【フルダイブ】VRへ潜る義妹を、童貞の義兄がいたずらする:vol.1(「好きにして」と告げた義妹)

sordart シリーズのアイキャッチ 選択肢型・ゲームブック小説

▶ 名前変換:入力フォームを開く






【フルダイブ】VRへ潜る義妹を、童貞の義兄がいたずらする:vol.1(「好きにして」と告げた義妹)

▶ 選んで結末が変わる物語(全30話・6結末)

自宅の防音室には、フルダイブ装置の冷却音だけが低く流れていた。十一月の夜。窓は遮光カーテンで閉ざされ、機器の青いランプが二台のリクライニングチェアを照らしている。

智樹は二十五歳。美咲は二十一歳だった。親同士の再婚で成人後に家族となった二人に、血のつながりはない。それでも同じ家で義兄妹として暮らす距離は、他人より近く、恋人より曖昧だった。

美咲は薄手の長袖シャツと柔らかな部屋着のパンツを着ていた。長い髪を首の横へよけ、ヘッドセットの固定帯を自分で締める。今夜試すのは、オリジナルVRMMO《ルミナス・レルム》の月影城だった。

完全没入が始まれば、意識は仮想世界へ移る。現実の身体は眠ったように力を失い、外から触れられても認識できない。安全確認のため、智樹はその説明をもう一度読み上げた。

停止方法は二つある。仮想側で右手を三秒握るか、「強制帰還」と声に出すこと。どちらかを検知すれば、現実側の管理者権限でも続行はできない。記録機能は最初から切られていた。

「分かってる。私が止めたら、本当にすぐやめてね」

美咲はそう告げ、右手を三秒握った。卓上モニターに赤い停止表示が出る。智樹が解除操作をすると、彼女は同じ手順をもう一度試した。二度とも正常に動いた。

確認を終えても、美咲はすぐには横にならなかった。チェアの横に立ったまま、シャツの裾を両手で整える。頬は機器のランプより濃い色を帯びていた。

「私がダイブしてるときは……好きにして」

途切れた声だったが、言葉は明瞭だった。智樹が聞き返すと、美咲は視線を落としたまま頷く。胸に触れることと、キスをすること。今夜許すのはそこまでだと、指を二本立てて範囲を示した。

服は脱がせない。下着の内側へ手を入れない。写真も動画も残さない。停止表示が出たら、その瞬間に身体から離れる。智樹が一つずつ復唱するたび、美咲は短く頷いた。

「義兄さんが、本当にできるか見てみたいだけ」

挑発するような言葉とは裏腹に、細い指はチェアの縁を強く掴んでいた。智樹には女性経験がない。義妹の身体へ触れるどころか、唇を重ねた経験さえなかった。

美咲は背もたれへ身体を預けた。智樹が肩の安全帯を留め、こめかみのセンサーを合わせる。首筋に髪が一本残っていたため、指先でそっと外へ逃がした。

その一度の接触だけで、美咲の喉が小さく動いた。けれど右手は停止動作を作らない。目を閉じ、開始して、と短く告げた。

智樹がダイブ開始を押す。青いランプが順番に白へ変わった。美咲の瞼が一度震え、肩から力が抜ける。胸がゆっくり上下していること以外、眠っている姿と変わらなかった。

モニターには月影城へ接続した美咲の状態が映る。仮想側の彼女は転移室に立ち、右手を開閉していた。意識はそこにある。現実の身体には、もう周囲を認識する反応がない。

智樹は名前を呼んだ。返事はなかった。頬の前で手を動かしても、閉じた瞼は揺れない。安全表示は緑のまま。許された範囲と停止条件が、画面の端に文字で残っていた。

椅子の横へ膝をつく。近くで見る美咲の顔は、普段より幼くではなく、無防備に見えた。二十一歳の成人だと分かっていても、信頼を預けられた重さが智樹の指を止めた。

最初に触れたのは肩だった。長袖シャツの布へ手のひらを置き、力を入れずに輪郭を確かめる。体温が薄い生地を通じて伝わり、指先の震えだけが目立った。

手を鎖骨の下へ滑らせる。襟元は動かさない。服の上から胸の膨らみへ近づくにつれ、智樹の呼吸が浅くなる。美咲の身体は変わらず、規則正しく息を続けていた。

掌が右胸へ重なった。柔らかな重みが布越しに沈み、手の形に合わせてゆっくり戻る。強く揉まず、包むだけ。それでも家族として隠されていた丸みが、現実の感触となって手の中へ収まった。

親指を動かすと、シャツと下着がわずかに擦れた。美咲の呼吸は乱れない。現実側では何も感じていない。画面の中の彼女も月影城の光を見上げたまま、停止動作を示さなかった。

智樹は一度手を離した。安全表示を確かめ、今度は左胸へ触れる。左右でわずかに違う柔らかさまで分かる距離だった。胸元の布に残った掌の熱が、青い光の下で淡く皺を作っていた。

許可された行為でも、眠るような身体へ触れている事実は変わらない。智樹は急がず、指を広げたまま数秒だけ支え、すぐに圧力を緩めた。

次はキスだった。椅子の背を少し倒し、美咲の首が苦しくない角度に調整する。唇はわずかに閉じられ、息が鼻先を静かに抜けていた。

顔を近づけても、美咲は目を開けない。智樹は頬へ触れ、停止表示をもう一度見る。緑。仮想側では、美咲の右手も開いたままだった。

最初のキスは、触れたと呼べるほど短かった。乾いた唇の表面が重なり、離れる。美咲の体温が残り、智樹は息を止めたまま数秒動けなかった。

二度目は少し長く触れた。唇の角度を変え、押しつけないように重ねる。美咲の吐息が智樹の頬へ流れた。眠ったような義妹の胸は、一定の間隔で上下している。

舌は入れない。今夜の約束を越えないよう、閉じた唇の柔らかさだけを確かめる。離れたあとも顔は近く、互いの呼吸だけが狭い空間で混ざった。

智樹の右手は、もう一度シャツの上から胸へ戻った。唇を重ねたまま触れることまでは確認していない。迷った末、キスをやめてから手のひらを置く。

画面の月影城で、美咲が振り返った。現実の接触を知った反応ではない。転移室の扉が開き、次の区画が現れたためだった。右手はまだ開いている。強制帰還の声もない。

智樹は胸から手を離し、乱れたシャツの皺を元へ戻した。許された二つの行為は終えた。それでも美咲の言った「好きにして」という言葉は、もっと先を試す余白のように残っている。

モニターには、新しい選択肢が一つ浮かんだ。現実側の接触レベルを上げ、月影城の密室区画へ進む。決定権は仮想側の美咲にあり、智樹には押せない。

月影城の美咲が、表示へ右手を伸ばす。現実の身体は意識を失ったように静かなまま。指先が選択肢へ触れる直前、智樹は椅子の横で息を整えた。

ここまで読んでくれてありがとう

選択を変えれば、結末は変わります。
別のルートを試すか、他の物語へ。

📖 「好きにして」と告げてダイブする義妹の全ルート↻ 最初から読み直す🏠 他の物語を探す

コメント