ていた。それから、声が出たので次は道具の段階が上がります、と言った。中に入れるものを、測定用のものから、製品に替える。

真壁が三枚目の同意書を差し出した。遥は震える手でペンを握った。ここでやめても、謝礼は四万円もらえる。十分すぎる金額だった。それなのに、ペンは名前の欄から離れなかった。さっきの波が、まだ身体の奥で小さく残っていた。その続きを、身体のほうが知りたがっていた。

「……次の道具で、続けてください」

自分の声が、ひどくかすれていた。真壁は同意書を受け取り、確認した、とだけ言った。それから、センサーをゆっくりと引き抜いた。濡れ具合の最終値は九十四だった。

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