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【名器】声を出したら次の道具、モニター試験で初めて中でイかされる遥:vol.6(製品資料の撮影)
製品の資料として、撮ってください。そう言った瞬間、遥は自分の耳を疑った。今の言葉を口にしたのは、本当に自分だったのか。真壁も、しばらく何も言わなかった。それから、確かめるように、ゆっくりと聞き返した。映像で記録する。それでいいのか。
「……顔は、写さないんですよね」
写さない、と真壁ははっきり言った。社内の開発資料にだけ使う。外には出さない。見るのは、開発の担当者だけだ。真壁は新しい同意書を机から出し、映像記録の項目を指で示した。撮影範囲は首から下。使用は社内の開発資料に限る。遥はその一行を何度も読んでから、名前を書いた。
真壁は部屋の隅の棚から、三脚とカメラを運んできた。業務用の、黒くて大きなカメラだった。検査台の足元に三脚を立て、レンズの高さを調整する。それから、液晶の画面を遥のほうに向けた。画面には、検査台の上の遥が映っていた。首から下だけ。
開いたガウンの前、汗ばんだ胸、平たい腹、そして、大きく開かれた脚の真ん中。照明を浴びて、そこは濡れて光っていた。遥は画面から目を逸らした。逸らしても、レンズがそこを向いていることは変わらなかった。赤い小さなランプが、カメラの横で灯った。
カメラの向こうで、真壁が液晶を覗き込み、ピントを合わせていた。指先でダイヤルを回すたびに、画面の中の遥の脚の間が、ぼやけたり、くっきりしたりする。くっきりと合うたびに、襞の一枚一枚まで見えてしまう。遥は息を止めて、ピント合わせが終わるのを待った。
「……もう、撮ってるんですか」
撮っている、と真壁は言った。今から、全部が記録になる。真壁はトレイを引き寄せ、凹凸のある太い道具を手に取った。それをカメラのレンズの前に一度かざしてから、遥の入口に当てた。製品名を記録するためだ、と真壁は言った。遥には、それが儀式のように見えた。
道具が、ゆっくりと沈んでいく。遥はレンズのほうを見ないようにした。けれど、横目に入る液晶の画面に、自分の入口が太いものを呑み込んでいくのが、はっきりと映っていた。入口が広げられ、凹凸が一つずつ消えていく。その映像が、今、記録されている。
「ん……っ、映って、る……」
声も記録されている、と真壁が言った。遥は唇を噛んだ。声の決まりは、もうなかった。けれど、今度は声を出すたびに、それが映像と一緒に残ってしまう。開発の担当者たちが、いつかこの声を聞く。そう思うと、喉が勝手に締まった。
真壁が道具を動かし始めた。カメラに見えやすいように、少しだけ角度をつけて。引くと、入口が道具に吸いついて盛り上がり、押し込むと、奥へ沈んでいく。その一往復ごとに、液晶の中の遥の脚の間が、いやらしく形を変えた。遥は目をつぶった。
目をつぶっても、レンズの存在は消えなかった。むしろ、見えないぶん、余計に意識してしまう。今、どこが映っているのか。どんなふうに濡れているのか。中が道具を締めつけるたびに、それも映っているのか。考えるたびに、遥の中が、また道具をきゅっと締めつけた。
締めつけ、八十七。真壁が読み上げた。その声も、記録されていた。カメラがあると、数値が上がる、と真壁は言った。撮られていると思うと、身体が反応する。遥は首を振った。違う、と言いたかった。けれど、モニターの数字は、真壁の言うことが正しいと告げていた。
真壁はトレイから吸引器を取り、遥の突起にかぶせた。スイッチが入る。シリコンの口が突起を吸い上げた瞬間、遥の腰が浮いた。液晶の画面の中で、遥の腰が跳ね上がるのが映った。画面の中の女は、脚を開いたまま、腰を浮かせて震えていた。
「や……っ、こんなの、撮られたら……」
撮るのを頼んだのは、あなただ、と真壁は静かに言った。遥は言い返せなかった。その通りだった。自分で頼んで、自分でサインした。だから、この映像はすべて、自分が望んだものとして残る。遥はその事実に、背中がぞくぞくと震えるのを感じた。
突起を吸われながら、中を道具で突かれる。遥の身体は、カメラの前で、少しずつ崩れていった。胸が揺れ、腹が波打ち、太ももが震える。首から下だけの映像の中で、遥の身体は、遥の顔よりもずっと正直に、感じていることを語っていた。
波が来た。遥はカメラの前で、声を上げてイった。中が道具を締めつけ、腰が台から浮き、脚の間から温かいものが噴き出した。透明なしぶきが、レンズのすぐ手前まで飛んだ。液晶の画面の下のほうに、細かい水滴がいくつも光った。
真壁が、レンズを布で拭った。その仕草が、遥にはひどく恥ずかしかった。自分の身体から出たものが、カメラにかかったのだ。真壁は何事もなかったように、カメラの位置を直した。赤いランプは、ずっと灯ったままだった。
遥は、レンズを拭った布を見ていた。白い布に、うっすらと染みができていた。あの染みも、自分のものだった。真壁はそれを丁寧に畳み、トレイの端に置いた。捨てなかった。そのことが、遥にはなぜか、ひどく気になった。
道具と吸引器が外された。遥は台の上で、荒い息をつきながら、液晶の画面を見た。画面の中の自分の脚の間は、何もないのに、ひくひくと動き続けていた。それも、今、撮られている。遥は膝を閉じようとして、閉じなかった。閉じたら、映像が途切れる気がした。
「……主任。これ、道具だけの記録、ですよね」
真壁は、遥の言葉の続きを待っていた。遥は唇を舐めて、続けた。製品の資料なら、本物と比べたところも、要るんじゃないですか。言ってしまってから、遥は顔を両手で覆った。指の隙間から、カメラの赤いランプが見えた。
真壁は黙ったまま、ゆっくりと立ち上がり、カメラの液晶を確認した。赤いランプは消えていない。真壁は遥のほうを振り返り、低い声で聞いた。本物のところも、撮っていいのか。遥は、顔を覆ったまま、小さく頷いた。
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